乙骨憂太「ぶっ殺してやる」を徹底解説！セリフの謎と純愛の物語

『呪術廻戦』の中でも特に印象的なセリフ、「乙骨 ぶっ殺してやる」。

この過激な言葉は、普段物静かな乙骨憂太が放ったとは思えないほどの激情が込められています。

なぜ彼はこのセリフを叫んだのでしょうか。

この記事では、「乙骨 ぶっ殺してやる」というセリフが発せられたシーンを深掘り解説します。

さらに、「失礼だな、純愛だよ」や「力を貸して」といった他の名セリフとの関連性、虎杖悠仁との違い、そして碇シンジと重ねられる理由まで、乙骨憂太というキャラクターの魅力を多角的に解き明かしていきます。

乙骨が「ぶっ殺してやる」と叫んだシーンの背景

「乙 骨 ぶっ殺し て やる」のシーンを徹底解説

このセリフは、『劇場版 呪術廻戦 0』における最凶の呪詛師・夏油傑との最終決戦で、乙骨憂太が放った怒りの咆哮です。

この言葉が生まれた直接的な理由は、親友である狗巻棘をはじめ、大切な仲間たちが夏油によって容赦なく傷つけられたことへの、抑えきれない怒りからでした。

仲間を傷つけられた激情

物語のクライマックス、夏油は「百鬼夜行」を実行し、呪術高専にも襲来します。

乙骨は高専に残った仲間たちを守るために奮闘しますが、夏油の圧倒的な力の前に、禪院真希やパンダ、そして狗巻棘が次々と倒されてしまいます。

特に、狗巻の腕が目の前で吹き飛ばされた光景は、乙骨の心の最後の砦を打ち砕きました。

それまで他人を傷つけることを恐れ、死を望んでいた気弱な少年が、初めて他者のために純粋な殺意を抱いた瞬間です。

原作とアニメの演出の違い

原作漫画でも鬼気迫るシーンとして描かれていますが、劇場版アニメではその表現がさらに昇華されています。

緒方恵美さんの魂を削るような叫び声は、乙骨の悲痛な怒りを観客の心に直接突き刺しました。

さらに、アニメオリジナルの演出として、この激情に呼応して乙骨が「黒閃」を放つシーンが追加されています。

黒閃は、並外れた集中力の先にしか生まれない現象であり、この時の乙骨の怒りと呪力が、いかに研ぎ澄まされていたかを物語っています。

この一連の流れを目の当たりにした五条悟が「激情とそれに伴う莫大な呪力の昂り…!!」と冷静に分析する描写も、乙骨の潜在能力の異常さを示唆する重要なポイントです。

乙骨の覚悟を示すセリフ「力を貸して」

「力を貸して」というセリフは、乙骨憂太と特級過呪怨霊・祈本里香の関係性が新たなステージに進んだことを示す、非常に重要な言葉です。

これは、乙骨が里香の力を自らの意志で、そして「仲間を守るため」に使うと決意した覚悟の表れに他なりません。

呪術高専に入学した当初の乙骨は、里香の強大な力に振り回され、その存在を恐れていました。

しかし、真希たち仲間との訓練や交流を通じて、徐々に自己肯定感を持ち始め、自分の力と向き合うようになります。

夏油との戦闘中、追い詰められた乙骨は、初めて里香に対して「お願い」する形で力を求めます。

これは、里香を一方的な「呪い」としてではなく、共に戦う「パートナー」として認識した瞬間でした。

それまでの乙骨は、里香が暴走することを恐れて力を抑え込もうとしていましたが、このセリフを境に、里香の力を能動的に引き出し、制御して戦うスタイルを確立していくのです。

