虎杖が九相図を食べた説の真相は?兄弟の絆と母親の謎を解説

『呪術廻戦』の物語は、数多くの謎と伏線が散りばめられており、多くのファンが日夜考察を繰り広げています。

特に渋谷事変における「虎杖vs脹相」の戦いは、読者に大きな衝撃を与えました。

この戦いをきっかけに、「もしかして虎杖は九相図を食べたのではないか?」という一つの大きな疑問が浮上したのです。

この記事では、その疑問の真相に迫ります。

虎杖悠仁と九相図の長男・脹相がなぜ兄弟と呼ばれるのか、その背景にある虎杖の母親の正体、そして「存在しない記憶」の謎を一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。

さらに、「宿儺が天元を食べた」という別の噂や、ファンが生んだユニークな言葉の元ネタ、海外の反応まで、物語をより深く楽しむための情報を網羅的に解説します。

目次

「虎杖が九相図を食べた」説の真相と兄弟の物語

渋谷事変での死闘!虎杖vs脹相の結末

結論から言うと、渋谷事変での虎杖悠仁と脹相の戦いは、虎杖の辛勝という形で幕を閉じますが、その勝敗以上に重要な意味を持つ出来事が起こりました。

それは、脹相の脳内に「存在しないはずの記憶」が流れ込んだことです。

この戦いは、JR渋谷駅の構内で繰り広げられました。

弟である壊相と血塗を虎杖に殺された(と誤解していた)脹相は、凄まじい憎悪を胸に虎杖に襲いかかります。

自身の血液を自在に操る「赤血操術」を駆使する脹相は、遠距離からは血液を圧縮して放つ「穿血(せんけつ)」、近距離では血液を爆発させる「超新星(ちょうしんせい)」といった強力な技で虎杖を圧倒しました。

一方の虎杖も、類稀なる身体能力と、宿儺の器として得たタフさで必死に応戦します。

特にアニメ版では、駅のトイレという閉鎖空間での激しい肉弾戦がオリジナルで描かれ、その作画クオリティの高さも大きな話題となりました。

戦いの終盤、追い詰められた虎杖にとどめを刺そうとした瞬間、脹相の脳裏に、ありえない光景がフラッシュバックします。

それは、虎杖と、九相図の兄弟である壊相、血塗、そして脹相自身が、和やかに食卓を囲むという「幸せな家族の記憶」でした。

この不可解な現象に脹相は激しく混乱し、虎杖への攻撃を止めてしまいます。

この一瞬の隙が勝敗を分け、結果的に虎杖は生き延びることになりました。

そもそも特級呪物「受胎九相図」とは何か?

「受胎九相図(じゅたいくそうず)」とは、史上最悪の呪術師として知られる加茂憲倫(現代では羂索という人物がその肉体を乗っ取っています)によって、意図的に生み出された9体の特級呪物の総称です。

彼らは、ただの呪物ではなく、人間と呪霊の混血という極めて特殊な存在です。

その誕生の経緯は、非常に悲しいものでした。

明治時代、呪霊の子を身籠もることができてしまう特異体質の女性が存在しました。

彼女は周囲から迫害され、幽閉されてしまいます。

そこに目をつけたのが、当時加茂家の当主であった加茂憲倫(羂索)でした。

彼は彼女に対し、自身の血液を混ぜるなどの非道な実験を繰り返し、9度の懐妊と堕胎を強制しました。

こうして生まれたのが、「呪胎九相図」の9体の兄弟です。

元ネタとなっているのは、屋外にうち捨てられた死体が腐敗し、白骨化していくまでの9つの段階を描いた仏教絵画「九相図(くそうず)」であり、彼らの名前もそれに由来します。

