『呪術廻戦』の最終章である人外魔境新宿決戦は、数多くの呪術師たちが「呪いの王」両面宿儺に挑む、壮絶な総力戦として描かれました。
現代最強の五条悟でさえも敗れ、絶望的な状況が続く中、多くの読者が待ち望んだ一筋の光が差し込みます。
それは、渋谷事変で死亡したと思われていた釘崎野薔薇の復活と、彼女の術式「共鳴り」による奇跡的な一撃でした。
宿儺の魂に直接ダメージを与え、虎杖悠仁に勝利への道筋をつけた「共鳴り」は、どのようにして宿儺に決まったのでしょうか。
この記事では、新宿決戦のクライマックスを飾った釘崎野薔薇の「共鳴り」について、その術式の詳細や仕組み、そして宿儺との決着に至るまでの流れを、ネタバレを含みつつ徹底的に解説していきます。

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宿儺に決まった釘崎の「共鳴り」の術式詳細
芻霊呪法「共鳴り」の基本的な効果
釘崎野薔薇が使用する芻霊呪法「共鳴り」は、対象から欠損した一部を媒介とし、遠隔から本体の枢要部へ直接呪力を流し込みダメージを与える非常に強力な技です。
この術式の発動には、釘崎自身の金槌と釘、そして藁人形が必要不可欠となります。
術式の手順は、対象の身体の一部、例えば髪の毛や血液、あるいは欠損した腕などを藁人形に重ね、そこに呪力を込めた釘を金槌で打ち込むというものです。
これにより、呪力は物理的な距離を無視して対象本体へと伝わり、主に心臓などの致命的な部位で炸裂することで甚大なダメージを与えます。
作中での初登場時からその有効性は示されており、格下の呪霊であれば一撃で祓うほどの威力を見せました。
特筆すべきは、特級呪霊である血塗・壊相との戦いで見せた応用力です。
彼らの術式「蝕爛腐術」によって自らの体に流し込まれた血液を逆手に取り、自身の腕ごと「共鳴り」を打ち込むことで、相手に致命傷を与えるという荒業を披露しました。
このように、「共鳴り」は単なる遠隔攻撃に留まらず、状況に応じて様々な応用が利く、戦略性の高い術式であると言えます。
ただし、その威力は対象との実力差や、媒介として使用する部位の重要度によって変動するという特徴も持ち合わせています。
魂へ直接攻撃する「共鳴り」の強み
「共鳴り」が持つ最大の強みであり、他の多くの術式と一線を画す点は、肉体だけでなく「魂」そのものに直接干渉できる能力にあります。
呪術の世界において、肉体と魂は密接不可分な関係にありますが、呪力の源は魂です。
そのため、魂へ直接攻撃を仕掛けることは、通常の物理攻撃や呪術ではダメージを与えにくい相手に対して、極めて有効な手段となります。
この特性が最も顕著に現れたのが、特級呪霊・真人との戦いです。
真人の固有術式「無為転変」は、触れた相手の魂の形を自在に操り、肉体を変形・破壊する恐ろしい能力です。
また、自身の魂の形も変えることであらゆる物理攻撃を無効化するため、ほとんどの術師にとって天敵中の天敵でした。
しかし、「共鳴り」は、そんな真人の魂の輪郭を正確に捉え、直接ダメージを与えることに成功します。
これには真人も「俺の天敵は虎杖悠仁だけではなかった」と戦慄するほどで、「共鳴り」が魂に干渉する攻撃としていかに異質で強力であるかを証明しました。
この「魂への直接攻撃」という特性こそが、後に一つの肉体に二つの魂(宿儺と伏黒恵)が同居する受肉体であった宿儺に対して、決定的な一撃となり得た最大の理由なのです。
最後の宿儺の指を使った「共鳴り」の仕組み
新宿決戦の最終局面で釘崎が放った「共鳴り」は、これまでの戦いとはスケールが異なり、高専が厳重に保管していた「宿儺の指の最後の一本」を媒介にしていました。
この一撃が宿儺本体に届いたのには、明確な理由があります。
それは、特級呪物である「宿儺の指」と、その本体である宿儺の魂とが、極めて強力な呪術的な繋がりで結ばれているためです。
この繋がりを利用することで、釘崎は戦場から遠く離れた安全な場所から、宿儺本体の魂へ直接術式を届けることが可能になりました。
しかし、相手は「呪いの王」である宿儺。
通常の方法では、たとえ術式が届いたとしても、その圧倒的な呪力によって弾かれるか、ほとんど効果がない可能性が高いでしょう。
