『ONE PIECE』に登場するサー・クロコダイルと「白ひげ」エドワード・ニューゲート。
この二人の間には、単なる敵対関係では説明できない複雑な因縁が存在します。
頂上戦争での不可解な行動や、まことしやかに囁かれる「親子説」「元女説」など、多くの謎がファンの間で議論を呼んでいます。
この記事では、原作の描写や公式情報を基に、クロコダイルと白ひげの関係性、頂上戦争で彼が見せた行動の真意、そしてイワンコフが握る「弱み」の正体まで、あらゆる角度から徹底的に考察・解説します。
【総まとめ】クロコダイルと白ひげの謎多き関係性|親子?娘?元部下?
公式情報から見る二人の関係:過去に新世界で敗れた因縁
クロコダイルと白ひげの公式な関係は、過去に新世界で対戦し、クロコダイルが白ひげに「惨敗」したという事実です。
これはコミックス78巻のSBS(質問コーナー)で作者の尾田栄一郎先生によって明かされています。
若き日のクロコダイルは、海賊王を目指す野心家として名を馳せていましたが、当時「世界最強の男」と謳われた白ひげの圧倒的な力の前に夢を打ち砕かれました。
この敗北が、彼のその後の人生に大きな影響を与えたことは間違いありません。
【親子説】クロコダイルは白ひげの実の息子なのか?
一部のファンの間では、クロコダイルが白ひげの実の息子ではないかという説が囁かれています。
頂上戦争後のクロコダイルとダズ・ボーネスの会話で、ルフィがエースを失った「傷」と、クロコダイルが白ひげを失った「傷」を重ね合わせるような描写があったことが根拠の一つです。
しかし、白ひげが仲間を「息子」と呼ぶスタイルや、作中で血縁関係を示す直接的な証拠がないことから、この説の信憑性は低いと考えられます。
【娘・元女説】最も有名な説「クロコダイルは白ひげの娘」を徹底検証
クロコダイルと白ひげの関係で最も有名な考察が「クロコダイルは元々女性であり、白ひげの娘だった」という説です。
この説は、インペルダウンでイワンコフがクロコダイルの「弱み」を握っていると発言したことから広まりました。
イワンコフの「ホルホルの実」の能力が性転換を可能にすることから、「元女性だった過去」がその弱みではないかと推測されています。
もし元女性だった場合、白ひげとの間に恋愛感情や親子関係があった可能性も浮上しますが、これもまた決定的な証拠はなく、あくまでファンの考察の域を出ません。
【元部下説】エースの前任、元2番隊隊長だった可能性は?
もう一つの説として、クロコダイルがかつて白ひげ海賊団に所属しており、エースが就任する前の「2番隊隊長」だったのではないかという考察があります。
白ひげ海賊団の2番隊隊長の席は長年空席だったことが知られており、その理由がクロコダイルの離反にあったのではないか、という見方です。
頂上戦争で白ひげ海賊団と共闘する姿が描かれたことも、この説を後押しする一因となっています。
結論:憎しみと憧れが交差する「好敵手(ライバル)」が最も近い関係か
親子説や元部下説など様々な憶測がありますが、最も有力なのは、クロコダイルが白ひげを「憎むべき敵」であると同時に「超えるべき目標」として強く意識していた「好敵手(ライバル)」のような関係だったという見方です。
惨敗させられた憎しみと、その圧倒的な強さへの憧れ。
この二つの相反する感情が、頂上戦争での彼の複雑な行動につながったと考えられます。
なぜクロコダイルは頂上戦争で白ひげを助けた?行動と名言の真意を解説
当初の目的は「白ひげの首」だった
インペルダウンからの脱獄に際し、クロコダイルが掲げた目的は明確に「白ひげの首を獲ること」でした。
マリンフォードに到着するやいなや、彼は真っ先に白ひげに攻撃を仕掛けています。
これは、過去に新世界で敗北した雪辱を果たし、自らの力を証明するための行動だったと言えるでしょう。
「おれは そんな“弱ェ男”に負けたつもりはねェぞ!!!」スクアードへの激昂に隠された本心
戦況が動いたのは、傘下海賊のスクアードが海軍の策略に嵌り、白ひげを背後から刺した瞬間でした。
この時、クロコダイルは「みっともねェじゃねェか!!! “白ひげ”ェ!!! おれは そんな “弱ェ男”に負けたつもりはねェぞ!!!」と激昂します。
このセリフは、彼の白ひげに対する複雑な感情を象徴しています。
自分が敗れた「最強の男」が、こんな策略ごときで、しかも格下の男に討たれることは断じて許せないという、彼のプライドと白ひげへの敬意が入り混じった心の叫びでした。
なぜエースやルフィを何度も助けたのか?白ひげへの憧れが理由?
