ダンダダンとチェンソーマンは似てる?作者の関係からパクリ疑惑まで徹底解説

少年ジャンプ+で絶大な人気を誇る漫画『ダンダダン』。

その独特な世界観と息もつかせぬ展開に夢中になる一方で、「どこかで見たことがあるような…」「『チェンソーマン』に雰囲気が似てる?」と感じた方も多いのではないでしょうか。

それもそのはず、実は『ダンダダン』の作者である龍幸伸(たつ ゆきのぶ)先生は、『チェンソーマン』の作者・藤本タツキ先生の元でアシスタントをしていたという深い関係があるのです。

この師弟関係が、作品の画風や勢いのある展開に影響を与えていることは間違いありません。

しかし、その類似性から「似すぎているのでは?」「もしかしてパクリ?」といった厳しい意見や、『呪術廻戦』など他の人気作品との共通点を指摘する声も少なくありません。

この記事では、『ダンダダン』と『チェンソーマン』がなぜこれほど似ていると言われるのか、作者同士の知られざる関係性から、作品に散りばめられたオマージュ要素、そしてパクリ疑惑の真相に至るまで、あらゆる情報を基に徹底的に解説していきます。

両作品のファンはもちろん、これから読もうと考えている方も、この記事を読めば二つの作品をより深く楽しめるようになるはずです。

目次

ダンダダンとチェンソーマンが似てると言われる背景

ダンダダンの作者はチェンソーマンのアシスタント?

結論から言うと、はい、その通りです。

『ダンダダン』の作者である龍幸伸先生は、『チェンソーマン』の作者・藤本タツキ先生の元でアシスタントを務めていた経験があります。

この事実は、ファンの間では広く知られており、両作品が「似てる」と感じられる最大の根拠となっています。

龍先生がアシスタントとして藤本先生の仕事場にいたのは、藤本先生が『ファイアパンチ』や『チェンソーマン』の第一部を「週刊少年ジャンプ」および「少年ジャンプ+」で連載していた時期と重なります。

まさに、藤本タツキワールドが全開だった時期に、龍先生はその創作の現場を間近で体験していたわけです。

アシスタントの仕事は、背景の作画やベタ塗り、効果線の追加など多岐にわたりますが、これらは作品全体の雰囲気や迫力を決定づける重要な要素です。

龍先生は、あの独特の空気感を持つ藤本作品の制作に深く関わっていました。

藤本先生自身も龍先生の能力を非常に高く評価しており、過去には自身のX(旧Twitter)アカウントで、龍先生の読切作品『山田キキ一発』を紹介する際に「チェンソーマンの最強のアシスタントさんの作品なのでぜひみてください」と投稿しています。

「最強」という言葉を使うあたり、単なるアシスタントの一人としてではなく、右腕として絶大な信頼を寄せていたことがうかがえます。

このような背景を知ると、『ダンダダン』に『チェンソーマン』の“匂い”を感じるのは、ごく自然なことだと言えるでしょう。

作者・龍幸伸氏とチェンソーマンの師弟関係

龍幸伸先生と藤本タツキ先生の関係は、単に「漫画家と元アシスタント」という言葉だけでは表しきれない、リスペクトに満ちた深い師弟関係と言えます。

前述の通り、藤本先生が龍先生を「最強のアシスタント」と評したことからも、その実力がいかに高く評価されていたかがわかります。

また、興味深いことに、龍先生はインタビューなどで藤本先生のことを「藤本くん」と呼んでいます。

一方で、同じく藤本先生の元アシスタントで『地獄楽』の作者である賀来ゆうじ先生のことは「ゆうじさん」と呼んでいることから、藤本先生とは年齢が近いか、あるいは龍先生の方が年上である可能性も考えられます。

年齢に関わらず、対等に近い親しい間柄であったことが推測され、単なる上下関係ではなく、クリエイターとして互いに刺激を与え合うような関係だったのかもしれません。

龍先生の義理堅い人柄が垣間見えるエピソードもあります。

彼は『ダンダダン』の企画が固まった後も、すぐには連載を始めませんでした。

当時アシスタントを務めていた『チェンソーマン』と『地獄楽』の連載終了が見えていた時期だったため、両作品を最後まで手伝い、師や仲間の仕事をきっちりと終えてから自身の連載をスタートさせたのです。