そこで釘崎は、この一撃を確実に通すために、自らに特殊な「縛り」を課していました。
その縛りとは、「対象を破壊することを目的から外し、術式効果のみを通すことに特化させる」というものです。
呪術における「縛り」は、何かを制限する代わりに、術式の効果を飛躍的に向上させる契約です。
この場合、殺傷能力を捨てることで、術式の貫通力と命中精度を極限まで高めたと考えられます。
結果として、この「共鳴り」は宿儺の防御を貫き、魂の根幹を揺さぶることに成功。
宿儺は術式および領域展開が使用不能になるほどの深刻なダメージを負い、戦況は大きく高専側へと傾くことになったのです。
虎杖に「共鳴り」が効かなかった理由
宿儺の指を媒介にした「共鳴り」が、同じく宿儺の器であった虎杖悠仁に効かなかったのか、という疑問は多くの読者が抱いたことでしょう。
結論から言うと、これは釘崎が術式の対象を極めて精密に絞っていたためだと考えられます。
「共鳴り」は、媒介と呪術的な繋がりのある対象を攻撃する術式です。
今回のケースでは、媒介は「宿儺の指」、そして繋がりのある対象は「宿儺の魂を宿す伏黒恵の肉体」と「宿儺の魂を宿す虎杖悠仁の肉体」の二つが存在しました。
もし術者が意図を込めなければ、両者に攻撃が及ぶ可能性も十分にありました。
しかし、釘崎は術式を発動する際に、攻撃対象を「伏黒恵の肉体に受肉している宿儺の魂」ただ一つに限定したと推測されます。
芻霊呪法は、対象との繋がりを辿るという性質上、術師のターゲティング能力が非常に重要になります。
釘崎は、味方である虎杖を巻き込むことなく、敵である宿儺だけを狙い撃つという高度な呪力操作をやってのけたのです。
また、前述の「破壊を目的としない」という縛りも、意図しない対象(虎杖)への被害を防ぐ一因として機能した可能性があります。
不要なダメージを発生させないという制約が、より精密なターゲティングを可能にしたのかもしれません。
このことから、釘崎の術師としての技量の高さと、仲間を想う強い意志がうかがえます。
宿儺を倒した「共鳴り」と決着までの流れ
釘崎野薔薇の復活とサポートの経緯
渋谷事変にて、真人の「無為転変」によって頭部を破壊され、死亡したと思われていた釘崎野薔薇。
しかし、彼女は絶望の淵から奇跡の復活を遂げました。
その背景には、呪術高専京都校の補助監督である新田新の術式が大きく関わっています。
新田新の術式は「傷を治療する」のではなく、「負った傷の状態をそれ以上悪化させない」というものです。
彼は、致命傷を負った直後の釘崎にこの術式を施すことで、傷の進行を停止させ、いわば仮死状態のような形で彼女の命を繋ぎ止めていました。
これにより、反転術式の使い手である家入硝子が治療を行うための貴重な時間を稼ぐことができたのです。
その後、長い治療期間を経て復活した釘崎ですが、すぐに戦線に復帰したわけではありませんでした。
高専側は、彼女の復活と「共鳴り」の存在を宿儺に悟られないよう、最終局面までその情報を秘匿。
彼女は戦いの切り札として温存されていました。
そして、虎杖たちが宿儺を極限まで追い詰めたまさにその瞬間、満を持して戦場に介入。
直接戦闘に参加するのではなく、後方からの遠隔攻撃という形で、宿儺の魂に決定的な一撃を叩き込むという、この上なく重要な役割を果たしたのです。
「共鳴り」で弱体化した宿儺の状況
釘崎の「共鳴り」が命中したことで、それまで圧倒的な強さを誇っていた宿儺は、致命的な弱体化を遂げることになります。
その一撃は、宿儺の魂に直接ダメージを与え、術式と領域展開の両方を使用不能に陥らせました。
新宿決戦を通して、宿儺は数多くの呪術師たちと死闘を繰り広げ、心身ともに消耗していました。
そのダメージの蓄積を以下の表にまとめます。
対戦相手 | 宿儺が負った主なダメージ・制約 |
---|---|
五条悟 | 領域展開の使用が困難になるほどの脳へのダメージ、十種影法術の式神の破壊 |
鹿紫雲一 | 千年前の姿への受肉変身を消費させられる |
日車寛見 | 呪具「神武解」を没収される |
乙骨憂太 | 腹部の口と左腕一本を破壊される、領域展開の相殺 |
