【呪術廻戦】虎杖に術式が刻まれる！その経緯と能力を徹底解説

『呪術廻戦』の物語が進む中で、主人公・虎杖悠仁がいつ、どのような術式に目覚めるのかは、多くの読者が注目してきたポイントでした。

当初は術式を持たず、類まれな身体能力のみで戦ってきた虎杖ですが、物語は佳境に入り、ついに彼に術式が刻まれる瞬間が描かれます。

なぜ虎杖は術式を使えるようになったのでしょうか。

その背景には、彼の複雑な出自や、宿儺との関係、そして仲間たちとの絆が深く関わっています。

この記事では、虎杖に術式が刻まれるに至った経緯から、習得した「赤血操術」と「御廚子」の能力、そして今後の領域展開の可能性まで、これまでに明かされた情報を基に徹底的に解説していきます。

なぜ虎杖に術式が刻まれることになったのか？

術式の謎に関わる？虎杖の父親の正体とは

虎杖悠仁の術式の謎を解き明かす上で、彼の父親である「虎杖仁（いたどりじん）」の存在は避けて通れません。

結論から言うと、仁自身が特別な力を持っていたわけではありませんが、彼の家族構成が悠仁の特異な運命を決定づけました。

その最大の理由は、仁の妻、つまり悠仁の母親である「虎杖香織」の肉体を、物語の黒幕である「羂索（けんじゃく）」が乗っ取っていたからです。

羂索は、他人の肉体を乗り換えて生きながらえる術式を持ち、千年以上も前から暗躍してきました。

彼の目的の一つは、呪術の可能性を追求し、新たなステージへと進化させることでした。

その計画の一環として、史上最強の呪術師・両面宿儺の復活を目論み、その器として最適な人間を生み出す必要があったのです。

そこで羂索は、虎杖香織の体を乗っ取り、仁との間に子供をもうけました。

それが、主人公の虎杖悠仁です。

つまり悠仁は、羂索の計画によって意図的に生み出された存在と言えます。

回想シーンでは、悠仁の祖父・倭助が仁に対し、額に縫い目のある香織（羂索）との関係を絶つよう警告する場面もあり、当時からその存在が不気味なものであったことがうかがえます。

仁自身も、宿儺から「自身の双子の片割れの魂の生まれ変わり」と推測されるなど、虎杖家そのものが呪術の世界と浅からぬ因縁を持っていたようです。

（この推測は、後に仁ではなく祖父の倭助であったと訂正されています）

このように、虎杖の父親の存在は、直接的ではないものの、羂索という元凶を介して、悠仁が「宿儺の器」となる宿命を背負い、やがて術式が刻まれる土台となったのです。

虎杖は宿儺の子孫という説の真相

虎杖悠仁が宿儺の器として類まれな耐性を持つことから、「実は宿儺の子孫なのではないか？」という説が囁かれていました。

この説の真相は、虎杖は宿儺の直接的な血縁者、つまり子孫ではありません。

しかし、呪術的な観点から見れば、親子や兄弟に近い、極めて特殊で歪な関係性にあると言えます。

この複雑な関係性を理解する鍵は、前述した虎杖の出生の秘密にあります。

宿儺は、虎杖の父親である仁（と当初は推測）の魂が、かつて平安時代に存在した自身の「双子の片割れ」と同じものであることに気づきました。

呪術の世界において、一卵性双生児は「同一の魂を持つ存在」として扱われることがあります。

つまり、宿儺にとって、片割れの魂を持つ虎杖仁（あるいは祖父の倭助）は、他人でありながら自分自身の一部のような存在でした。

その子供である悠仁は、宿儺から見れば「甥」のような立場にあたります。

さらに、悠仁の母親は、体を乗っ取った羂索です。

宿儺は、自分自身と因縁のある魂を持つ男と、自分の復活を画策する羂索との間に生まれた子供が、自分の器となった事実を知り、「羂索め、気色の悪いことをする」と強烈な嫌悪感を示しました。

血の繋がりこそありませんが、魂の因縁と羂索の策略によって、虎杖と宿儺は単なる「器と呪い」という関係を超えた、呪術的に深い繋がりを持つことになったのです。

この強固な繋がりこそが、虎杖の肉体に宿儺の術式が刻まれる大きな要因となったと考えられます。

なぜ虎杖は赤血操術を使えるようになったのか？

虎杖悠仁が最初に使えるようになった明確な術式、それが「赤血操術」です。

彼がこの術式を習得できた理由は、兄である特級呪物「呪胎九相図」の4番から9番までを、その身に取り込んだからに他なりません。

物語の序盤、虎杖は呪胎九相図の1番から3番である脹相、壊相、血塗と敵として対峙し、壮絶な死闘を繰り広げました。

しかし、戦いの中で虎杖が弟の壊相と血塗を殺したにもかかわらず、長男である脹相は、存在しないはずの記憶によって虎杖を「弟」と認識し、以降は彼の最大の味方となります。