こうした作家同士の固い絆や関係性を知ると、作品に師匠から弟子へと受け継がれる「魂」や「血のつながり」のようなものを感じずにはいられません。

技術だけでなく、創作に対する姿勢や熱量といった部分もまた、この師弟関係を通じて受け継がれているのではないでしょうか。

ダンダダンは絵のタッチが似てるという評判

『ダンダダン』と『チェンソーマン』が似ているという話題で、最も多く指摘されるのが「絵のタッチ」です。

特に、多くの読者が共通して挙げるのは、「画面の密度と勢い」です。

これは、龍先生が藤本先生のアシスタントとして、藤本作品の持つ独特の雰囲気作りを間近で学び、その技術を吸収した結果と言えるでしょう。

具体的には、以下のような点で類似性が指摘されています。

構図とスピード感

『チェンソーマン』の魅力の一つに、静寂から一転して暴力的なアクションに切り替わる際の、一瞬で空気を変えるようなダイナミックな構図があります。

『ダンダダン』でも、この「静と動」の使い方が巧みで、ページをめくる手が止まらなくなるような圧倒的なスピード感が共通しています。

特に、キャラクターが大きく描かれる見開きページや、コマを大胆に使った迫力のあるバトルシーンの描き込みには、藤本作品からの影響が色濃く感じられます。

キャラクターデザインの違い

一方で、キャラクターデザインそのものに関しては、龍先生の個性がはっきりと表れており、藤本作品とは一線を画しています。

『チェンソーマン』のキャラクターが、どこか乾いていて感情の起伏が少ない、シニカルな表情を見せることが多いのに対し、『ダンダダン』のキャラクターは表情が非常に豊かです。

主人公の綾瀬桃やオカルンが見せる、怒り、喜び、そして何より「恥じらい」の表情は人間味にあふれており、読者の共感を呼びます。

絵の勢いや熱量は師匠譲りでありながら、キャラクターの魅力は自身の持ち味で描く。

この「似ている部分」と「異なる部分」の見事なハイブリッドこそが、『ダンダダン』という作品を唯一無二の存在たらしめているのかもしれません。

作者・龍幸伸氏の作風も似てる?

絵のタッチや勢いに共通点が見られる一方で、物語の核となる「作風」については、『ダンダダン』と『チェンソーマン』は大きく異なると言えます。

龍幸伸先生は、師匠である藤本タツキ先生から学んだ技術を土台にしながらも、全く違う方向性で自身の世界観を構築しています。

両作品の作風の違いを比較してみましょう。

項目チェンソーマンダンダダン
ジャンルダークファンタジー、アクションオカルティックバトル、ラブコメディ
物語の主軸主人公デンジの「欲望」と悪魔との血生臭い戦い幽霊と宇宙人を巡るオカルトと高校生の青春・恋愛模様
全体の雰囲気ダーク、シリアス、グロテスク、不条理ポップ、明るい、ギャグ、ホラー、青春
「性」の描き方生々しい欲望の対象思春期特有の「恥ずかしさ」「もどかしさ」の対象

このように、『チェンソーマン』が読者の心をえぐるようなダークでシリアスな物語であるのに対し、『ダンダダン』は幽霊や宇宙人といったオカルト要素を、高校生の青春ラブコメディと見事に融合させています。

ホラー的な怖さはありつつも、それを上回るギャグやコミカルな掛け合いが満載で、全体的には非常にポップで明るい印象を受けます。

特に象徴的なのが、「バケモノにはバケモノをぶつける」という発想です。

これは龍先生が映画『貞子vs伽椰子』から着想を得たと語っており、幽霊を信じる女子高生と宇宙人を信じる男子高校生が、互いの信じる存在をぶつけ合うという奇想天外なプロットにつながりました。

藤本作品が持つ「予測不能な展開」という点では共通していますが、その行き着く先が「絶望」なのか「笑い」なのかという点で、両者の作風は対照的です。

龍先生は、師匠譲りの画力と構成力を武器に、自分だけの「面白い」を追求しているのです。

ダンダダンはチェンソーマンと似てるだけ?多角的な評判

ダンダダンの描写はパクリ?ネットの意見

『ダンダダン』は、その圧倒的な画力とエンターテインメント性で高く評価される一方、一部の読者からは「他の作品の描写に似すぎている」「パクリではないか?」という厳しい意見が上がることもあります。

