ハンターハンターの中でも屈指の人気を誇る「キメラアント編」。
その中心的存在である王・メルエムの壮絶な死亡シーンは、多くの読者の心に深く刻まれました。
なぜ最強の王は死ななければならなかったのか、その死因となった「貧者の薔薇」の毒とは何だったのでしょうか。
また、メルエムの人間性を開花させたコムギとの最期のやり取りは、物語の大きな見どころです。
この記事では、メルエムの死亡シーンについて、アニメや漫画でどのように描かれたのか、ネテロ会長との関係、そしてコムギへの想いまで、様々な角度から徹底的に解説していきます。
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漫画とアニメで描かれたメルエムの死亡シーン
メルエムが死亡したのはアニメの何話?
結論として、アニメ「HUNTER×HUNTER(2011年版)」でメルエムが死亡する直接のシーンが描かれるのは、第135話「コノヒ×ト×コノシュンカン」です。
このエピソードは、キメラアント編の事実上の最終回とも言える回であり、メルエムとコムギの最期の時間を静かに、そして美しく描いています。
ただし、死に至る過程はもう少し前から始まっています。
ネテロ会長との死闘の後、瀕死の重傷を負ったメルエムは「貧者の薔薇」の毒に侵されます。
その影響は第133話「セイゾン×ノ×キゲン」あたりから現れ始め、護衛軍の一人であるシャウアプフが吐血するなど、不穏な空気が漂います。
そして、記憶を取り戻したメルエムがコムギを探し出し、再会を果たすのが第134話「ヒトコト×ハ×ソノヒト」。
そこから第135話にかけて、二人は地下の部屋でただひたすらに軍儀を打ち続けます。
派手な戦闘シーンはなく、声優陣の静かながらも魂のこもった演技と、心に染みるBGM、そして最小限の演出によって、二人の絆と避けられない死が視聴者に深く伝わる構成となっています。
メルエムの死が完全に確定し、物語の幕が引かれるのは、続く第136話「キキョウ×ト×ホンミョウ」での描写です。
話数 | サブタイトル | 主な内容 |
第133話 | セイゾン×ノ×キゲン | パームが王の死を予言。プフが吐血し、毒の影響が現れ始める。 |
第134話 | ヒトコト×ハ×ソノヒト | メルエムが記憶を取り戻し、コムギを探し始める。 |
第135話 | コノヒ×ト×コノシュンカン | コムギと再会。軍儀を打ちながら最期の瞬間を迎える。 |
第136話 | キキョウ×ト×ホンミョウ | 後日譚。二人の亡骸が発見され、死が確定する。 |
メルエムの死亡シーンが描かれた漫画は何巻?
漫画版でメルエムの死亡シーンが描かれているのは、コミックス30巻です。
具体的には、収録話数のNo.316「本名」からNo.318「遺言」にかけて、メルエムの最期が詳細に描かれています。
奇しくもこの30巻の表紙は、寄り添うメルエムとコムギの姿が描かれており、この巻が彼らの物語の集大成であることを象徴しています。
漫画で描かれる最期までの流れ
- No.316「本名」記憶を取り戻したメルエムが、コムギの元へとたどり着きます。パームの監視のもと、メルエムは最後の時間をコムギと過ごすことを決意する場面です。
- No.317「返答」メルエムとコムギ、二人きりでの最後の軍儀が始まります。自身が毒に侵されており、一緒にいればコムギも死に至ることを告げるメルエムと、それを受け入れるコムギの覚悟が描かれます。
- No.318「遺言」メルエムの命の灯火が消える瞬間までが描かれた、キメラアント編のクライマックスです。後述する漫画ならではの特殊な演出が用いられ、多くの読者に衝撃を与えました。
アニメ版も素晴らしい出来ですが、漫画版でしか味わえない静寂と緊張感に満ちた表現は、一読の価値があります。
この30巻は、ハンターハンターという作品の奥深さを象徴する一冊と言えるでしょう。
メルエムはなぜ死んだ?貧者の薔薇の毒とは
メルエムの直接の死因は、ハンター協会会長アイザック=ネテロが自身の体内に埋め込んでいた小型爆弾「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」の爆発によって撒き散らされた、極めて強力な毒です。
この「貧者の薔薇」は、ただの爆弾ではありません。
作中の解説によれば、低コストで大量生産が可能な小型の大量破壊兵器であり、その爆発は独特の毒を広範囲にまき散らします。
貧者の薔薇の毒の脅威
- 凄まじい致死性メルエムは爆発の直撃を受けて瀕死の重傷を負いますが、護衛軍のシャウアプフとモントゥトゥユピーが自らの肉体を捧げることで、一度は復活を遂げます。しかし、その時点でメルエムの体はすでに毒に完全に侵されていました。キメラアントの王としての驚異的な生命力や、他者を取り込み進化する能力をもってしても、この毒を分解・治療することは不可能でした。
- 強力な感染力「貧者の薔薇」の毒は、接触や近距離にいるだけで他者に感染します。メルエムを助けたプフとユピーも、王から毒が伝染り、時間差で死亡しました。そして最終的には、メルエムが最期を共に過ごしたいと願ったコムギにも感染し、彼女の命をも奪う結果となったのです。
つまり、メルエムは戦闘によるダメージではなく、人間が生み出した非人道的兵器の「後遺症」によって、ゆっくりと、しかし確実に死に至ったと言えます。
メルエムを倒したのは一体誰だったのか?