恐怖の対象であった力が、守るための力へと変わった、まさに彼の成長を象徴するターニングポイントと言えるでしょう。

命を懸けた「最後にもう一度」という願い

「最後にもう一度」という願いは、「力を貸して」という覚悟からさらに一歩踏み込んだ、乙骨の自己犠牲の決意を示すセリフです。

これは、夏油傑を倒すために、自らの命そのものを代償として里香の呪力を完全解放する際の、悲痛な誓いの言葉でした。

夏油の術式「極ノ番『うずまき』」という最大火力に対し、乙骨は通常の方法では対抗できないと悟ります。

そこで彼は、自らの未来、心、体のすべてを里香に捧げるという、究極の「縛り」を自身に課しました。

「僕の未来も心も体も全部里香にあげる」

「結婚しよう」

「でもその代わり、最後にもう一度だけ力を貸して」

幼い頃の婚約指輪を再びはめ、愛を誓うことで呪力の制限を解除するこのシーンは、『呪術廻戦 0』における屈指の名場面です。

愛を誓う行為が、最大の呪力を引き出すための「縛り」となるという、あまりにも皮肉で、そして純粋な発想でした。

この命を懸けた願いがあったからこそ、乙骨は夏油を打ち破るほどの莫大なエネルギーを放つことができたのです。

「ぶっ殺してやる」という怒りの感情と、「最後にもう一度」という愛の覚悟が融合した一撃が、彼の勝利を決定づけたと言えます。

乙骨憂太のセリフにおける「りか」の存在

乙骨憂太のセリフを語る上で、「りか」という存在は彼の全てであり、その強さの源泉そのものです。

乙骨のセリフにおける「りか」は、単なる名前ではなく、彼の感情や状況によってその意味合いが変化する、重要なキーワードとなっています。

幼い頃、乙骨が里香を「呪い」に変えてしまったのは、彼女の死を受け入れられなかった彼の無意識の「愛」が引き起こしたものでした。

この「呪い」が、乙骨に特級術師たる莫大な呪力を与えることになります。

当初、乙骨は彼女を「里香ちゃん」と呼び、罪悪感と恐怖を感じていました。

しかし、戦いの中で彼女の力を借りる決意を固めた時、その呼び方は覚悟のこもった「りか」へと変わります。

この呼び方の変化は、二人の関係性が「呪われる側」と「呪う側」から、「共に戦うパートナー」へと進化したことを示唆しています。

時系列	乙骨と里香の関係性	象徴的なセリフ・状況
出会い	純粋な愛（婚約）	「大人になったら里香と結婚する」
事故後	呪いと被呪いの関係	「里香ちゃんに呪われている」と認識
高専入学後	共闘関係への変化	「力を貸して、りか」
夏油戦	愛の再確認と解放	「失礼だな、純愛だよ」→解呪
本編	術式としての「リカ」	祈本里香とは別の存在

なお、本編で乙骨が使役しているカタカナ表記の「リカ」は、解呪された祈本里香本人ではなく、彼女の力を乙骨が術式として模倣・再現したものです。

それでもなお「リカ」と名付けている点に、乙骨の里香への深い愛情と絆が永遠に続いていることが感じられます。

「ぶっ殺してやる」から紐解く乙骨憂太の人物像

「失礼だな、純愛だよ」に込めた乙骨憂太の想い

「失礼だな、純愛だよ」というセリフは、乙骨憂太と祈本里香の関係性の本質、そして『呪術廻戦 0』という物語のテーマそのものを一言で表現した、あまりにも有名な言葉です。

このセリフは、夏油傑から「女誑しめ」と、里香との関係を歪んだものだと揶揄された際に放たれました。

それに対する「純愛」という反論は、気弱で自己肯定感の低かった乙骨が、初めて自らの過去と現在を正面から肯定し、胸を張って宣言した瞬間でした。

彼は、里香を呪ってしまったという罪悪感に苛まれ続けてきました。

しかし、夏油との対峙の中で、その関係は決して穢れたものではなく、一途な愛に基づいたものであると確信したのです。

このセリフには、以下のような想いが込められています。

里香への深い愛情と感謝

自分を呪い、苦しめてきたと思っていた存在が、実は自分を守り続けてくれていたことへの感謝。

そして、今も昔も変わらない里香への深い愛情を再確認した言葉です。

過去の自分との決別

他人を傷つけることを恐れ、死さえ望んでいた過去の自分との決別宣言でもあります。

里香との関係を「純愛」と肯定することで、彼は呪いと共に生き、戦う覚悟を固めました。

このセリフが観客や読者の心を強く打ったのは、単に乙骨の覚醒シーンであるからだけではありません。

誰もが持つ「愛」という感情の、最も純粋で、そして最も強力な形を、この一言が見事に描き出したからに他ならないでしょう。

「ぶっ殺してやる」は虎杖も言った？セリフの比較

結論から言うと、虎杖悠仁が乙骨と全く同じ「ぶっ殺してやる」というセリフを言ったことは、作中では確認されていません。

しかし、虎杖もまた、仲間を傷つけられた際には、乙骨に匹敵するほどの強い殺意を露わにします。

両者の「殺意」には、その方向性や背景に興味深い違いが見られます。

比較項目	乙骨憂太の「ぶっ殺してやる」	虎杖悠仁の殺意
対象	夏油傑（特定の個人）	真人など（呪いそのもの）
感情	個人的な怒り、激情	公的な怒り、冷徹な決意
背景	仲間を直接傷つけられたこと	多くの人々が犠牲になったこと
目的	復讐、仲間を守るため	呪いを祓うという役割の完遂