これは、龍先生が非常に多くの漫画や映画から影響を受けており、そのリスペクトが作品の随所に散りばめられているため、かえって既視感を覚える人がいるからだと考えられます。

インターネットの掲示板やSNSで具体的に指摘されている類似点には、以下のようなものがあります。

  • キャラクターの容姿: 主人公オカルン(高倉健)の変身後の姿が、『東京喰種トーキョーグール』の鉢川忠に似ている。
  • セリフ回し: 綾瀬モモのセリフが、『ジョジョの奇妙な冒険』を彷彿とさせる。
  • 怪異のデザイン: ターボババアがオカルンの中から現れるシーンが、『うしおととら』の白面の者に似ている。
  • SF要素: 宇宙人のデザインや設定が、奥浩哉先生の『GANTZ』を思わせる。

これらの指摘は、あくまで個々の読者が感じた印象に基づくものがほとんどです。

しかし、「パクリ」という言葉は非常に強い非難の意味を持つため、作者やファンにとっては心外な意見であることも事実です。

ただし、これらの声が上がる背景には、『ダンダダン』がそれだけ多くの読者の注目を集め、様々な角度から分析・批評されている人気作であることの裏返しとも言えるでしょう。

重要なのは、これらの類似点が単なる模倣なのか、あるいは創作活動における意図的な引用=オマージュなのかを見極めることです。

オマージュが多くパクリではないという見解

前述のような「パクリ疑惑」に対し、多くのファンの間では「あれはパクリではなく、作品愛にあふれたオマージュだ」という見解が主流となっています。

「パクリ(盗用)」と「オマージュ(敬意を込めた引用)」は、時に紙一重ですが、いくつかの点から『ダンダダン』の描写は後者であると判断できます。

第一に、作者の龍先生自身が、様々な作品から影響を受けたことを隠さず公言している点です。

インタビューでは、漫画家を目指すきっかけになった『ドラゴンボール』や、作品の着想源となった映画『貞子vs伽椰子』など、具体的な作品名を挙げています。

第二に、作中の描写が元ネタへのリスペクトを感じさせる、遊び心のある形で描かれている点です。

以下に、代表的なオマージュの例を挙げます。

  • らんま1/2: 円城寺仁(ジジ)が水で邪視に入れ替わる設定は、説明のコマでアニメ版主題歌「じゃじゃ馬にさせないで」の歌詞「やぱぱ!やぱぱ!いーしゃんてん!!」というセリフが書かれており、明確なパロディとして描かれています。
  • ドラゴンボール: 綾瀬モモが放つ「モエモエ気功砲」は、天津飯の「気功砲」が元ネタであることは明らかです。
  • AKIRA機動戦士ガンダム: 坂田金太がナノスキンで作り出すバイクやロボットのデザインは、日本のSF・ロボットアニメへの愛が詰まっています。

このように、元ネタを知っている人がニヤリとできるような形で引用されており、単にアイデアを盗むのではなく、先人たちの偉大な作品群の上に自分たちの新しい物語を築いているという姿勢が感じられます。

創作とは、全くのゼロから生まれるものではなく、過去の膨大な作品の積み重ねから影響を受けて生まれるものです。

その意味で、『ダンダダン』は、龍先生の豊かなエンタメ教養が詰まった、愛すべきオマージュ作品と言えるでしょう。

ダンダダンは呪術廻戦にも似てる?

『ダンダダン』の類似性が指摘される相手は、『チェンソーマン』だけではありません。

同じくジャンプ系列で絶大な人気を誇る『呪術廻戦』とも、「雰囲気が似てる」と感じるファンが少なくありません。

これには、いくつかの共通する要素が関係しています。

現代日本を舞台にしたオカルトバトル

まず、両作品の根幹をなす設定が似ています。

『ダンダダン』は幽霊や宇宙人、『呪術廻戦』は呪霊という、超自然的な存在が日常を脅かすという世界観です。

ごく普通の高校生が、特殊な能力に目覚めて人知を超えた敵と戦うという物語の構造も共通しています。

キャラクター設定の類似

特にキャラクター設定において、類似性を指摘する声が多く上がっています。

  • 強いヒロイン: 『ダンダダン』の綾瀬桃と『呪術廻戦』の釘崎野薔薇は、どちらも男勝りで気が強く、自らの意志で戦う自立した女性キャラクターとして描かれています。そのビジュアルやサバサバした性格が似ているという意見は非常に多いです。
  • 身体能力の高い主人公: 『ダンダダン』のオカルンと『呪術廻戦』の虎杖悠仁も、元々は普通の高校生でありながら、驚異的な身体能力を持ち、ひょんなことから超常的な力を手に入れるという点で共通しています。