そして、宿儺との最終決戦を前に、虎杖は覚悟を決めます。

「アイツ（宿儺）を殺すためならなんでも喰ってやる」

この決意に対し、脹相はまだ受肉していなかった弟たち（4番～9番）を虎杖に託し、「オマエの中で生きられるのならそれでいい」と受け入れました。

呪胎九相図は、加茂憲倫（かつて羂索が乗っ取っていた肉体）によって生み出された存在であり、その術式は加茂家相伝の「赤血操術」です。

虎杖は、兄たちの呪物を取り込むことで、彼らの術式を後天的にその身に刻み込むことに成功したのです。

これは、彼が元々持っていた「あらゆる毒物に耐性がある」という特異体質と、「宿儺の器」として呪力をその身に宿した経験があったからこそ可能になった芸当と言えるでしょう。

仲間を、そして兄たちを想う強い意志が、虎杖に新たな力を与えるきっかけとなりました。

虎杖悠仁が習得した赤血操術の能力

呪胎九相図を取り込み、赤血操術を手に入れた虎杖ですが、すぐに自在に操れたわけではありませんでした。

術式の扱いに長けた兄・脹相と、同じ赤血操術の使い手である加茂憲紀から指導を受けることで、徐々にその能力を開花させていきます。

現在の虎杖が使用している赤血操術の技はまだ限定的ですが、宿儺との戦いでその一端を見せています。

主な使用技

技名	効果・特徴
血の炸裂（仮称）	自身の血液を相手に付着させ、任意のタイミングで炸裂させる。乙骨の領域内で宿儺の顔面に血を吹きかけ、追撃の隙を作るために使用した。
穿血（せんけつ）	血液を限界まで圧縮し、音速を超えるレーザーのように撃ち出す赤血操術の奥義。虎杖はまだ圧縮技術（百斂）が未熟なため、脹相に補助してもらい宿儺に放った。

作中では、虎杖が加茂憲紀に「先輩に色々教えてもらえて助かってる」、一方で「脹相は教えるの下手だから」と語る場面があり、理論的な指導は憲紀から、実践的な感覚は脹相から学んだことがうかがえます。