「メルエムを倒したのは誰か?」という問いに対する答えは、非常に複雑です。
直接的な一対一の戦闘において、メルエムを倒した人物は存在しません。
作中最強の念能力者と謳われたネテロ会長でさえ、自身の全オーラを込めた必殺技「百式観音 零乃掌」を放っても、メルエムに決定的なダメージを与えることはできませんでした。
メルエム自身も、ネテロの武の極致に敬意を表し、その強さを認めています。
戦闘ではメルエムがネテロを圧倒していたと言っていいでしょう。
しかし、ネテロは個人の武力で勝てないと悟った瞬間、ハンターとして、そして人類の代表として、最後の切り札を切ります。
それが、自らの命と引き換えに「貧者の薔薇」を起爆させることでした。
ここから考えると、メルエムを最終的に死に至らしめたのは、ネテロ個人というよりも、彼が使った「貧者の薔薇」という兵器そのものです。
この兵器は、人間の科学技術と、目的のためには手段を選ばない底知れぬ「悪意」の象徴として描かれています。
個の生物として究極の頂点に立ったメルエムが、個人の武力ではなく、種の持つ悪意と化学兵器によって敗北した、という構図は、ハンターハンターという物語の根幹に流れる深いテーマ性を浮き彫りにしています。
したがって、「メルエムを倒したのは、ネテロが命を賭して解き放った『人間の悪意』である」と解釈するのが、最も本質に近い答えと言えるかもしれません。
ネテロの壮絶な死亡シーンとの関係
メルエムの死を語る上で、アイザック=ネテロ会長の死は絶対に切り離せません。
二人の死は、原因と結果として直接的に結びついています。
ネテロの自己犠牲が、メルエムの死の確定的な引き金となりました。
ネテロはメルエムとの戦闘で追い詰められ、四肢のほとんどを失います。
それでもなお戦意を失わないネテロに対し、メルエムは情けをかけ、対話を望みました。
しかし、ネテロの使命はあくまで「王の討伐」です。
彼は、メルエムに彼の本当の名前を告げた後、武人として最大の敬意を払う言葉を口にします。
「感謝するぜ お前と出会えた これまでの全てに!!!」
そして、自らの指を胸に突き立て、心臓を止めました。
これが「貧者の薔薇」の起爆スイッチだったのです。
ネテロの心臓が停止した瞬間、彼の体内から薔薇が咲き誇るかのように爆弾が作動し、メルエムを巻き込んで大爆発を起こしました。
「人間を舐めるなよ」
メルエムに向けたこの最後の執念は、ハンター協会会長としての責任感と、人類の存亡を背負った者の覚悟の表れでした。
もしネテロがこの非情な選択をしていなければ、メルエムが死ぬことはありませんでした。
最強の蟻の王と、最強の人間のハンター。
二人の壮絶な死は、コインの裏表のように、分かちがたく結びついているのです。
メルエムの死亡シーンから読み解く物語の深層
漫画で描かれたメルエム死亡シーンの演出
漫画版ハンターハンターにおけるメルエムの死亡シーンは、少年漫画史に残ると言っても過言ではない、極めて独創的で優れた演出がなされています。
特に読者に衝撃を与えたのが、コミックス30巻のNo.318「遺言」で見られる、数ページにわたる表現です。
そこでは、コマ割りや背景が一切描かれず、真っ黒なページにメルエムとコムギの会話のセリフ(文字)だけが淡々と配置されています。
黒いページの演出がもたらす効果
この前衛的な手法は、単なる奇をてらったものではなく、物語の感動を最大限に高めるための計算され尽くした演出と言えます。
- 静寂と二人の世界視覚的な情報を極限まで削ぎ落とすことで、読者の意識は二人の会話に完全に集中させられます。外界から遮断された静かな空間で、ただ二人の魂だけが対話しているかのような、荘厳な雰囲気を作り出しています。
