『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』のルイジェルド・スペルディアは、転移事件で魔大陸へ飛ばされたルーデウスとエリスを救い、二人の帰郷を支えたスペルド族の戦士です。
一見すると寡黙で近寄りがたい人物ですが、実際には子供を守ることへの思いが非常に強く、ルーデウスとエリスにとっては旅の護衛だけでなく、精神的な支柱にもなりました。プロジェクト内のファクトデータベースでも、魔大陸で二人を助けた「デッドエンド」の仲間であり、終盤の最終決戦にも関わる人物として位置づけられています。
そしてルイジェルドの物語は、魔大陸から別れたところでは終わりません。
原作終盤では再びルーデウスと合流し、スペルド族の存亡をかけた戦いへ参加します。さらに本編後を描く『蛇足編』では、意外な人物との結婚も描かれました。
ここからは原作小説終盤および『蛇足編』までのネタバレを含みます。
ルイジェルド・スペルディアは何者?
ルイジェルドは、魔族の一種であるスペルド族の戦士です。
エメラルドグリーンの髪と額の宝石がスペルド族の特徴で、アニメ公式では「寡黙で頑固な性格」と紹介されています。TVアニメでルイジェルドを演じている声優は浪川大輔さんです。
ただし、ルイジェルドを理解するうえで外せないのが、彼が抱えている過去です。
ルイジェルドは500年以上を生きる歴戦の戦士
ルイジェルドはルーデウスと出会った時点ですでに500年以上を生きています。
若い頃にはスペルド族の戦士団を率いる立場にあり、魔神ラプラスの軍勢としてラプラス戦役を経験しました。
つまり、ルーデウスたちより少し強い冒険者という程度ではありません。
何百年もの実戦経験を持ち、大規模な戦争まで生き抜いてきた歴戦の戦士です。原作Web版でも、自身がスペルド族戦士団のリーダーだったことや、500歳を超えてから年齢を数えていないことが語られています。
子供を何より守ろうとする性格
ルイジェルドの行動原理として特に分かりやすいのが、「子供は守る」という考え方です。
転移事件で魔大陸へ飛ばされたルーデウスとエリスを助けたのも、彼にとって二人が守るべき子供だったからでした。
旅の途中でも子供が危険にさらされれば強く反応し、ルーデウスの合理的な判断と衝突することがあります。
この子供への強い思いには、ルイジェルド自身の過去が深く関係しています。
スペルド族はなぜ恐れられている?ルイジェルドの壮絶な過去
『無職転生』の世界では、スペルド族というだけで人々から恐れられることがあります。
ロキシーでさえ幼いルーデウスに危険な種族として教えていたほどで、その悪評は長い年月をかけて世界中へ広がっていました。
しかし、その原因には魔神ラプラスが大きく関わっています。
ラプラスから与えられた槍によってスペルド族が狂暴化した
ラプラス戦役当時、ルイジェルド率いるスペルド族戦士団は、ラプラスから特殊な槍を与えられます。
ルイジェルドは指揮官として仲間たちにその槍を使用させました。
槍は戦士の身体能力を大きく高める一方、使う者の精神を少しずつ蝕んでいきます。
やがて戦士団は敵味方の区別すらつかなくなり、無差別に人々を襲う存在へ変貌しました。
その結果、「スペルド族は血も涙もない悪魔」という恐怖だけが世界に残ってしまいます。
ルイジェルドは自分の家族まで手にかけてしまった
槍に精神を支配されたルイジェルドは、自分たちの集落まで襲撃します。
そこで親族や妻を殺し、最後には自分の息子まで手にかけてしまいました。
