『ONE PIECE』のエッグヘッド編で繰り広げられた、研究所内での不可解な事件の数々。
外部からの侵入者ではなく、内部に裏切り者がいることが示唆され、その正体について多くの読者が考察を巡らせました。
そしてついに明らかになった犯人は、ベガパンクのサテライト(分身体)の一人である「ヨーク」でした。
なぜ彼女は生みの親であるベガパンクや仲間たちを裏切ったのでしょうか。
この記事では、エッグヘッドの裏切り者であるヨークの正体と、衝撃的な動機である「天竜人になりたい」という野望について詳しく解説します。
エッグヘッドの裏切り者はヨーク(欲)で確定!
エッグヘッド編の序盤から続いていた「誰がフロンティアドームを解除したのか」「誰がセラフィムに命令を出しているのか」という謎。
その答えとなる裏切り者の正体は、ベガパンクの「欲」を担当するサテライト、ヨークでした。
彼女は一見すると、ただ食べて寝るだけののんびりとしたキャラクターに見えましたが、その裏で恐ろしい計画を進めていたのです。
裏切り者が判明したのは第1078話
物語の中で裏切り者の正体が確定したのは、原作コミックおよびアニメでの衝撃的なシーンでした。
地下の研究室に監禁されていたベガパンク本体(ステラ)の前に、銃を持って現れたのがヨークだったのです。
それまで彼女は、ハンコックのセラフィム(S-スネーク)によって石化され、被害者の一人だと思われていました。
しかし、その石化すらも自作自演のアリバイ工作だったことが判明し、読者に大きな衝撃を与えました。
ヨークの正体はベガパンクの「欲」を担当するサテライト
ヨークは、天才科学者Dr.ベガパンクが自身の多忙さを解消するために作り出した6人のサテライト(分身体)の一人です。
彼女に割り当てられた役割は「欲(PUNK-06)」でした。
具体的には、他のサテライトや本体が研究に没頭できるように、代わりに食事を取り、睡眠をとり、排泄を行う「KDN(クーダスネール)」という生理的欲求の処理を一手に引き受けていました。
この「欲」を担当するという役割こそが、彼女の暴走と裏切りの根源にあったのです。
なぜ裏切った?ヨークの衝撃的な動機と目的
なぜヨークは自分を生み出したベガパンクや、兄弟とも言える他のサテライトたちを裏切ったのでしょうか。
その動機は、彼女の担当する「欲」という性質が暴走した結果とも言える、あまりにも人間的で強欲なものでした。
「あたい天竜人になるんだ」という野望
ヨークがベガパンク本体(ステラ)に対して語った裏切りの動機は、「天竜人になる」ことでした。
彼女は世界政府と内通し、ベガパンクを裏切る見返りとして、自分を天竜人の地位に引き上げるよう要求していたのです。
本来、ベガパンクは天竜人を嫌悪している描写がありましたが、その分身であるヨークが天竜人に憧れるというのは皮肉な話です。
しかし、「欲」の権化である彼女にとっては、世界最高権力の地位こそが満たされるべき究極の欲望だったのかもしれません。
「ベガパンクはこの世界に一人でいい」という独占欲
ヨークにはもう一つ、歪んだ動機がありました。
それは「Dr.ベガパンクはこの世界に一人でいい」という考えです。
彼女は自分が唯一無二のベガパンクとなり、他のサテライトや本体を排除しようと目論んでいました。
これは単なる生存競争ではなく、ベガパンクとしての名声や地位、そして存在そのものを独占したいという強い自己顕示欲の表れとも受け取れます。
五老星との取引内容とは?マザーフレイムの提供
ヨークが世界政府、特に五老星と交わしていた取引の切り札となったのが「マザーフレイム」です。
マザーフレイムとは、ベガパンクが開発した無限のエネルギーを生み出す可能性を秘めた物質であり、古代兵器を動かす動力源にもなり得る危険な代物です。
ヨークは本体に隠れてこのマザーフレイムの一部を五老星に送りつけていました。
ルルシア王国を消滅させた兵器の動力源としてマザーフレイムが使われたことで、五老星はその有用性を認め、ヨークとの取引に応じる姿勢を見せたのです。
ヨークがエッグヘッドで行った裏切り行為まとめ
ヨークは自身の野望を実現するために、エッグヘッド島内で数々の妨害工作を行いました。
その手口は巧妙で、内部のシステムを知り尽くしているベガパンクだからこそ可能な犯行でした。
フロンティアドームの解除と通信遮断
物語の序盤、CP0がエッグヘッドに侵入できたのは、何者かが防衛システムであるフロンティアドームを解除したからでした。
これもヨークの仕業であり、彼女は外部の勢力を招き入れることで混乱を引き起こそうとしていました。
また、島内の通信を遮断したり、監視カメラ(カメコ)を次々と破壊したりすることで、自分たちの動きを隠蔽し、他のサテライトたちが状況を把握できないように工作しました。
セラフィムへの命令とアリバイ工作(石化)
ヨークはセラフィムたちに対して、自分と本体、そして地下の人質以外の「全員を殺せ」という極めて残忍な命令を下していました。
この命令により、麦わらの一味や他のサテライトたちは命の危険に晒されることになります。
さらに狡猾だったのは、S-スネークに対して「自分を石化して、後で誰もいないところで解くように」と事前に指示していたことです。