- 失明していくメルエムの視界「貧者の薔薇」の毒により、メルエムは徐々に視力を失っていきます。何も見えなくなる暗闇の世界を、この黒いページが追体験させているのです。「コムギ…いるか…?」というメルエムの問いかけが、より切実なものとして読者の胸に響きます。
- 生と死の境界線肉体という「器」が失われ、生と死の境界が曖昧になっていく様子を象徴しているとも解釈できます。肉体的な存在から、精神的な存在へと昇華していく二人の純粋な関係性を表現しているのかもしれません。
アニメ版も声優の演技や音楽で見事にこのシーンを表現しましたが、漫画でしか味わえない、読者の想像力にすべてを委ねるこの静謐な表現は、冨樫義博先生の類稀なる才能を示す最高のシーンの一つです。
メルエムとコムギの心に残る最期の会話
メルエムとコムギの最期の会話は、ハンターハンター全編を通して最も美しく、そして最も悲しい名場面です。
そこには、王としての威厳も、軍儀の天才としての勝負師の顔もありません。
ただ、死を前にした一人の個として、互いの存在を確かめ合い、慈しみ合う姿があるだけです。
以下に、その会話の一部とその意味を解説します。
メルエム:「コムギ…いるか…?」
視力を失い、意識が朦朧とする中で、メルエムが何度も繰り返すこの言葉。
これは、彼にとって唯一の光であり、心の支えであるコムギの存在を確かめるための、切実な問いかけです。
コムギ:「はいな、いますとも。どこにもいきません」
それに対するコムギの返事は、常に穏やかで、絶対的な肯定に満ちています。
メルエムの不安を包み込むような優しさと、最後まで彼と共にいるという揺るぎない覚悟が、この短い言葉に凝縮されています。
メルエム:「ありがとう」「最後に…名前を…呼んでくれないか…?」
生まれてから誰かに感謝することなどなかった王が、初めて口にする心からの「ありがとう」。
そして、ただ名前を呼ばれたいと願う、人間らしい純粋な欲求。
彼がコムギと出会って、真の幸福を知った瞬間でした。
コムギ:「おやすみなさい…メルエム…ワダすもすぐ、いきますから…」
愛する者の名を優しく呼び、眠りにつく彼を見送るコムギ。
そして、自らも彼の後を追うことを静かに宣言します。
これは悲劇的ながらも、二人にとっては最高の形で結ばれた、愛の証明と言えるでしょう。
メルエムの最期にみるコムギへの想い
メルエムの最期の行動は、彼がコムギに対して抱いていた想いが、最終的にどれほど深く、純粋な「愛」であったかを物語っています。
最強の生物の王として君臨すること、世界を支配すること、人類を淘汰すること。
そういった彼が「生まれてきた意味」だと信じていたものは、コムギと出会うことで根底から覆されました。
当初、メルエムにとってコムギは、ただの「暇つぶしの相手」に過ぎませんでした。
しかし、何度対局しても勝てない軍儀の才能と、負ければ死ぬという覚悟で挑んでくる彼女の純粋さに触れるうち、メルエムの中に未知の感情が芽生え始めます。
カラスに襲われたコムギを無意識に庇い、治療を命じたこと。
自分の感情の昂りから誤って傷つけてしまい、動揺したこと。
これらは、残虐非道な王であった彼からは考えられない行動であり、コムギという存在が彼にとって「特別」になっていった証です。
そして最期の時、メルエムは全ての選択肢を捨て、ただコムギと共にいることを選びました。
自分の毒が彼女にうつることを知りながらも、彼は彼女の意志を尊重し、穏やかな時間を過ごすことを望んだのです。
これは、力で相手を支配し、従えるのではなく、相手を一個の人間として尊重し、ただ共にいることに至上の幸福を見出すという、最も純粋な「愛」の形ではないでしょうか。
メルエムは最期の瞬間に、自分が「この時のために生まれてきた」と悟ります。
それは、最強の王としてではなく、コムギという一人の少女を愛し、愛される存在として死んでいくことへの、究極の肯定でした。
メルエムとコムギの結末に海外の反応は?