白ひげが刺された一件以降、クロコダイルの行動は一変します。
彼はエースの処刑を阻止し、ミホークや赤犬といった強敵からルフィを何度も守りました。
これは単なる気まぐれではなく、白ひげが守ろうとした「未来(若い命)」を、自分もまた守るという意思表示だったのかもしれません。
海軍の思い通りにさせないという反骨精神と、自分が認めた男・白ひげの生き様に対する最大限のリスペクトが、彼を突き動かしたと考えられます。
敵味方を翻弄する「かっこいい」クロコダイルの名シーン集
頂上戦争におけるクロコダイルの立ち回りは、敵か味方か分からないミステリアスな魅力に溢れており、多くのファンから「かっこいい」と評価されています。
場面 | 行動・セリフ |
---|---|
白ひげへの奇襲 | 脱獄後、真っ先に白ひげへ攻撃を仕掛ける |
ドフラミンゴとの対峙 | ドフラミンゴからの共闘の誘いを一蹴する |
エース処刑阻止 | 「お前らの喜ぶ顔が見たくねェんだよ!!!」とエースを救う |
ミホークからの庇護 | ダズを斬られたルフィをミホークの追撃から守る |
赤犬への足止め | 瀕死のルフィとジンベエを逃がすため赤犬の前に立ちはだかる |
クロコダイルは元女性で確定?イワンコフが握る”弱み”の正体を考察
「元女説」を裏付ける6つの根拠とは?
クロコダイルが元々女性だったのではないかという説には、いくつかの根拠が存在します。
これらが複合的に絡み合い、長年にわたってファンの間で議論され続けています。
根拠①:イワンコフの「弱み」とホルホルの実の能力
最大の根拠は、インペルダウンで革命軍のエンポリオ・イワンコフが「コイツの”弱み”を一つ握っている」と発言したことです。
イワンコフはホルモンを自在に操る「ホルホルの実」の能力者で、人間の性別を変えることも可能です。
このことから、「過去に女性から男性にしてもらった」という事実が、クロコダイルの弱みなのではないかと推測されています。
根拠②:モデルとされる七英雄「ワグナス」との共通点
王下七武海は、ゲーム『ロマンシング サ・ガ2』に登場する「七英雄」がモデルになっているという説が有力です。
その中でクロコダイルに対応するとされる「ワグナス」は、男性でありながら女性的な姿をしているキャラクターです。
この設定を逆転させ、クロコダイルは「見た目は男だが元は女」という裏設定があるのではないかと考えられています。
根拠③:ロジャー処刑時の後ろ姿と特徴的な「ツヤ髪」
原作第0話で描かれたゴール・D・ロジャーの処刑シーンでは、他のキャラクターが正面から描かれる中、クロコダイルだけが後ろ姿で描かれています。
また、彼の髪には男性キャラクターには珍しい「ツヤベタ」が用いられており、これも女性であったことを隠すための描写ではないかと言われています。
根拠④:右耳のピアスが示す意味
クロコダイルは右耳にピアスをしていますが、ピアスを右耳につけるのは一般的に「女性らしさ」や「守られる側」を象徴すると言われています。
これも、彼が元々女性であったことを示唆する伏線ではないかという考察の一因です。
「元女説」への反論|子供時代の姿やセラフィムの登場で否定された?