これにより、彼女は「セラフィムに襲われた被害者」を演じ、容疑者リストから外れることに成功しました。
本体(ステラ)とCP0の監禁
ヨークはベガパンク本体(ステラ)を捕らえ、旧悪魔の実研究室の地下に監禁していました。
さらに、エッグヘッドを訪れていたCP5、CP7、CP8といったサイファーポールの諜報員たちも同様に捕らえていました。
彼らを監禁していた理由は、マザーフレイムの製造に必要な融合炉(パワープラント)の操作など、自分一人では賄えない作業を行わせるため、あるいは交渉のカードとして利用するためだったと考えられます。
ヨークの裏切りに気づけなかった理由と伏線
なぜ天才であるベガパンクや、優秀なサテライトたちはヨークの裏切りに気づけなかったのでしょうか。
そこには、ベガパンクたちが共有しているシステムの盲点と、ヨークの性質に関する伏線が存在しました。
脳内同期の盲点をついた計画
ベガパンクたちは「パンクレコーズ」を通じて、1日に1回、それぞれの記憶や体験を同期しています。
しかし、ヨークはこの同期システムを逆手に取りました。
彼女は犯行に関する記憶や計画を、同期するデータから意図的に隠していた、あるいは同期のタイミングをずらして行動していた可能性があります。
あるいは、「欲」担当として寝ている時間が長かったり、単独行動が多かったりしたことが、彼女の不審な動きを隠す隠れ蓑になったとも考えられます。
「欲」は制御できないというリリスの発言
ヨークの裏切りを示唆する重要な伏線として、物語の冒頭で「悪」担当のリリスが発した言葉があります。
リリスは「生物の“欲”は制御できない」と語っていました。
これは当時、生物の制御の難しさを説くセリフとして受け取られましたが、実際には「欲」担当であるヨークが制御不能になり、裏切ることを暗示していたのです。
ベガパンク自身も、自らが切り離した「欲」という感情がこれほどまでに肥大化し、制御不能になるとは計算外だったのでしょう。
アリバイ工作としての自作自演の石化
前述した通り、ヨークが石化されたシーンは読者を完全に欺くトリックでした。
ウソップやリリスと共に石化されたことで、彼女は「完全に無力化された」と思われていました。
しかし、実際にはS-スネークと共謀しており、他のメンバーの目を盗んで石化を解除してもらい、裏で暗躍していたのです。
この自作自演こそが、彼女が犯人候補から外れ、捜査の目を欺く最大の要因となりました。
裏切り者ヨークのその後と現在は?
正体が発覚し、エッグヘッド編の黒幕として立ちはだかったヨークですが、その後の展開はどうなったのでしょうか。
麦わらの一味との攻防や、五老星の介入による現在の状況を整理します。
麦わらの一味に捕縛され人質に
裏切りが発覚した後、ヨークは最終的に麦わらの一味によって制圧され、捕縛されました。
彼女は「あたいを助けてェ~!」と泣き叫び、五老星に助けを求める醜態を晒すことになります。
ルフィたちはヨークを人質に取り、彼女を盾にして海軍の大艦隊や五老星と交渉するという展開になりました。
この時点で、彼女の「自分だけが勝ち残る」という計画は大きく崩れ去ったのです。
五老星の到着と現在の立ち位置
五老星であるサターン聖がエッグヘッドに上陸し、黄猿も参戦したことで戦況は混沌としました。
ヨークは「マザーフレイムを作れるのは自分だけ」という点を強く主張し、自身の安全と天竜人への昇格を再度要求しました。
五老星側にとっても、マザーフレイムという兵器の動力源は喉から手が出るほど欲しいものであり、ヨークを無下にはできない状況です。
そのため、現在は世界政府側に保護される形となっていますが、それは対等な取引相手としてではなく、あくまで「利用価値のある部品」としての扱いである可能性が高いでしょう。
今後ヨークはどうなる?死亡フラグはあるか
ヨークは現在、五老星と共にいると思われますが、彼女の未来は決して明るいとは言えません。
天竜人になれるという約束が本当に守られるのかは怪しく、用済みになれば消される可能性も十分にあります。
また、彼女は「空白の100年」に関わる研究知識を持っているベガパンクの一人です。
世界政府が情報の漏洩を何よりも恐れる組織であることを考えると、マザーフレイムの製造法さえ確立されれば、彼女の存在自体がリスクと見なされるかもしれません。
彼女の抱いた「欲」が、最終的に自身の破滅を招くことになるのか、今後の展開が注目されます。
まとめ
エッグヘッド編における裏切り者の正体は、ベガパンクのサテライト「ヨーク」でした。
彼女の動機は「天竜人になること」と「唯一のベガパンクになること」という、自身の担当する「欲」が暴走した結果によるものでした。
ヨークはフロンティアドームの解除やセラフィムの操作、本体の監禁など、数々の裏切り行為を行い、マザーフレイムを交渉材料に五老星と取引をしていました。
しかし、最終的には麦わらの一味に計画を阻止され、現在は世界政府側に保護されつつも、その立場は非常に危ういものとなっています。
「生物の欲は制御できない」という言葉通り、暴走した欲望が彼女をどこへ連れて行くのか、物語の結末まで目が離せません。

