『NARUTO-ナルト-』の物語において、最強の幻術使いとして、そして弟想いの兄として圧倒的な人気を誇るうちはイタチ。
彼が操る「写輪眼」の能力は作中でも屈指の強さを誇りますが、その詳細や開眼に至る悲しい経緯、そして彼の死後にその眼がどうなったのかについては、複雑な設定が絡み合っています。
「イタチの万華鏡写輪眼は具体的に何ができるのか?」
「いつ、どのような理由で開眼したのか?」
このような疑問を持つ方に向けて、本記事ではイタチの瞳術の全貌を徹底的に解説します。
最強と言われる理由や、他キャラクターとの比較、そしてサスケへと受け継がれた「眼」の物語を知ることで、作品の深みをより一層理解できるでしょう。
うちはイタチの「万華鏡写輪眼」能力とは?最強の術を一覧で解説
うちはイタチの万華鏡写輪眼は、幻術、物理攻撃、防御のすべてにおいて最高水準の性能を誇ります。
特に、固有の瞳術に加えて「霊器」と呼ばれる特別な武器を須佐能乎(スサノオ)に備えている点が、彼を最強の一角たらしめる大きな理由です。
ここでは、イタチが使用する主要な万華鏡写輪眼の能力を一覧で解説します。
月読(ツクヨミ):空間・時間を支配し精神を破壊する最強の幻術
月読は、イタチの左目に宿る幻術系の瞳術であり、作中で最も危険な幻術の一つです。
この術の最大の特徴は、術者が作り出した幻術世界の中で「空間」「時間」「質量」のすべてを完全に支配できる点にあります。
現実世界での一瞬が、月読の世界では数日、あるいは数年にも感じられるほどの体感時間の差を生み出すことが可能です。
実際に作中では、はたけカカシに対して使用され、幻術世界で72時間もの間、刀で刺され続ける拷問を与えましたが、現実世界では一瞬の出来事でした。
これにより相手の精神を崩壊させ、再起不能に追い込むことができる、まさに一撃必殺の幻術と言えます。
天照(アマテラス):視点焦点を焼き尽くす消えない黒炎
天照は、イタチの右目に宿る物理攻撃系の最高峰とされる瞳術です。
視界に入れた対象の発火点に、太陽の表面温度ほどもある高熱の「黒い炎」を発生させます。
この黒炎は、対象物が燃え尽きるまで決して消えることがなく、水や通常の手段では消火できません。
視点を合わせるだけで発動できるため回避が極めて困難であり、燃え移った炎がすべてを焼き尽くすまで燃え続けるという、極めて殺傷能力の高い術です。
ただし、使用すると眼から血を流すほどの激しい負担がかかり、多用は自身の視力を急激に奪う原因となります。
須佐能乎(スサノオ):霊器「十拳剣」「八咫鏡」を備えた無敵の攻防
須佐能乎は、万華鏡写輪眼を両目ともに開眼した者だけが手にする「第三の力」であり、巨大なチャクラの像を実体化させて攻防を行う術です。
イタチの須佐能乎が他者と決定的に異なるのは、実体のない霊器を装備している点です。
一つは「十拳剣(とつかのつるぎ)」。刺した対象を永久に幻術世界へ封印する封印術を帯びた草薙の剣の一種であり、大蛇丸や長門を封印した実績があります。
もう一つは「八咫鏡(やたのかがみ)」。あらゆる性質変化をも跳ね返す最強の盾です。
攻撃を無効化する盾と、問答無用で封印する剣を併せ持つことから、黒ゼツをして「実質無敵」と言わしめたほどの強さを誇ります。
イザナミ:運命を決定し無限ループに陥れるうちはの禁術
イザナミは、自身の視力を代償に発動するうちは一族の禁術です。
この術は、相手と自分の体の感覚を記録し、その一連の流れを無限にループさせる幻術空間へ相手を閉じ込めます。
現実を変える術「イザナギ」に対抗するために作られた術であり、「運命を受け入れる」までループから脱出することはできません。
穢土転生されたカブトとの戦いで使用され、彼が自分自身の過ちを認め、本来の自分を取り戻すきっかけとなりました。
使用後は片目の光を永遠に失うという重い代償があります。
転写封印・天照:サスケをトビから守るために仕込んだ防衛術
これは自身の戦闘で使用する術ではなく、他者の目に自分の瞳術を封じ込める術です。
イタチは死の間際、サスケの目に自身の瞳力を転写しました。
