『SAKAMOTO DAYS（サカモトデイズ）』は、個性豊かな殺し屋たちが繰り広げるスタイリッシュなアクション漫画として、多くのファンを魅了しています。
数多くのキャラクターの中でも、物語の核心に深く関わる謎多き人物が「赤尾リオン」です。
彼女は主人公・坂本太郎のJCC（殺し屋養成機関）時代の同期であり、物語開始時点ですでに故人とされていますが、その死には多くの謎が残されています。
「赤尾リオンは本当に死んだの？」「死亡した理由は何？」「もしかして生きているのでは？」といった疑問は、ファンの間で絶えず議論されています。
特に、彼女の死の真相は、宿敵であるスラー（有月憬）の過去や目的と密接に結びついており、物語を理解する上で避けては通れない重要な要素です。
この記事では、赤尾リオンのプロフィールから、衝撃的な死亡理由、そして今なお根強く囁かれる生存説まで、原作のネタバレを含みながら徹底的に解説していきます。
彼女の死が物語にどのような影響を与えているのか、その謎に迫っていきましょう。
『サカモトデイズ』赤尾リオンの死亡は確定？死の真相を解説
赤尾リオンの性別は？プロフィールを解説
『サカモトデイズ』に登場する赤尾リオンは、作中屈指の人気を誇るキャラクターですが、その性別について混乱する読者も少なくありません。
結論から言うと、赤尾リオンは女性です。
彼女の口調が「～だろ」や「～ぜ」といった男勝りなものであることや、同期の坂本や南雲と対等に渡り合う強気な性格から、男性と間違われることがありますが、作中では明確に女性として描かれています。
ここでは、彼女の基本的なプロフィールを公式ファンブックの情報も交えて詳しくご紹介します。
| 項目 | 内容 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 誕生日 | 1993年10月21日 | 坂本や南雲と同年代 |
| 年齢(享年) | 18歳 | 2012年1月～4月に死亡 |
| 身長 | 180cm | 長身でスタイルが良い |
| 体重 | 65kg | – |
| 血液型 | O型 | – |
| 利き手 | 両利き | 戦闘での器用さがうかがえる |
| 趣味 | 人の髪をいじくる、買い物 | 買い物好きという女性らしい一面も |
| 好きなもの | タバコ、休憩 | ヘビースモーカーの描写が多い |
| 嫌いなもの | 労働、なんかセンスない奴 | めんどくさがりな性格 |
| 声優 | 能登麻美子 | アニメ公式で発表済み |
リオンの外見は、鮮やかな青色のロングヘアと、吸い込まれそうな金色の瞳が特徴的な美女です。
姪にあたる赤尾晶とは瓜二つで、コミックス8巻（晶が表紙）と13巻（リオンが表紙）を見比べると、そのそっくり具合に驚かされます。
細かく見ると、リオンの方がやや大人びた顔つきをしています。
男勝りな振る舞いが目立つ一方で、任務の途中でデパートの服に目を輝かせたり、任務後に水族館へ行きたがったりと、年相応の女の子らしい一面も持ち合わせていました。
このようなギャップが、彼女のキャラクターに深みを与え、多くのファンを惹きつける魅力の一つとなっています。
『サカモトデイズ』赤尾の死亡理由は麻樹の策略
赤尾リオンがなぜ死亡しなければならなかったのか、その理由は非常に悲劇的で、彼女の優しさが招いたともいえる残酷なものでした。
彼女が死亡した直接的な原因は、JCC時代の同期である有月憬（うづきけい）の兄、麻樹栖（あさきす）によって周到に仕組まれた罠にはまったからです。
この衝撃の事実は、コミックス20巻の173話から175話にかけて描かれる過去編で明らかになります。
もともと、有月は殺連会長の座を狙う兄・麻樹に、家族同然の養護施設「アルカマル」の仲間を人質に取られ、スパイとして動かされていました。
ある任務で、有月が毒に侵されたORDERのキンダカを見殺しにしようとしたところをリオンが目撃。
リオンは裏切った有月を追い詰めますが、彼から家族を人質に取られているという悲痛な真実を打ち明けられます。
情に厚いリオンは有月に同情し、彼と共に殺連の追手から逃れる「逃避行」を始めることを決意しました。
しかし、この逃避行を裏で操っていたのが麻樹です。
彼は有月に接触し、「ある腕の立つ殺し屋を抹殺すれば、アルカマルの仲間を解放してやる」という最後の任務を持ちかけます。