メルエムとコムギの物語、特にその悲劇的で美しい結末は、日本のファンだけでなく、国境を越えて海外の多くのファンの心も強く揺さぶっています。
海外の巨大掲示板サイト「Reddit」や、世界最大級のアニメ・漫画レビューサイト「MyAnimeList」などでは、彼らの最期を絶賛する声が数多く見られます。
その反応は、しばしば「アニメ史上、最も感動的で悲しいシーンの一つ」として語られるほどです。
海外ファンからの主な評価
- 悪役の深い掘り下げ「これほどまでに悪役(ヴィラン)を深く掘り下げ、視聴者に感情移入させた作品は他に類を見ない」という意見が非常に多いです。単なる敵キャラクターで終わらせず、一人の個としての成長と葛藤、そして愛を知るまでを描き切った点が高く評価されています。
- 種族を超えた愛の物語人間と蟻という、本来であれば敵対するはずの種族を超えた二人の純粋な愛の物語に、多くのファンが心を打たれています。「涙なしには見られない」「ティッシュの箱が空になった」といった感想が後を絶ちません。
- 哲学的なテーマ性「強さとは何か」「人間性とは何か」「愛とは何か」といった哲学的な問いを投げかける物語として、少年漫画の枠を超えた作品だと評価されています。
YouTubeには、このシーンを初めて見た海外ファンのリアクション動画が数多く投稿されており、その多くが言葉を失い、涙を流す様子が確認できます。
もちろん、キメラアント編全体のストーリー展開の遅さや、ナレーションの多さに否定的な意見が全くないわけではありません。
しかし、メルエムとコムギの結末に関しては、文化や言語の違いを超えて、ほぼ満場一致で「傑作」として認められていると言っていいでしょう。
キメラアント編で死亡した他のキャラクター
キメラアント編の物語は、種の存亡をかけた壮絶な総力戦であったため、主人公サイド・キメラアントサイドを問わず、多くの重要キャラクターが命を落としました。
メルエムとコムギの死が特に印象的ですが、彼らの死が物語に与えた影響も非常に大きなものでした。
以下に、主要な死亡キャラクターをまとめます。
キャラクター名 | 所属 | 死因・状況 | 物語への影響 |
アイザック=ネテロ | ハンター協会 | メルエムとの戦闘後、自爆(貧者の薔薇) | 人類側の勝利を決定づける。ハンター協会会長選挙編のきっかけとなる。 |
カイト | ハンター | ネフェルピトーに殺害される | ゴンの怒りと復讐心、そして暴走(通称ゴンさん化)の直接的な引き金となる。 |
ネフェルピトー | 王直属護衛軍 | ゴン(ゴンさん状態)に殺害される | ゴンの復讐の成就。しかし、ゴン自身も大きな代償を払うことになる。 |
シャウアプフ | 王直属護衛軍 | メルエムから感染した「貧者の薔薇」の毒 | 王への歪んだ忠誠心の結末と、王の変化を際立たせる。 |
モントゥトゥユピー | 王直属護衛軍 | メルエムから感染した「貧者の薔薇」の毒 | 戦闘を通じて成長を見せたが、毒の脅威を示す形で死亡。 |
キメラアントの女王 | キメラアント | メルエムを出産した際のダメージ | キメラアントという種の始まりと、世代交代を象徴する。 |
ポックル / ポンズ | ハンター | キメラアントに殺害・捕食される | キメラアントの残虐性と脅威を読者に示す役割を担う。 |
これらのキャラクター一人ひとりの死が、物語に深みと重みを与えています。
特に、カイトの死がゴンの精神を大きく歪ませたこと、そしてネテロの死が人類を勝利に導いたことは、キメラアント編の根幹をなす出来事と言えるでしょう。
彼らの犠牲があったからこそ、メルエムとコムギの最期の物語が、より一層際立つのです。
まとめ:メルエムの死亡シーンが描く生と死、そして愛の物語
<div class=”list-box-4″>
<ul class=”list-3″>
<li>メルエムの死因はネテロが使用した「貧者の薔薇」の毒である</li>
<li>アニメでは第135話、漫画では30巻で最期のシーンが描かれる</li>
<li>直接戦闘ではネテロでさえメルエムを倒すことはできなかった</li>
<li>メルエムの死はネテロの自己犠牲と深く結びついている</li>
<li>コムギとの出会いがメルエムに人間的な感情と愛を教えた</li>
<li>最期はコムギと軍儀を打ちながら穏やかに迎えた</li>
<li>漫画の黒いページだけの演出は非常に高く評価されている</li>
<li>メルエムとコムギの最期は海外ファンからも絶賛されている</li>
<li>キメラアント編ではネテロやカイトなど多くのキャラが死亡した</li>
<li>王の死は「個の強さ」と「種の悪意」というテーマを問いかける</li>
</ul>
</div>