禪院真希 | 心臓を破壊される(反転術式で対処)、さらに左腕一本を切断される |
釘崎野薔薇 | 魂への直接ダメージにより、術式および領域展開が使用不能になる |
このように、五条悟との戦いを皮切りに、多くの術師たちが命を繋いで与え続けたダメージが宿儺の体力を削っていました。
そこへ、魂の根幹を揺さぶる「共鳴り」が追い打ちをかけたのです。
呪力の源である魂が傷ついたことで、宿儺は得意の術式「御廚子(みづし)」や、必殺の領域「伏魔御廚子(ふくまみづし)」を発動する力を完全に失いました。
この弱体化は、これまで防戦一方だった虎杖悠仁にとって、反撃に転じるための最大の好機となりました。
虎杖の黒閃が宿儺を追い詰める
釘崎の完璧なサポートによって生まれた千載一遇のチャンスを、虎杖悠仁は見逃しませんでした。
彼は覚醒した自身の力を最大限に発揮し、弱体化した宿儺に立て続けに「黒閃」を叩き込み、勝利を決定的なものへと近づけていきます。
虎杖の打撃は、もともと「魂の輪郭を捉える」という特殊な性質を持っていました。
そして、呪術戦の極致である黒閃を連続で決めたことで、その威力と魂への干渉力は飛躍的に増大。
釘崎の「共鳴り」によって魂の防御が脆くなっていた宿儺にとって、虎杖の黒閃は耐え難い連続攻撃となりました。
さらに虎杖は、時間差で衝撃が到達する「逕庭拳(けいていけん)」を織り交ぜることで、宿儺の防御のリズムを崩し、的確にダメージを蓄積させていきます。
猪野琢真が投擲した七海建人の鉈(なた)によるサポートもあり、虎杖は最終的に合計8回もの黒閃を宿儺に命中させました。
この怒涛の攻撃は、単に宿儺を消耗させただけではありません。
最後の黒閃は、宿儺の精神世界に深く沈んでいた伏黒恵の魂を呼び覚まし、物語の核心である「魂の救済」へと繋がる、極めて重要な引き金となったのです。
宿儺の最後と伏黒恵の魂の結末
虎杖たちの文字通りの総力戦の末、ついにその時は訪れます。
宿儺は伏黒恵の肉体から完全に引き剥がされ、呪いとしてその存在を終えました。
そして、長きにわたり囚われていた伏黒恵は、無事に救出されることになります。
この決着の決め手となったのは、伏黒恵自身の心の変化でした。
精神世界で宿儺と対峙した伏黒は、姉・津美紀を手にかけた罪悪感や絶望から、一度は生きることを諦めかけていました。
しかし、親友である虎杖の呼びかけと、仲間たちの戦いを目の当たりにし、「もう一度誰かのために生きてみよう」と、自らの意志で虎杖の手を取ることを決意します。
この伏黒自身の「生きたい」という強い意志が、宿儺の支配を打ち破る最後の力となったのです。
肉体から分離され、醜い呪いの塊となった宿儺に対し、虎杖は「オマエは俺だ」と共生という救いの手を差し伸べます。
しかし、宿儺は「ナメるなよ。俺は呪いだぞ…!」とその手を拒絶。
最後まで「呪いの王」としての矜持を貫き、消滅していきました。
最終話では、魂となった宿儺が、かつての部下である裏梅らしき子供と共に「循環する魂の通り道」を歩む姿が描かれています。
これは、彼の魂が新たな生へと向かう、輪廻転生を示唆しているのかもしれません。
いずれにせよ、千年にわたり災いを振りまいた呪いの王の物語は、ここで完全に幕を閉じたのです。
まとめ:宿儺を倒した共鳴りと呪術師たちの絆
- 釘崎の「共鳴り」は対象の欠損部位を使い遠隔攻撃する術式である
- 「共鳴り」の真価は肉体でなく魂に直接ダメージを与える点にある
- 渋谷事変で死亡と思われた釘崎は新田新の術式で生存していた
- 新宿決戦では最後の「宿儺の指」を媒介に術式を発動した
- 虎杖に効かなかったのは術式の対象を宿儺に限定したためである
- 「共鳴り」により宿儺は術式と領域が使用不能になるほど弱体化した
- 釘崎のサポートが虎杖が宿儺を追い詰める最大の好機を作った
- 最終的に伏黒恵が生きる意志を取り戻し宿儺から分離した
- 虎杖は宿儺との共生を提案するも宿儺は呪いとして消滅を選んだ
- 宿儺の魂は裏梅と共に輪廻の道へ向かったことが示唆された

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