リオンにばかり危険な役回りをさせていることに負い目を感じていた有月は、この話に乗ってしまいました。
時を同じくして、リオンもまた、ある企業から「令嬢を安全な場所へ護送する」という依頼を引き受けていました。
これが、麻樹が仕組んだ罠でした。
有月が抹殺を命じられた「腕の立つ殺し屋」こそが、護送任務中の赤尾リオンだったのです。
そして、リオンが護送するはずだった「令嬢」も、彼女をおびき寄せるためのただの駒に過ぎませんでした。
こうして、互いがターゲットであることなど露知らず、リオンと有月は戦う運命へと導かれてしまったのです。
リオンの死は、彼女を慕っていた有月の心を完全に破壊し、彼を冷酷な殺し屋「スラー」へと変貌させる決定的な引き金となりました。
ネタバレ注意！赤尾リオンの衝撃的な死亡シーン
赤尾リオンの最期のシーンは、『サカモトデイズ』の中でも特に衝撃的で、読者の心に深く刻まれるものとなっています。
彼女の死は、コミックス20巻175話「業」で描かれ、その結末はあまりにも残酷でした。
前述の通り、麻樹の策略により、リオンと有月は互いの正体を知らないまま戦闘を開始します。
リオンは護送任務中、何者かの襲撃を受けます。
相手はフードを深く被り顔が見えませんでしたが、その俊敏な動きと、見覚えのある武器――刃のついた鋼鉄の鞭――から、リオンは相手の正体に薄々気づき始めます。
リオンは、赤尾家に伝わる特異な能力によって「殺道（殺しのルート）」が見えるだけでなく、極めて優れた動体視力を持っていました。
その目の良さを活かし、相手の攻撃を華麗にかわしながらフードを切り裂きます。
フードが破れ、現れたのはやはり同期の有月の顔でした。
しかし、この瞬間、彼女の卓越した動体視力が仇となります。
相手が愛すべき仲間である有月だと認識したリオンは、一瞬、完全に動きを止めてしまいました。
一方で、有月側から見れば、リオンはまだフードを被ったままの「任務対象」に過ぎません。
彼はリオンの動きが止まった一瞬の隙を見逃さず、持っていた鞭で彼女の腹部を貫きました。
致命傷を負い、血を流しながら倒れ込むリオン。
有月は、自分が殺した相手がリオンであったことに気づき、愕然とします。
リオンは薄れゆく意識の中、有月の成長した実力を認め、「やんじゃん、陰キャくん」と、かつてのように軽口を叩きました。
そして、彼女は最期にこう言い残します。
「ごめんな憬。全部守ってやりたかった、優しい人が優しくいられるように」
この言葉には、有月や姪の晶のような優しい人々が、手を汚すことなく生きていける世界を作りたかった、という彼女の切なる願いと、それを叶えられなかった無念が込められていました。
彼女の優しさと強さが、皮肉にも彼女自身の死を招いてしまった、あまりにも悲しい最期でした。
『サカモトデイズ』の赤尾リオンと有月の関係
赤尾リオンと有月憬の関係は、『サカモトデイズ』の物語において最も切なく、複雑なものの一つです。
二人の関係は、単なる「同期」や「仲間」という言葉では片付けられない、特別な絆で結ばれていました。
二人が初めて出会ったのはJCC時代、退学を回避するための特別任務でした。
当初、口数が少なくどこか壁を作っている有月は、誰にでも気さくに話しかけるリオンのことを苦手だと感じていました。
しかし、共に死線を乗り越える中で、二人の関係は徐々に変化していきます。
リオンは、有月が持つ「家族を救うためだとはいえ、君に人を殺してほしくない」という、殺し屋の世界では甘いとされる考え方を、馬鹿にすることなく受け入れ、むしろ好ましく思っていました。
一方の有月も、自分の孤独や異質さを理解し、寄り添ってくれるリオンに、次第に心を開いていきます。
彼女は有月にとって、唯一の理解者であり、心の拠り所となっていったのです。
彼らの逃避行は、殺連から追われる過酷なものでありながら、二人にとっては穏やかで楽しい時間でもありました。
この二人の間に恋愛感情があったのかどうかは、ファンの間でも意見が分かれるところです。
作中の描写を見る限り、直接的な恋愛関係にあったとは言い切れません。
むしろ、リオンには有月の危うさを見守り、支えようとする母性的な感情が強く見られ、有月はリオンに対して絶大な信頼と、ある種の依存にも似た感情を抱いていたように思えます。
恋愛という形ではなかったかもしれませんが、互いが互いにとって、誰にも代えがたい「特別で大切な存在」であったことは間違いありません。