乙骨の「ぶっ殺してやる」は、目の前で仲間が傷つけられたことへの、非常に個人的で直接的な怒りから生まれています。

対象は夏油傑という個人に明確に定められており、感情の爆発としての側面が強いです。

一方、虎杖の殺意は、特級呪霊・真人との戦いで顕著に現れます。

順平をはじめ多くの人々を弄び、殺害した真人に対し、虎杖は「俺はオマエを殺す」と冷徹に宣言します。

この時の虎杖の感情は、単なる怒りだけではありません。

多くの犠牲者への悲しみ、そして「呪いを祓う」という自らに課せられた役割を、どんな手を使っても完遂するという、ある種の義務感と冷たい決意が入り混じっています。

つまり、乙骨の殺意が「激情」であるとすれば、虎杖の殺意は「覚悟」と表現するのが近いかもしれません。

二人の主人公が抱く「殺意」の質の違いは、それぞれのキャラクター性や背負っているものを深く反映していると言えるでしょう。

なぜ似てる？「乙骨 シンジ」と呼ばれる理由を考察

乙骨憂太が、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジに似ている、としばしばファンの間で語られます。

「乙骨 シンジ」というキーワードで検索されるほど、この二人の共通点は多くの人々に認識されています。

その理由は、主に以下の3つのポイントに集約されます。

1. 担当声優が同じ

最大の理由は、両キャラクターの声を、声優の緒方恵美さんが担当していることです。

緒方さんの演じる、思春期の少年の繊細さ、脆さ、そして内に秘めた激情の表現は、乙骨とシンジのキャラクター像に完璧に合致しています。

このキャスティングは意図的なものではないかと考察するファンも多く、声を通じて二人のイメージが重なるのは自然なことと言えます。

2. 初期設定の酷似

二人の初期設定には、驚くほど多くの共通点があります。

• 内向的で自己肯定感が低い性格
• 望まぬ形で、自分では制御しきれない強大な力（里香の呪い／エヴァンゲリオン）を背負わされる
• その力によって、他人を傷つけることを極度に恐れている
• 父親との関係が複雑である

物語の序盤、自分が生きている価値を見出せず、苦悩する姿は、まさに瓜二つです。

3. 境遇と成長の違い

一方で、二人の物語はその後の展開で大きく分岐します。

碇シンジは、物語の最後まで他者との関係に悩み、自分の存在意義について葛藤を続けます。

彼の物語は、思春期の普遍的な苦悩を深く掘り下げる内省的なものです。

これに対し、乙骨憂太は、五条悟や呪術高専の仲間たちとの出会いを通じて、明確に成長を遂げます。

彼は仲間という「外との繋がり」を得ることで、自分の力を受け入れ、大切なものを守るために戦うという目的を見出します。

このように考えると、乙骨憂太は「もし碇シンジが信頼できる仲間に出会えていたら」という、一つの可能性（IF）の物語として見ることもでき、その対比がまた面白い点です。

乙骨憂太の成長がわかるセリフ集

乙骨憂太の魅力は、その劇的な精神的成長にあります。

彼のセリフを時系列で追っていくと、気弱で死を望んでいた少年が、仲間を思いやる強さを持ち、頼れる特級術師へと変貌していく過程がはっきりと見て取れます。

ここでは、彼の成長を象徴するセリフをいくつか紹介します。

初期：自己否定と渇望

「生きてていいって自信が欲しいんだ」

呪術高専に転入した当初の、彼の切実な願いです。

里香の呪いに苦しみ、誰からも受け入れられないと感じていた彼の、心の叫びが凝縮されています。

成長期：仲間との出会い

「一人じゃ寂しいもんな」

夏油に「猿（非術師）は嫌いだ」と言われた際、乙骨が返した言葉です。

仲間と過ごす中で、孤独の辛さを知り、他者との繋がりを大切に思うようになった彼の成長が感じられます。

覚醒期：戦う理由の確立

「死んじゃダメだ 僕が僕を生きてていいって思えるように オマエは殺さなきゃいけないんだ」

夏油との戦いの中で、自分の存在価値を「仲間を守ること」に見出した瞬間のセリフです。

初めて明確な殺意と戦う意志を固めた、重要な転換点でした。

決意：愛の肯定と怒り

「失礼だな、純愛だよ」

「ぶっ殺してやる」

前述の通り、自らの過去を肯定し、仲間のために激情を爆発させた、彼の覚醒を象徴するセリフです。

現在（本編）：特級術師としての風格

「虎杖悠仁は僕が殺します」

本編で再登場した際の衝撃的なセリフです。

一見すると冷酷な言葉ですが、これは上層部を欺き、虎杖を守るための芝居でした。

かつての彼からは想像もつかない、冷静さと覚悟、そして他者を守るための強かさを身につけたことがうかがえます。

これらのセリフは、乙骨憂太が決して生まれながらのヒーローではなく、多くの葛藤と仲間との絆を経て強くなった、人間味あふれるキャラクターであることを物語っています。

まとめ：「乙骨 ぶっ殺してやる」は純愛と覚悟の叫び