その目的は、サスケが「仮面の男(トビ)」の写輪眼を見た瞬間に、自動的に天照が発動するように設定することでした。
弟であるサスケを、暁のトビやその背後にある真実から遠ざけ、守ろうとしたイタチの執念と愛情が込められた術と言えます。
イタチはいつ写輪眼を開眼した?通常時から万華鏡までの時期と理由
イタチは幼少期から天才と呼ばれていましたが、写輪眼の開眼には常に「大切な人の死」や「深い悲しみ」が関係しています。
彼がいつ、どのような経緯でその力を手に入れたのか、時系列に沿って解説します。
写輪眼の開眼:8歳でのチームメイトの死と戦争のトラウマが引き金
イタチが通常の写輪眼を開眼したのは、わずか8歳の時です。
アカデミーを7歳で卒業し下忍となった彼は、チームメイトと共に任務をこなしていましたが、その最中に「仮面の男(オビト)」による襲撃を受けます。
目の前で仲間のテンマが殺害されるという悲劇を経験し、その深い悲しみと無力感がトリガーとなって写輪眼が開眼しました。
幼くして戦争や死を間近で経験したトラウマが、彼の早すぎる覚醒の背景にあります。
万華鏡写輪眼の開眼:13歳で親友「うちはシスイ」の死を経験した理由
通常の写輪眼を超え、万華鏡写輪眼を開眼したのは13歳の時です。
きっかけは、イタチにとって兄のような存在であり、無二の親友であった「うちはシスイ」の死でした。
一族のクーデターを止めるべく動いていたシスイは、ダンゾウに片目を奪われ、残る片目と里の未来をイタチに託して崖から身を投げました。
イタチはその最期を見届けたことで、「最も親しい友の死」という開眼条件を満たし、万華鏡写輪眼を手に入れました。
一族抹殺の夜:父母の殺害とサスケに見せた涙の意味
万華鏡写輪眼を開眼した後、イタチは木ノ葉の里と一族の板挟みとなり、最終的に一族抹殺という修羅の道を選びます。
実の父母であるフガクとミコトを手にかけようとした際、両親は抵抗せず、イタチの決断を受け入れました。
この時、冷酷な殺人者を演じていたイタチが、背後で刀を振り下ろしながら流した涙は、任務と肉親への愛情の間で引き裂かれる彼の心そのものでした。
この夜の出来事は、サスケに復讐者としての道を歩ませると同時に、イタチ自身も深い闇を背負う決定的な瞬間となりました。
作中で語られた「開眼者は俺を含め3人になる」というセリフの真偽
一族抹殺の夜、イタチはサスケに対して「万華鏡写輪眼を開眼すれば、その眼を使う者は俺を含め3人になる」と語りました。
この「3人」とは、当時のイタチの認識や設定において、以下の人物を指していたと考えられます。
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うちはイタチ(自分)
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うちはマダラ(トビ/オビトがマダラの名を語っていたため)
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うちはサスケ(開眼した場合の未来の姿)
実際には他にも開眼者は歴史上存在しましたが、サスケに恐怖を与え、力を求めさせるために、あえて「マダラが生きており、自分はその共犯者である」という恐怖の物語を植え付けたのです。
イタチの目は「永遠の万華鏡写輪眼」なのか?視力低下と失明の謎
強力無比なイタチの万華鏡写輪眼ですが、彼自身は「永遠の万華鏡写輪眼」を持っていたのでしょうか。
結論から言うと、イタチの眼は「永遠」ではありませんでした。
ここでは、彼の眼の状態と身体の秘密について解説します。
永遠の万華鏡写輪眼ではない理由と酷使による視力の限界
永遠の万華鏡写輪眼を手に入れる条件は、「他者の万華鏡写輪眼を移植すること」です。
イタチは誰の眼も移植していないため、通常の万華鏡写輪眼のままでした。
通常の万華鏡写輪眼は、強力な瞳術を使えば使うほど封印に向かって視力を失っていくというリスクがあります。
イタチも例外ではなく、月読や天照を多用したことで、サスケとの最終決戦時には視力が著しく低下していました。