だからこそ、自らの手でリオンを殺めてしまったという事実は、有月の心を完全に壊し、彼を「スラー」という復讐の化身へと変貌させるほどの深い傷となったのです。
『サカモトデイズ』赤尾の死亡に隠された謎と生存説を考察
『サカモトデイズ』で赤尾は本当に生きてる？
赤尾リオンの生死については、多くの読者が最も気になっている謎の一つです。
結論から言うと、現在のところ「肉体的には死亡している」というのが最も有力な説です。
その最大の根拠は、コミックス11巻90話で、坂本が有月のアジトを突き止めた際に、リオンの遺体を発見しているという描写があるためです。
坂本や南雲といった主要キャラクターたちも、彼女が故人であるという認識で行動しています。
しかし、物語には彼女の「生存」を匂わせる、あるいは単純な死亡では片付けられない不可解な伏線がいくつも散りばめられています。
そのため、「実は生きているのではないか？」という生存説も根強く囁かれているのです。
生存説の根拠①：不自然な遺体の状態
最大の謎は、坂本が発見した遺体の状態です。
リオンが行方不明になってから約1年が経過していたにもかかわらず、彼女の遺体はまるで最近亡くなったかのように非常に綺麗な状態でした。
これにはいくつかの可能性が考えられます。
一つは、坂本が発見する直前に殺害されたという可能性。
もう一つは、スラー一派にいる医療技術に長けた鹿島のような人物が、何らかの技術を用いて遺体を保存していたという可能性です。
いずれにせよ、単純な死体遺棄とは考えにくい不自然さが残ります。
生存説の根拠②：殺連の暗部との関連
リオンが失踪した時期は、殺連内部で「殺連幹部暗殺事件」が起こり、麻樹が現在の会長へと就任する激動の時期と重なります。
リオンと有月が、この殺連の権力闘争に巻き込まれ、殺連にとって不都合な存在として消された（あるいは、死んだことにされた）可能性も否定できません。
このように、赤尾リオンの死には多くの謎が残されており、単純に「死亡確定」と断定できない状況です。
これらの謎が、今後の物語でどのように解き明かされていくのか、注目が集まります。
赤尾リオンはスラーの中で生きている？二重人格の謎
「赤尾リオンは生きているのか？」という問いに対して、非常に興味深い答えが作中で提示されています。
それは、彼女が「スラー（有月憬）の別人格として存在している」という衝撃の事実です。
肉体的な生存とは異なりますが、彼女の人格はスラーの中で生き続けているのです。
この事実は、JCCの教官であった廟堂（びょうどう）の発言によって初めて示唆され、その後、物語の重要な局面でリオンの人格が表に出てくることで確定的となりました。
有月は、信頼していたリオンを自らの手で殺してしまったという強烈なトラウマや、兄・麻樹への絶望など、度重なる精神的苦痛に耐えかね、解離性同一性障害、いわゆる二重人格（作中では多重人格の可能性も示唆）を発症したと考えられます。
そして、彼の心を守るかのように、最も信頼し、心の支えであったリオンの人格が生まれたのです。
リオンの人格が初めて明確に登場したのは、タイのバンコクで、姪の晶に腹部を刺された後のことでした。
倒れたスラーが再び起き上がると、その口から出たのは、生前のリオンそのものの口調でした。
「下っ手クソだな〜 晶お前…。ま、おかげで…いいタイミングで代われたぜ」
このセリフは、読者に大きな衝撃を与えました。
スラーの中に宿るリオンの人格は、ただ存在するだけでなく、彼の行動に大きな影響を与えています。
例えば、破壊衝動に駆られるスラーを内側から抑制しようとしたり、後述する懸賞金事件のように、スラーの計画を阻止しようと画策したりします。
ただし、この人格はあくまで「有月の記憶の中にいる赤尾リオンの再現」であり、生前の彼女本人と全く同じ存在ではない、という解釈もされています。
いずれにせよ、赤尾リオンはスラーという最大の敵の内側に存在し、物語の鍵を握るトリックスターとして、今後も重要な役割を果たしていくことは間違いありません。
【ネタバレ】坂本への懸賞金をかけたのは赤尾リオン？
物語に大きな転機をもたらした事件の一つに、「坂本太郎にかけられた10億円の懸賞金」があります。
当初、この懸賞金をかけたのは宿敵であるスラーだと誰もが思っていました。
しかし、元ORDERの四ツ村暁の調査により、衝撃の事実が判明します。