作中では、長男の脹相、次男の壊相(えそう)、三男の血塗(けちず)が、人間の肉体を得て登場しました。

彼らは自分たちを生んだ母親のことも、実験を行った加茂憲倫のことも知りません。

しかし、互いの絆だけは何よりも強く、兄弟で寄り添いながら過酷な時代を生きてきたのです。

番号名前概要
一番脹相(ちょうそう)九人兄弟の長男。兄弟への愛情が非常に深い。赤血操術の使い手。
二番壊相(えそう)九人兄弟の次男。背中に顔があり、トリッキーな術式を使う。
三番血塗(けちず)九人兄弟の三男。子供のような見た目と純粋さを持つ。
四番~九番(名称不明)呪物として高専に保管されている。まだ受肉はしていない。

このように、彼らは呪術界の暗い歴史が生んだ被害者であり、その行動原理はすべて「兄弟愛」に基づいています。

すべては運命?明かされた虎杖の母親の正体

虎杖悠仁と脹相の間に生まれた不可解な記憶の謎は、物語が進むにつれて、さらに衝撃的な事実によって解き明かされていきます。

その鍵を握っていたのが、虎杖の「母親」の存在です。

作中で描かれた虎杖の幼少期の回想シーンに、彼の両親が登場します。

そこで描かれた母親・虎杖香織(いたどりかおり)の額には、体中に傷跡を持つ謎の人物「羂索(けんじゃく)」と全く同じ、脳を入れ替えたことを示す縫い目がありました。

これは、虎杖の母親・香織の肉体が、何らかの理由で羂索に乗っ取られていたことを意味します。

そして、羂索は、前述の通り「受胎九相図」を生み出した張本人でもある加茂憲倫と同一人物です。

つまり、こういうことです。

  1. 羂索は、加茂憲倫として「受胎九相図」を生み出した(父親的存在)。
  2. 羂索は、虎杖香織の肉体を乗っ取り、虎杖仁と結ばれ、虎杖悠仁を生んだ(母親的存在)。

この事実から、虎杖悠仁と九相図兄弟は、羂索という同じ存在を「親」に持つ、異父(母)兄弟であることが確定しました。

虎杖自身が、両面宿儺の指に耐えられる「器」となるよう、羂索によって意図的に生み出された存在であることも示唆されています。

この血の繋がりこそが、脹相の脳内に「存在しない記憶」を生み出す、全ての元凶であり、運命的な伏線だったのです。

結論は血の絆!虎杖と脹相の間に生まれた記憶

「虎杖が九相図を食べた」という説の直接的な答えは、「NO」です。

虎杖は九相図を食べていません。

脹相の脳内に生まれた「存在しない記憶」の正体、それは「血を分けた兄弟の絆」を、脹相の術式が予期せぬ形で感知した結果でした。

脹相が使う赤血操術は、自身の血液を操る術式です。

この術式には、血の繋がりを敏感に感じ取る特性がありました。

渋谷事変の最中、虎杖は特級呪霊である真人の領域展開によって魂に干渉され、一時的に「死」に近い状態に陥ります。

遠く離れた場所にいた脹相は、自身の術式を通して、血を分けた弟である虎杖の「死」を直感的に感じ取ってしまったのです。

弟の危機という強烈なシグナルを受け取った脹相の脳は、虎杖との間に「ありえたかもしれない幸せな未来(過去の記憶)」を捏造しました。

これが、あの食卓の光景の正体です。

この現象は、虎杖の親友である東堂葵に起こったケースとは根本的に異なります。

東堂の脳内に生まれた記憶は、彼が自身の求める理想の親友像を虎杖に重ね合わせた、いわば強烈な「思い込み」や「願望」の産物でした。

しかし、脹相のケースは、紛れもない「血の繋がり」という物理的な根拠に基づいています。

この記憶を見た後、脹相は虎杖への憎しみが消え、逆に「俺は兄だ!!弟の危機に駆けつけずにはいられない!!!!」と、命を懸けて虎杖を守る本物の「お兄ちゃん」として覚醒することになります。

虎杖が九相図を食べたと噂される程の熱い反響

「宿儺が天元を食べた」という噂の真相は?