病と薬で延命していた身体:サスケ戦で見せた吐血と見えない目
視力の低下に加え、イタチは不治の病に侵されていました。
トビ(オビト)の証言によれば、イタチは本来ならばとっくに死んでいてもおかしくない状態で、大量の薬を服用し、チャクラで無理やり延命していたとされています。
すべては、愛する弟サスケの手で裁かれるその時まで生き延びるためでした。
サスケ戦の最中に見せた吐血や、視界がぼやけてサスケの顔がよく見えていない描写は、彼の肉体と眼が限界を迎えていたことを示しています。
万華鏡写輪眼の模様が変化した?作画ミスの噂と正しいデザイン
イタチの万華鏡写輪眼のデザインについては、アニメ放送や原作の一部で「模様が違う」と話題になったことがあります。
正しいデザインは、黒い瞳孔を中心に、鎌のような曲線を描く3つの刃が風車のように配置された「手裏剣型(三枚刃)」の模様です。
初期の描写や回想シーンなどでデザインが安定しなかったケースや、幻術演出による変化などが混同されがちですが、基本的にはこの三枚刃のデザインがイタチの象徴です。
イタチの死後、その「眼」はサスケへ移植され永遠の光となる
イタチが亡くなった後、彼の眼はトビによって回収され、後にサスケへと移植されました。
失明寸前だったサスケは、イタチの眼を移植することで「永遠の万華鏡写輪眼」を開眼します。
移植後のサスケの眼の模様は、自身の「六芒星」の模様に、イタチの「三枚刃」の模様が重なったような複雑なデザインへと変化しました。
これにより、サスケは失明のリスクなく天照や須佐能乎を自由に使えるようになり、イタチの力は弟の中で生き続けることになったのです。
他の万華鏡写輪眼との強さ比較ランキング:イタチの瞳術は当たりか外れか?
「万華鏡写輪眼には当たり外れがある」とファンの間で議論されることがよくあります。
イタチの能力は、他の代表的なうちは一族と比較してどの程度の強さなのでしょうか。
イタチvsサスケ:天照の制御と「炎遁・加具土命」の有無
兄弟で共通して「天照」を使用できますが、その運用能力には差があります。
イタチは天照を発生させ、消すことはできますが、炎の形を変えることは苦手です。
一方、サスケは右目の固有能力「炎遁・加具土命(カグツチ)」により、黒炎を剣や盾の形に変化させたり、自在にコントロールすることができます。
黒炎の扱いに関してはサスケに軍配が上がりますが、イタチは月読という強力な幻術を持っている点で差別化されています。
イタチvsシスイ:最強幻術「別天神(コトアマツカミ)」との相性
イタチの親友シスイが持つ「別天神」は、相手に術にかかったと自覚させずに操る最強の幻術です。
幻術の強度としては別天神が上ですが、この術は一度使うと(柱間細胞などの補助がない限り)十数年は使えないという極端な制限があります。
対してイタチの月読は、戦闘中に使用できる実用的な幻術です。
一撃必殺の洗脳力ならシスイ、実戦での制圧力ならイタチと言えるでしょう。
イタチvsオビト・カカシ:時空間忍術「神威(カムイ)」との比較
オビトやカカシが使う「神威」は、物体を時空間へ飛ばしたり、自身をすり抜けさせたりする能力です。
防御無視の攻撃や完全回避が可能であるため、純粋な瞳術の性能としては「神威こそが大当たり」と評価されることが多いです。
直接対決の場合、物理攻撃主体の天照は神威のすり抜けと相性が悪いですが、イタチにはイザナミなどの搦め手や高い分析力があるため、単純な能力差だけで勝敗は決まりません。
結論:霊器(十拳剣・八咫鏡)を持つイタチの須佐能乎は作中屈指の性能
瞳術単体の比較では一長一短ありますが、イタチの真価は「須佐能乎の装備」にあります。
前述の通り、攻撃を無効化する「八咫鏡」と、刺せば終わりの「十拳剣」を持つイタチの須佐能乎は、攻防において隙がありません。
多くの考察において、イタチが最強クラスに位置づけられるのは、この霊器の存在が非常に大きいと言えます。
うちはイタチと写輪眼に関するよくある質問(FAQ)
最後に、イタチと写輪眼に関してよく検索される疑問について回答します。
イタチはなぜ父親(フガク)と戦わずに万華鏡で見せたのか?