懸賞金の依頼者として殺連のデータベースに登録されていた名前は、なんと「赤尾リオン」だったのです。
すでに死亡しているはずのリオンが、なぜ坂本に懸賞金をかけたのか。
この謎は、南雲をはじめとする登場人物たちを大いに混乱させました。
この不可解な事件の真相は、前述した「スラーの中のリオン人格」と深く関わっています。
結論として、この懸賞金をかけたのは、スラーの中に宿るリオンの人格である可能性が極めて高いと考えられます。
彼女の目的は、かつての最強の同期である坂本太郎に、自分では止められない「スラー（有月）」を殺してもらうことでした。
リオン人格は、有月の暴走を止めたいと願いながらも、体を完全にコントロールすることはできません。
そこで彼女は、外部の力、それもスラーを確実に仕留められるであろう坂本の力を借りようとしたのです。
この説を裏付ける強力な証拠が、「10億」という懸賞金の額です。
この金額は、かつてリオンたちがJCC時代に挑んだ任務で、ターゲットとなった殺し屋たちにかけられていた懸賞金の合計額と同じです。
そして、この数字を口にしていたのは、他ならぬリオン本人でした。
これは、依頼者がリオン本人、あるいは彼女の記憶を持つ存在であることを強く示唆する伏線となっています。
「気付いてほしい」という、リオン人格からの悲痛なメッセージだったのかもしれません。
この一件は、リオンの死が単純なものではないことを改めて浮き彫りにし、物語の謎を一層深めることになりました。
『サカモトデイズ』の重要死亡キャラとしての赤尾リオン
『サカモトデイズ』には、ORDERの豹や篁など、物語の途中で命を落とす印象的なキャラクターが何人か登場します。
しかし、その中でも赤尾リオンは、単なる「死亡キャラ」という枠には収まらない、極めて特殊で重要な存在です。
彼女は、故人でありながら、物語の根幹を成す謎や、主要キャラクターたちの行動原理に、現在もなお絶大な影響を与え続けています。
各キャラクターへの影響
- 坂本太郎・南雲にとって：
JCC時代を共に過ごしたかけがえのない仲間。彼女の死の真相を追うことは、スラーと敵対する大きな動機の一つとなっています。彼らの回想シーンで描かれるリオンとの思い出は、物語に深みと切なさを与えています。 - スラー（有月憬）にとって：
彼の人格形成の根幹であり、愛と憎しみの象徴。リオンを失ったことが、彼を歪ませ、現在の「殺連を壊す」という目的に繋がっています。また、彼の内に宿るリオン人格は、彼の行動を左右する重要な要素です。 - 赤尾晶にとって：
最も敬愛し、目標としていた叔母。彼女の死の真相を知ったことで、晶は復讐の道を歩み始めます。リオンへの深い愛情が、晶を突き動かす原動力となっています。
物語の核心を握る存在
赤尾リオンの死にまつわる謎は、単なる過去の事件ではありません。
彼女の死の真相を解き明かすことは、スラーの真の目的や、現殺連会長である麻樹が隠す殺連の闇を暴くことに直結しています。
彼女は、物語全体の最大のミステリーの鍵を握る存在なのです。
回想や別人格として何度も登場し、その死が物語の転換点を生み出し続ける赤尾リオン。
彼女は『サカモトデイズ』において、最も影響力のある「重要死亡キャラ」と言えるでしょう。
まとめ：『サカモトデイズ』赤尾リオンの死亡の謎と真相
ここまで、『サカモトデイズ』の重要キャラクターである赤尾リオンの死亡に関する謎や真相について解説してきました。
彼女の存在が物語にいかに深く、そして複雑に関わっているかがお分かりいただけたかと思います。
- 赤尾リオンはJCC時代の問題児で、坂本・南雲と同期の女性である
- 死亡理由は有月の兄・麻樹の策略により、有月自身に殺害されたためである
- 彼女の優れた動体視力が、相手が有月だと気づいた隙を生み、死を招く悲劇となった
- 有月とは当初ぎこちなかったが、後に唯一無二の理解者という特別な関係になった
- 肉体的には死亡しているが、遺体の状態など多くの謎が残されている
- スラー（有月）の中で、別人格として彼女の人格が生き続けている
- 坂本に10億円の懸賞金をかけたのは、スラーを止めてほしいと願うリオン人格の仕業である
- 姪の赤尾晶を心から愛しており、彼女の幸せを誰よりも願っていた
- 彼女の死の真相解明は、殺連の闇やスラーの目的を暴く物語の核心的な鍵である
- 故人でありながら、現在も物語全体に絶大な影響を与え続ける最重要キャラクターである