「虎杖が九相図を食べた」という説と同様に、ファンの間で囁かれる大きな噂の一つに、「宿儺が天元を食べた(あるいは食べる)」というものがあります。

しかし、これも結論から言うと、作中でそのような事実は描かれておらず、誤情報あるいは考察が一人歩きしたものです。

この噂の真相は、「羂索が天元を吸収(同化)しようとした」という事実と混同されたものと考えられます。

そもそも天元とは?

天元は、日本国内の呪術界の結界を維持・強化している、非常に重要な存在です。

彼は「不死」の術式を持っていますが、「不老」ではないため、約500年周期で「星漿体(せいしょうたい)」と呼ばれる適合する人間と同化し、肉体情報をリフレッシュしなければなりません。

これを怠ると、天元は進化して人間ではなくなり、最悪の場合、人類の敵になる可能性を秘めていました。

羂索の真の目的

羂索の目的は、この天元のシステムに介入し、天元と全日本人を「同化」させることでした。

そうして生まれた超巨大な呪力を利用して、自身の理解を超える新たな存在を創り出すことが、彼の1000年にわたる計画の最終目標だったのです。

その計画の布石として、「死滅回游(しめつかいゆう)」という呪術師同士の殺し合いの儀式を引き起こしました。

宿儺が天元に強い興味を持っていたのは事実ですが、それは天元の持つ結界術や知識に対してであり、「食べる」という直接的な行動を示唆する描写はありませんでした。

つまり、「宿儺が天元を食べる」という噂は、物語の核心である「羂索が天元を同化する」という計画の重要性と、宿儺という最強キャラクターのイメージが結びついて生まれた、一種の都市伝説のようなものと言えるでしょう。

「なんでも食ってやる」は何話に登場する?

「なんでも食ってやる」というセリフは、原作漫画の第220話で、虎杖悠仁が宿儺を倒すための壮絶な覚悟を口にした場面で、実際に登場します。

以前の内容に誤りがありましたことを訂正いたします。このセリフは、物語の大きな転換点を示す、非常に重い意味を持つ言葉です。

このセリフが登場するのは、五条悟と両面宿儺による「最強決戦」の直前のことです。

圧倒的な力を持つ二人の戦いを前に、虎杖自身も決戦に臨むための力を得る必要がありました。

その覚悟の場面で、虎杖はこう宣言します。

「アイツを殺すためならなんでも喰ってやる」と。

この言葉の直後、虎杖は兄である脹相に対し、「兄弟たちのこと」について感謝を述べる様子が描かれました。

この一連の流れが示唆しているのは、虎杖が「喰った」もの、それは高専に保管されていた「呪胎九相図の4番から9番」であるということです。

虎杖は、宿儺の指をその身に宿したことで、彼自身が「宿儺という呪力に浸された呪物みたいなもの」と評される特異な体質となっています。

その体質を利用し、自らの兄弟にあたる呪物を取り込むことで、術式を持たなかった虎杖は、兄・脹相と同じ「赤血操術」をその肉体に刻み込んだのです。

つまり、この「なんでも食ってやる」というセリフは、単なる精神的な決意表明ではありません。

物語冒頭で仲間を救うために宿儺の指を喰ったように、「宿儺を殺す」という目的のためならば、文字通り何でも(たとえ兄弟である呪物であろうと)その身に取り込んで力に変える、という虎杖の壮絶な自己犠牲の覚悟を物理的に示した、極めて重要な言葉なのです。

九相図兄弟ファイヤー!!!!の元ネタは?

この「九相図兄弟ファイヤー!!!!」という印象的なセリフは、実際に原作漫画で登場する脹相の言葉です。

このセリフが登場するのは、原作203話での羂索との戦闘シーンです。

自身の「親」でありながら、兄弟たちを弄び、虎杖を利用する羂索に対し、脹相は決死の戦いを挑みます。

しかし、1級術師相当の実力を持つ脹相であっても、千年にわたり暗躍してきた羂索との実力差は歴然でした。

低級呪霊の物量にさえ圧倒され、心身ともに追い詰められた絶望的な状況下で、脹相は亡き兄弟たちを想い、自らを鼓舞するためにこう叫びます。

「九相図兄弟ファイヤー!!!!」と。

このセリフの元ネタとして最も有力視されているのが、国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』の映画作品などで見られる「野原一家ファイヤー!!!!」というお決まりの掛け声です。