しかし、息子は死の間際にルイジェルドの持っていた魔槍を破壊します。
槍が壊れたことでルイジェルドは正気を取り戻しました。
自分が何をしてしまったのかを理解した彼に残されたのは、激しい後悔です。
それ以降、ルイジェルドは息子が残した槍を携え、ラプラスへの復讐とスペルド族の汚名を晴らすことに人生を費やすようになります。
ルイジェルドが子供を守ることに強くこだわるのも、この過去を知ると意味が大きく変わります。
単なる「子供好き」ではなく、自分の手で息子を失ったことへの後悔を何百年も背負い続けている人物なのです。
ルイジェルドとルーデウス・エリスの関係
ルイジェルドが物語の表舞台へ出るきっかけとなったのが、フィットア領転移事件です。
魔大陸へ飛ばされたルーデウスとエリスを発見したルイジェルドは、二人を故郷まで送り届けることになります。
アニメ公式でも、ルーデウス、エリス、ルイジェルドの3人は冒険者パーティ「デッドエンド」として魔大陸を旅するメンバーとして紹介されています。
「デッドエンド」として魔大陸を旅する
ルイジェルドは圧倒的な戦闘経験を生かし、魔大陸でルーデウスとエリスを守ります。
ルーデウスには高い魔術能力があり、エリスにも剣の才能がありますが、旅を始めた当時はまだ子供です。
危険な魔物への対応、冒険者としての判断、野営や索敵など、実戦経験ではルイジェルドに遠く及びません。
そのため魔大陸編のデッドエンドは、
ルーデウスが考え、
エリスが戦い、
ルイジェルドが二人を守る
という関係から始まります。
旅を続けるにつれて、ルーデウスとエリスも成長し、単なる「守られる子供」からルイジェルドが信頼する仲間へと変わっていきました。
ルーデウスはスペルド族の悪評を変えようとする
ルイジェルドの過去を知ったルーデウスは、スペルド族の評判を少しでも改善しようと動きます。
すぐに世界中の偏見をなくすことはできませんが、ルイジェルドの名前を広めたり、スペルド族を題材にした人形や物語を作ったりと、長期的な名誉回復につながる種をまいていきました。
旅の途中で失敗した際にも、ルイジェルド本人から「悪評の回復より自分たちの安全を優先しろ」と言われながら、ルーデウスは恩返しとして汚名を晴らすことを諦めません。
この行動は、ずっと一人でスペルド族の名誉を取り戻そうとしていたルイジェルドにとって非常に大きな意味を持ちます。
ルイジェルドの強さはどのくらい?
ルイジェルドは『無職転生』でもかなり強い戦士ですが、七大列強のように明確な順位が与えられているキャラクターではありません。
そのため「作中○位」と断定するより、何が強みなのかを見るほうが実態に近いでしょう。
数百年の経験を持つ槍の達人
最大の武器は、500年以上の人生で培った戦闘経験です。
ルイジェルドはスペルド族戦士団のリーダーを務め、ラプラス戦役を生き抜いた人物です。
魔術を主体とするルーデウスとは違い、槍を使った近接戦闘や瞬時の状況判断を得意とします。
若いエリスにとっても、旅を通じて戦闘や戦士としての考え方を学ぶ相手となりました。
額の「第三の眼」で生物を感知できる
スペルド族の額にある宝石は、単なる装飾ではありません。
原作では「第三の眼」とされ、周囲にいる生物を感知できます。
魔大陸のような危険な土地を移動する際には非常に有効で、ルイジェルド自身の経験と組み合わさることで優れた索敵能力を発揮します。
攻撃力だけでなく、敵を発見して危険を避ける能力まで含めて頼れる戦士なのです。
ルイジェルドは別れた後どうなる?