アニメオリジナル等の描写では、父フガクも万華鏡写輪眼を持っていたとされています。
もし親子で本気の殺し合いになれば、イタチと言えども無傷では済まなかった、あるいは敗北していた可能性もあります。
イタチが万華鏡写輪眼で幻術を見せたのは、戦いを避けるためであり、またフガク自身が「息子の決断」を尊重し、抵抗の意思を見せなかったためです。
幻術の中で、イタチはサスケの未来や里の平和を見せ、父を安心させたのではないかと推察されます。
穢土転生されたイタチが万華鏡写輪眼を使っても失明しなかった理由は?
第四次忍界大戦で穢土転生されたイタチは、万華鏡写輪眼を多用していましたが、失明や激痛に苦しむ様子はありませんでした。
これは、穢土転生の体が「無限のチャクラ」を持ち、「損傷しても再生する」特性があるためです。
生前の病気や視力の低下といった肉体的な制約がリセットされた(あるいは進行しない)状態で戦うことができたため、イタチ本来の全盛期の強さを発揮することができました。
イタチの写輪眼能力はなぜ「日本神話の神」の名前なのか?
「天照」「月読」「須佐能乎」は、日本神話における「三貴子(みはしらのうずのみこ)」と呼ばれる神々の名前です。
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天照大御神(太陽神)
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月読命(夜・月の神)
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須佐之男命(海原・嵐の神)
『NARUTO』の作者である岸本斉史先生は、うちは一族の術に日本神話の名称を多く採用しています。
他にも「イザナギ」「イザナミ」「別天神(コトアマツカミ)」などがあり、これらは物語の神秘性や、うちは一族が持つ特別な血統を強調するための演出と考えられます。
まとめ:うちはイタチの写輪眼の真実
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イタチの能力は幻術「月読」、物理「天照」、攻防一体の「須佐能乎」である。
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特に須佐能乎は「十拳剣」と「八咫鏡」という霊器を持ち、無敵に近い性能を誇る。
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写輪眼の開眼は8歳、万華鏡写輪眼は13歳で親友シスイの死により開眼した。
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イタチの眼は「永遠の万華鏡」ではなく、病と酷使により失明寸前だった。
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一族抹殺の夜に語った「3人目」とは、自分、マダラ(トビ)、サスケのことである。
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イタチの死後、その眼はサスケに移植され「永遠の万華鏡写輪眼」へと進化した。
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サスケの「加具土命」と比較すると、イタチは炎の形態変化ができない点で異なる。
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シスイの「別天神」やカカシの「神威」と比較しても、霊器の存在がイタチの強さを支えている。
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穢土転生時は病気や視力のリスクがなくなり、万全の状態で能力を発揮した。
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術名は日本神話の三貴子に由来し、うちは一族の特別性を象徴している。
