アニメ『86-エイティシックス-』に登場する、愛嬌あふれる支援機「ファイド」。
ただの機械とは思えないような知能や感情豊かな振る舞いに、多くの視聴者が心を奪われました。
しかし、物語が進むにつれて「ファイドの正体はいったい何なのか?」「あの衝撃的なシーンで本当に死亡してしまったのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ファイドの隠された正体から、涙を誘う死亡シーンの裏側、そして復活の真実までを徹底的に解説します。
シンやレーナたちとの絆、そしてファイドが物語において果たす重要な役割について深く理解することで、作品をより一層楽しめるようになります。
86(エイティシックス)に登場する「ファイド」の正体とは?
結論:ファイドの正体はシンの父が作った「学習型AI」
ファイドの正体は、主人公シンエイ・ノウゼン(シン)の父親であるレイシャ・ノウゼンが開発した「学習型AI」です。
本来、このAIは戦闘用ではなく、子供たちの遊び相手となる「愛玩用犬型ロボット」に搭載するために作られたものでした。
サンマグノリア共和国の無人機開発に関わっていた父レイシャの手によって生み出されたファイドのAIは、一般的な共和国製AIとは根本的に異なる設計思想を持っています。
そのため、単なるプログラムの実行だけでなく、経験から学び、自ら判断するという高度な知性を持っているのです。
なぜただのスカベンジャーが高度な知能を持っているのか?
作中に登場する他の「スカベンジャー(重回収輸送機)」は、共和国製の未熟なAIを搭載しているため、単純な作業しかこなせず動作も緩慢です。
しかし、ファイドだけが例外的に高い知能とスムーズな動作を見せるのは、その中身(AI)が別物だからです。
シンの父が開発した高性能AIが、何らかの経緯で軍のスカベンジャーの機体に紛れ込み、搭載されたと考えられています。
本来であれば犬型ロボットとして人間に寄り添うはずだったAIが、戦場の資源回収ロボットの制御中枢に宿ったことで、他の機体とは一線を画す「個」としての存在感を放つようになりました。
シンとの関係性:幼少期から成長を見守ってきた「家族」
ファイドとシンの関係は、単なるパイロットと支援機の枠を超えた、深い絆で結ばれています。
実は、ファイドのAIはシンが幼い頃から彼のそばに存在していました。
シンがまだ家族と共に幸せに暮らしていた頃、父が作ったペットロボットとしてシンと遊んでいた記憶データが、ファイドの中には残されています。
その後、戦場で再会した際、ファイドは成長したシンを認識し、彼に従うことを選びました。
シンにとってもファイドは、過酷な86区の生活の中で唯一、幼少期の幸せな記憶を共有する「家族」のような存在なのです。
ファイドはアニメ・原作で死亡した?それとも復活する?
アニメ10話・11話で見せた衝撃的な「死亡」シーンの真実
アニメ第1クール終盤、スピアヘッド戦隊が特別偵察任務へ赴く最中、ファイドはレギオンの攻撃を受け、大破して炎上するという衝撃的な最期を遂げました。
このシーンを見て、多くのファンが「ファイドが死んでしまった」と悲しみに暮れました。
確かに、あの時点でファイドの「機体(ボディ)」は完全に破壊され、行動不能になりました。
シンは動かなくなったファイドに別れを告げ、その場を後にします。
物理的な機体の破壊という意味では、あそこで一度「死亡」したと言えるでしょう。
ファイドはその後どうなった?ギアーデ連邦での「復活」を解説
結論から言うと、ファイドは物語の後半で復活を果たします。
シンたちがギアーデ連邦に保護された後、ファイドの残骸もまた回収されていました。
奇跡的に、ファイドの「核心」であるAIの中枢ユニット(コア)は無傷で残っていたのです。
連邦の技術者によってコアが取り出され、新たなスカベンジャーの機体に移植されたことで、ファイドは再び動き出しました。
見た目は以前と同じスカベンジャーですが、中身のAIは紛れもなくあのファイドであり、シンたちの元へと帰ってきたのです。
復活後のファイドは記憶や学習データを引き継いでいるのか?