ルーデウスとエリスを中央大陸まで送り届けた後、ルイジェルドはいったん二人と別れます。
しかし物語から退場したわけではありません。
その後もスペルド族を探す旅を続け、ルーデウスたちの人生へ何度も関わってきます。
ノルンとアイシャをルーデウスのもとへ送り届ける
ルーデウスがラノア魔法大学で生活している頃、ルイジェルドは再び姿を見せます。
今度はパウロのもとにいたノルンとアイシャを預かり、ルーデウスが暮らす魔法都市シャリーアまで送り届けました。
KADOKAWAのメインコミカライズ19巻でも、ノルンとアイシャを連れてきた人物がルイジェルドであることが紹介されています。
この旅の間、特にノルンはルイジェルドに強い信頼を寄せるようになります。
後の二人の関係につながる大きな出来事です。
終盤でスペルド族の村を発見する
ルイジェルドは長年、自分以外のスペルド族が生き残っていないか探し続けていました。
そして原作終盤、ついに生き残っていたスペルド族の集落と合流します。
原作小説24巻では、ギースとの戦いを控えたルーデウスがルイジェルドを探し、十数年ぶりに再会する展開が描かれます。
長い間「自分が最後のスペルド族かもしれない」と考えていたルイジェルドにとって、同族との再会は人生でも非常に大きな転機となりました。
ルイジェルドは死亡する?原作終盤のその後
結論からいうと、本編の正史でルイジェルドは原作終盤の戦いでは死亡しません。
ただし、スペルド族の村で命に関わる危機を迎えます。
スペルド族を襲った疫病で重体になる
再会したスペルド族の村では、謎の疫病が広がっていました。
ルイジェルド自身も病に倒れ、一時は昏睡するほど危険な状態になります。通常の解毒魔術では治らず、スペルド族全体が滅びかねない状況でした。
ここで大きな役割を果たすのがクリフです。
クリフが病気の原因を調べ、治療につながる方法を見つけたことで、ルイジェルドを含むスペルド族は回復へ向かいます。原作Web版でも、その後は「スペルド族は順調に快復に向かっている」と描かれています。
最終決戦でもルーデウス側として戦う
回復したルイジェルドは、ルーデウスたちとともにギース側の戦力と戦います。
原作25巻ではスペルド族の村を舞台に、北神カールマン三世、元剣神ガル・ファリオン、鬼神マルタら強敵との決戦が発生します。
さらに闘神鎧をまとったバーディガーディとの戦いにも加わり、デッドエンド時代から大きく成長したルーデウスやエリスと、今度は対等な仲間として戦います。
魔大陸では二人を守る側だったルイジェルドが、最終盤では成長した二人と同じ戦場に立つわけです。
ルイジェルドはノルンと結婚する
本編後を描く『無職転生 ~蛇足編~』では、ルイジェルドのさらにその後も描かれています。
結論からいうと、ルイジェルドはルーデウスの妹ノルン・グレイラットと結婚します。
ノルンは以前からルイジェルドを慕っていた
ノルンとルイジェルドの関係は突然始まったものではありません。
幼いノルンがルーデウスのもとへ向かう旅では、精神的に不安定になった彼女をルイジェルドが支えていました。
原作では、眠れないノルンを慰めたり、昔話を聞かせたりしていたことも描かれています。
その信頼は成長するにつれて恋心へ変わっていきます。
スペルド族の村でルイジェルドが病に倒れた際にも、ノルンは彼を心配して駆けつけています。
蛇足編でルイジェルドとノルンが夫婦になる
『蛇足編』の「ノルンの嫁入り」では、ノルンとルイジェルドの結婚が描かれます。
原作者自身もKADOKAWA公式の蛇足編企画で、「ノルンの嫁入り」はノルンが結婚する話であり、相手は以前から決めていたと振り返っています。
ルイジェルド自身もノルンに思いを持っており、最終的に二人は結婚。
さらに一年後には娘が誕生します。
娘の名前は「ルイシェリア・スペルディア」です。ノルンに似た顔立ちと、スペルド族らしい緑色の髪や額の宝石を持つ女の子として描かれています。
長い間、自ら家族を殺してしまった罪を背負い続けたルイジェルドが、最後には再び家族を持つという結末になっています。
ルイジェルドはスペルド族の罪と未来を背負う重要人物
ルイジェルドは、単にルーデウスたちを魔大陸から送り届けるための強い護衛ではありません。
ラプラスによって狂わされたスペルド族の歴史を背負い、自分自身の罪と向き合いながら、一族の名誉を取り戻そうと生き続けた人物です。
息子を失った過去があるからこそ子供を守り、ルーデウスとエリスを命がけで故郷へ送り届けました。
そしてルーデウスたちとの出会いによって、一人では進まなかったスペルド族の名誉回復にも少しずつ変化が生まれます。
終盤では生き残っていた同族と再会し、疫病を乗り越えてルーデウスたちと最終決戦へ参加。本編後にはノルンと結婚し、娘ルイシェリアにも恵まれました。
罪を背負って孤独に生きてきた戦士が、最後には仲間だけでなく新しい家族まで手に入れるところまで含めて、ルイジェルドの物語といえるでしょう。