作風の違い

ただし、物語全体の雰囲気は大きく異なります。

『呪術廻戦』は、死や絶望が常に付きまとうダークでシリアスな展開が中心であり、緻密に練られた設定が物語の深みを増しています。

一方、『ダンダダン』は前述の通り、ラブコメやギャグの要素が非常に強く、どんなに絶体絶命のピンチでもどこかカラッとした明るさが失われないのが特徴です。

現代オカルトバトルという同じ土俵にありながら、異なるアプローチで読者を楽しませているのが、この二作品の面白い関係性と言えるでしょう。

他にもダンダダンに似てるアニメはある?

『ダンダダン』の持つ「オカルト×バトル×ラブコメ」という独特のミックスカルチャーにハマった方なら、「他にも似たような雰囲気の作品はないだろうか?」と探したくなるかもしれません。

『チェンソーマン』や『呪術廻戦』以外にも、『ダンダダン』ファンにおすすめできる作品はいくつか存在します。

ここでは、特に関連性が深い、あるいは親和性が高いと思われる作品をいくつかご紹介します。

  • 地獄楽:
    作者の賀来ゆうじ先生は、龍先生と共に藤本タツキ先生の元でアシスタントをしていた経歴を持ちます。抜け忍の主人公が、不老不死の仙薬を求めて謎の島で死闘を繰り広げる物語です。ダークな世界観の中で描かれる独特の死生観や、スタイリッシュなアクション描写に、『ダンダダン』とはまた違った形で引き込まれるはずです。
  • モブサイコ100:
    強大な超能力を持ちながらも、普通の青春を送りたいと願う少年「モブ」の成長を描いた物語。普段は感情を抑えている主人公が、感情のボルテージが100%に達すると覚醒するという設定が、『ダンダダン』のキャラクターたちのパワーアップと重なります。ギャグとシリアス、そして感動のバランスが絶妙な名作です。
  • ソウルイーター:
    死神武器職人専門学校を舞台に、「職人」と人に変身する「武器」のコンビが魂を集めるダークファンタジー。ポップで独創的なキャラクターデザインや、カートゥーンのような動きを取り入れたスタイリッシュなアクションが特徴です。『ダンダダン』のビジュアルや演出が好きな方なら、きっと楽しめるでしょう。
  • うしおととら:
    伝説の「獣の槍」を巡り、少年「うしお」と大妖怪「とら」がコンビを組んで様々な妖怪と戦う、王道妖怪バトル漫画の金字塔。少年と人ならざる者の熱い友情と共闘、そして壮大な物語は、多くの読者に感動を与えました。『ダンダダン』のボーイミーツガールな側面に魅力を感じている方には特におすすめです。

これらの作品をチェックすることで、『ダンダダン』の魅力をより深く理解したり、新たな「好き」を発見したりするきっかけになるかもしれません。

まとめ:ダンダダンとチェンソーマンは似てる?関係性を知るとより楽しめる

  • 『ダンダダン』作者・龍幸伸は『チェンソーマン』作者・藤本タツキの元アシスタントである
  • 藤本タツキは龍幸伸を「最強のアシスタント」と高く評価していた
  • 絵の勢いや構図は似ているが、キャラクターデザインは龍幸伸の個性が強い
  • 作風は異なり『チェンソーマン』はダーク、『ダンダダン』はラブコメ要素が強い
  • 一部でパクリ疑惑が指摘されるが、意図的な盗用という意見は少数である
  • 作中には様々な作品へのリスペクトが込められたオマージュが多数存在する
  • 『呪術廻戦』ともオカルトバトルやキャラクター設定で類似点が指摘される
  • 両作品の関係性を知ることで、それぞれの作品をより深く味わうことができる
  • 『ダンダダン』は師から学んだ技術を基に独自の魅力を確立した作品である
  • 似ている部分と違う部分の両方を楽しむのがおすすめの鑑賞法である
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