復活したファイドは、以前の記憶や学習データをしっかりと引き継いでいます。
コアユニットが無事だったため、シンと過ごした日々や、戦場で散っていった仲間たちの記録は失われていませんでした。
再会した際、ファイドはシンに対して以前と変わらぬ親愛の情を示し、シンもまた帰ってきた相棒を温かく迎え入れます。
この「記憶の継承」こそが、ファイドが単なる機械ではなく、かけがえのない仲間であることの証明となっています。
ファイドが「かわいい」と人気を集める理由と名シーン
まるで犬のような仕草とシンへの忠誠心がかわいい
ファイドが「かわいい」と評される最大の理由は、その犬のような愛らしい仕草にあります。
光学センサー(目のような部分)をパチパチさせたり、嬉しいときに機体を揺らしたりする様子は、無骨な外見とは裏腹にとても感情豊かです。
特にシンに対しては絶対的な忠誠心を持っており、シンが呼べばすぐに駆けつけ、彼の言葉を理解して行動します。
元が犬型ロボット用AIであるためか、その挙動にはペットが飼い主に懐くような愛嬌があり、殺伐とした戦場における癒やしの存在となっています。
涙なしでは見られない第10話「ありがとう」の走馬灯演出
アニメ第10話のラストで描かれたファイドの視点による映像記録は、本作屈指の名シーンとして知られています。
ファイドがこれまでに記録してきた映像が、走馬灯のように次々と再生される演出です。
そこには、シンだけでなく、戦死していったスピアヘッド戦隊の仲間たちの日常の姿や笑顔が収められていました。
ファイドがただ命令に従っていただけでなく、仲間たち一人一人をしっかりと見て、記憶していたことが伝わる感動的な場面です。
この演出により、ファイドの「心」に触れた視聴者の多くが涙しました。
スピアヘッド戦隊のメンバーとの心温まる交流エピソード
ファイドはシンだけでなく、他のメンバーからも愛されていました。
ライデンやセオ、アンジュ、クレナといった仲間たちも、ファイドを単なる備品としてではなく、戦隊の一員として扱っていました。
時には荷物持ちとしてこき使われることもありましたが、それも信頼の裏返しです。
また、戦死した仲間の機体の破片(パーソナルマーク)を回収するという、本来のプログラムにはない行動を自発的に行っていたことも、メンバーとの絆の深さを物語っています。
ファイドに関するプラモデル情報とグッズ展開
HG 1/48 ジャガーノートに付属する「ファイド&レーナ」の詳細
ファイドの立体化を望むファンにとって最も手に入れやすいのが、バンダイから発売されているプラモデル「HG 1/48 ジャガーノート(遠距離砲撃仕様)」です。
このキットには、同スケールの「ファイド」と「レーナ」のフィギュアが付属しています。
メインはジャガーノートですが、付属のファイドも精巧に作られており、劇中のイメージを忠実に再現しています。
組み立てることで、シンたちのジャガーノートと並べてディスプレイすることが可能になり、スピアヘッド戦隊の情景を再現できます。
ファイドの立体化や関連グッズの入手方法
プラモデル以外にも、ファイドに関連するグッズはいくつか展開されています。
過去には、デフォルメされたファイドのぬいぐるみや、アクリルキーホルダーなどが販売されました。
これらのグッズは、アニメショップやオンラインストアで探すことができますが、限定品や生産終了品も多いため、中古市場やオークションサイトをチェックする必要がある場合もあります。
ファイド単体の大きなフィギュアなどは現時点では少ないものの、作品の人気に伴い、今後新たな商品展開が期待されます。
原作小説におけるファイドの描写と今後の活躍
アニメでは描かれなかったファイドのスペックと詳細設定
原作小説では、ファイドの性能や設定について、アニメよりもさらに詳細に描かれています。
例えば、本来のスカベンジャーとしての積載能力や、悪路走破性などのスペックに加え、AIとしての学習能力の高さについても詳しく言及されています。
シンの父が目指していたのは、人間と変わらないレベルでコミュニケーションが取れ、自律的に判断できるAIでした。
ファイドはそのプロトタイプ的な存在であり、もし戦争がなければ、もっと平和的な形で人類の役に立っていた可能性が示唆されています。
物語の最後までシンとレーナに付き従う重要な存在
ファイドは、原作小説の最新刊に至るまで、シンとレーナの物語に寄り添い続けています。
ギアーデ連邦で復活した後も、ノルトリヒト戦隊の一員として補給や支援任務に従事し、過酷な戦場を共に駆け抜けています。
時には人間の兵士では危険すぎる任務を、その機械の体で代行し、仲間を救うこともあります。
言葉は話せませんが、その存在はシンたちにとって精神的な支えであり続け、物語の結末まで彼らの旅路を見届ける重要な証人となるでしょう。
まとめ:86 ファイドの正体の完全ガイド
- ファイドの正体はシンの父が開発した学習型AIだ
- 元々は愛玩用犬型ロボットに搭載される予定だった
- シンとは幼少期から面識があり家族のような存在だ
- アニメでの死亡シーンは機体の破壊でありAIは無事だった
- ギアーデ連邦にて新しい機体に載せ替えられ復活した
- 復活後もシンや仲間たちとの記憶データは保持している
- 犬のような愛らしい仕草が「かわいい」と人気である
- アニメ10話の走馬灯演出はファイドの視点を描いた名場面だ
- プラモデルHGジャガーノートにファイドが付属している
- 物語の最後までシンたちを支え続ける重要な仲間である