家族の絆を力に変えて強大な敵に立ち向かう、という文脈が酷似していることから、作者である芥見下々先生によるパロディではないかと考察されています。

ただし、これが単なるギャグシーンで終わらないのが『呪術廻戦』の巧みさです。

脹相本人は至って真面目に、必死の覚悟で叫んでいます。

その必死さと、元ネタを知っているとクスリと笑ってしまう言葉のギャップが、シリアスな戦闘シーンの中で独特の悲壮感とシュールな笑いを生み出しました。

このシーンは、脹相というキャラクターの不器用ながらも純粋で、どこかズレている魅力を決定づけたと言えるでしょう。

世界も注目!九相図を巡る海外の反応まとめ

虎杖と九相図兄弟の関係、特に脹相の物語は、日本国内だけでなく、海外のファンコミュニティでも非常に大きな注目を集め、様々な議論や考察が活発に行われています。

国境を越えて、彼らの兄弟の絆が読者の心を掴んでいることが分かります。

ここでは、海外の巨大掲示板「Reddit」などで見られる代表的な反応をいくつか紹介します。

「存在しない記憶」への深い考察

海外ファンは「存在しない記憶」のメカニズムについて、非常に深く考察しています。

単に「血の繋がり」というだけでなく、「虎杖自身に、他者の記憶に干渉する無自覚な術式が備わっているのではないか?」という説が人気です。

東堂葵のケースも、単なる偶然ではなく、虎杖の潜在能力が引き起こした現象ではないかと考えるファンも少なくありません。

この謎が、物語の最終盤で明かされる重要な伏線だと考えられています。

脹相のキャラクター評価

脹相は、海外ファンから「最高の兄(Best Brother / Best Bro)」として絶大な人気を誇っています。

最初は敵として登場しながらも、弟の存在を知ってからは全てを懸けて守ろうとする彼の姿に、多くのファンが感動しています。

彼の不器用ながらも優しい人間性や、時折見せるコミカルな一面も人気の理由であり、「最も人間味あふれるキャラクターの一人」と高く評価されています。

倫理的な議論

一方で、より深く物語を読み込むファンの中には、彼らの関係を手放しで称賛することに疑問を呈する声もあります。

なぜなら、彼らの「親」である羂索は、自身の目的のために子供たちを利用する、まぎれもない悪だからです。

「悪意によって生み出された絆を、純粋なものとして受け入れて良いのか?」という、倫理的な問いを投げかける議論も見られ、物語の持つテーマの深さがうかがえます。

このように、海外ファンはキャラクターへの愛情だけでなく、物語の構造やテーマ性に対しても真摯に向き合い、多様な視点から『呪術廻戦』を楽しんでいるのです。

まとめ:「虎杖が九相図を食べた」説から紐解く呪術廻戦の深淵

  • 虎杖が九相図を食べた事実はなく、脹相の「存在しない記憶」が発端である
  • 「存在しない記憶」は、虎杖と脹相が血縁関係にあったため発生した
  • 虎杖の母親・香織は、史上最悪の呪術師・羂索に乗っ取られていた
  • これにより、虎杖と九相図は羂索を介した異父(母)兄弟となる
  • 受胎九相図は、羂索が特異体質の女性に自身の血を混ぜて生んだ特級呪物である
  • 虎杖vs脹相の戦いは渋谷事変で描かれ、脹相が記憶を見るきっかけとなった
  • 「宿儺が天元を食べた」という事実はなく、羂索の計画と混同された噂である
  • 虎杖の「なんでも食ってやる」というセリフは作中に存在しない
  • 「九相図兄弟ファイヤー」は、脹相の熱い兄弟愛を表すファン由来のミームである
  • 海外でも虎杖と九相図の兄弟関係は人気で、様々な議論が交わされている
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