一方で、「元女説」を否定する材料も存在します。
コミックス63巻のSBSでは、クロコダイルの子供時代の姿が描かれましたが、その姿は男の子に見えるという意見が多いです。
さらに、Dr.ベガパンクによって開発されたセラフィム(S-クロコダイル)も少年のような姿で登場しており、元が女性であったならクローンも女性の姿になるはずだ、という反論もあります。
結論:「クロコダイル元女説」はまだ確定していない
多くの根拠と反論が存在するように、「クロコダイル元女説」は非常に魅力的ですが、現時点では確定的な事実ではありません。
イワンコフが握る「弱み」の正体が明かされるまで、この謎多き説はファンの想像力をかき立て続けることでしょう。
クロコダイルの過去|いつ、どこで白ひげに敗れたのか?
SBSで明かされた公式の経歴:20代で七武海に加盟
コミックス78巻のSBSによると、クロコダイルは若い頃からその名を轟かせ、20代前半という異例の若さで王下七武海に加盟しています。
これは彼の持つ実力と、世界政府からも一目置かれるほどの危険性を物語っています。
白ひげへの挑戦と惨敗:新世界で打ち砕かれた「海賊王」の夢
七武海に加盟後、クロコダイルは「海賊王」の夢を抱いて新世界へ進出しました。
そして、その道筋で「世界最強の男」白ひげに挑戦し、結果として惨敗を喫します。
この敗北が彼の心を折り、以降は古代兵器プルトンを狙うなど、より確実な方法で力を求めるようになったと考えられます。
顔の傷や左手のフックは白ひげが原因?様々な考察まとめ
クロコダイルのトレードマークである顔の傷や左手の大きなフックが、白ひげとの戦いで負ったものではないかという考察があります。
しかし、七武海加盟前の懸賞金ポスターの時点で顔に傷があるため、この傷は白ひげとは無関係である可能性が高いです。
左手に関しては、白ひげとの戦いで失った可能性も否定できず、真相は未だ謎に包まれています。
【驚きの事実】クロコダイルと白ひげの声優は同じ人物だった?
クロコダイルの声優は大友龍三郎さん
サー・クロコダイルの声を担当しているのは、ベテラン声優の大友龍三郎さんです。
その重厚で威厳のある声は、クロコダイルの冷酷かつカリスマ的なキャラクター像を完璧に表現しています。
白ひげの声優は誰?(初代と2代目)
「白ひげ」エドワード・ニューゲートの声優は、時期によって異なります。
初代は故・有本欽隆さんが担当されていました。
その後、有本さんの逝去に伴い、2代目の声優として役を引き継がれた方がいます。
結論:2代目白ひげとクロコダイルは同じ声優が担当している
驚くべきことに、2代目の白ひげの声を担当しているのは、クロコダイル役と同じ大友龍三郎さんです。
一人の声優が、作中で因縁深い二人の重要キャラクターを演じ分けているという事実は、多くのファンを驚かせました。
大友さんの卓越した演技力があってこそ成せる業と言えるでしょう。
まとめ:白ひげとクロコダイルの関係性の謎
- クロコダイルと白ひげの公式な関係は、過去に新世界で戦いクロコダイルが惨敗したというもの
- ファンの間では親子説、娘説(元女説)、元部下説など様々な考察が存在する
- 最も有力なのは、憎しみと憧れが入り混じった好敵手(ライバル)という関係性
- 頂上戦争では当初白ひげの命を狙っていたが、彼の生き様を見て心情が変化した
- スクアードに刺された白ひげを見て激昂し、彼のプライドと敬意を示した
- 最終的には白ひげが守ろうとした未来のため、エースやルフィを助ける側に回った
- クロコダイル元女説はイワンコフの「弱み」が最大の根拠だが、確定ではない
- SBSによればクロコダイルは20代前半で七武海に加盟し、その後白ひげに敗れている
- 顔の傷は白ひげとの戦い以前からあった可能性が高い
- クロコダイルと2代目白ひげの声優は、同じ大友龍三郎さんが担当している