特に「穿血」は、直線的で避けられやすいという弱点はあるものの、その威力は絶大です。

宿儺ですら、五条との戦いでこの技を警戒していました。

虎杖がこの奥義を単独で、かつ自在に放てるようになれば、彼の戦闘スタイルは大きく変化するでしょう。

現在はまだサポートが必要な場面が多いですが、体内で血液を操作して身体能力を向上させる「赤鱗躍動」など、赤血操術には多彩な技が存在します。

虎杖の成長次第では、これらの技を習得し、近接戦闘に遠距離攻撃や身体強化を組み合わせた、より強力な術師へと進化していく可能性を秘めています。

虎杖に刻まれる術式の能力と今後の展開

虎杖悠仁が使う宿儺の術式「御廚子」

虎杖悠仁に刻まれた術式は、赤血操術だけではありませんでした。

長きにわたり彼の肉体を器としていた両面宿儺、その生得術式である「御廚子（みづし）」もまた、虎杖の魂に深く刻み込まれていたのです。

この事実は、物語の初期段階で五条悟が予言していました。

「今は使えないだけ。そのうち君の体には宿儺の術式が刻まれる」

五条の持つ「六眼」は、相手の呪力や術式を詳細に見抜くことができます。

彼の予言通り、虎杖の肉体は、宿儺という強大な呪力に浸され続けた結果、いわば「呪物化」し、その術式が染み付いていました。

しかし、術式が刻まれていることと、それを使えることは別の問題です。

虎杖がこの「御廚子」を覚醒させたのは、宿儺との最終決戦の最中でした。

仲間たちの死闘を経て、極限の集中状態に入った虎杖は、呪術師の潜在能力を飛躍的に高める「黒閃」を立て続けに放ちます。

この連続黒閃によって彼の魂は覚醒し、眠っていた宿儺の術式「御廚子」がついにその姿を現したのです。

赤血操術が兄たちとの絆によって得た力であるならば、「御廚子」は宿儺との忌まわしい共存関係が生み出した、皮肉な置き土産と言えるかもしれません。

こうして虎杖は、二つの強力な術式をその身に宿す、前代未聞の術師となりました。

虎杖の術式がハサミ（切り取り線）の理由

虎杖悠仁が覚醒した「御廚子」は、オリジナルの宿儺のものとは少し違う形で発現しました。

宿儺の「御廚子」は、対象に触れることなく、見えない斬撃を飛ばす「解（かい）」と「捌（はち）」で構成されています。

一方で、虎杖の「御廚子」は、斬ろうとする箇所に、まるで工作用のハサミで切るかのような「切り取り線」が浮かび上がるという特徴を持っています。

この違いが生まれた理由は、術式というものが、扱う術師本人の知識や原体験、イメージによってその形を変化させる性質を持つためです。

宿儺の斬撃は、おそらく彼が生きた平安時代の調理法や解体技術がイメージの根源にあると考えられます。

対して、現代を生きる虎杖にとって、最も身近な「切る」イメージは、お菓子の袋や書類などに印刷されている「切り取り線」でした。

彼の無意識のイメージが術式に反映され、このようなユニークな形で現れたのです。

宿儺自身は、虎杖の「御廚子」を見て「なんとも間抜けだな」と一蹴しました。

実際、覚醒したての虎杖の斬撃は、宿儺のように遠距離から放つことはできず、対象に一度触れる必要がある上、威力もまだ低いようです。

しかし、これは術式が発展途上である証拠でもあります。

虎杖の成長とイメージの深化によって、この「切り取り線」が今後どのように変化し、強力な攻撃へと昇華されていくのか、注目されるポイントです。

呪術廻戦248話時点での戦いの行方

虎杖に二つの術式が刻まれ、戦況が大きく動く中、単行本では描かれていない『週刊少年ジャンプ』での連載、特に248話時点では、人外魔境新宿決戦はさらに激しさと絶望の度合いを増していました。

この話数では、いくつかの重要なターニングポイントが描かれます。

まず、弁護士術師・日車寛見が宿儺に敗れ、彼から託された「処刑人の剣」も虎杖の手の中で崩壊。

宿儺を確実に仕留める千載一遇のチャンスは、惜しくも失敗に終わります。

しかし、この絶望的な状況で、一筋の光が差し込みます。

海外での任務を終えた特級術師・乙骨憂太が、ついに戦線に復帰したのです。

乙骨の登場で高専側は一気に士気を取り戻しますが、事態はさらに悪化します。

乙骨によって本体を倒された羂索が、死の間際に「保険」として発動させたルール追加により、天元と人類を超重複同化させる権限が、伏黒恵の肉体を持つ宿儺へと譲渡されてしまったのです。

これにより、「宿儺さえ倒せば最悪は免れる」という希望的観測は完全に打ち砕かれました。

今や、宿儺を倒さなければ、彼がその気になればいつでも世界は終わってしまうという、究極の状況に追い込まれたのです。

248話のラストでは、乙骨とリカが宿儺に猛攻を仕掛け、反撃の狼煙を上げます。

虎杖も反転術式を習得し、驚異的な回復力を見せるなど、個々の成長は著しいですが、敵である宿儺もまた、五条との戦いを経てさらなる進化を遂げています。

まさに総力戦、誰が生き残り、どのような結末を迎えるのか、全く予断を許さない状況が続いています。

虎杖悠仁は領域展開ができるようになる？

二つの生得術式を手に入れた虎杖悠仁。

彼が次に至る境地として期待されるのが、呪術の極致である「領域展開」です。

結論として、虎杖が領域展開を習得する可能性は非常に高いと考えられます。

その理由はいくつかあります。

第一に、彼は主人公であり、物語のクライマックスで最強の敵・宿儺と渡り合うためには、領域展開という切り札が必要不可欠だからです。

第二に、虎杖は他の術師にはない、極めて特殊な経験をしています。

それは、長期間にわたって宿儺と肉体を共有し、彼の領域「伏魔御廚子」を内側から体験し続けたことです。

領域の構築や維持に必要な呪力操作の感覚は、肌で覚えているはずです。

この経験は、領域展開を習得する上で計り知れないアドバンテージとなるでしょう。

実際に、虎杖が宿儺の魂に干渉しようとした際、彼の心象風景が展開される場面がありました。

これは領域展開の原型とも言える現象であり、彼が領域を構築する素養を持っていることを示唆しています。

もし虎杖が領域を展開するとしたら、その効果はどのようなものになるでしょうか。

彼が持つ二つの術式、「赤血操術」と「御廚子」を応用したものになる可能性が高いです。

例えば、「御廚子」の斬撃に必中効果を付与する領域や、「赤血操術」で領域内の相手の血液を操作するような恐ろしい効果も考えられます。

あるいは、彼の真っ直ぐな魂を反映した、相手との対話を促すような特殊な領域になるかもしれません。

習得には膨大な呪力と才能が必要ですが、数々の死線を乗り越え、驚異的な成長を続ける虎杖ならば、宿儺との最終決戦の中で、新たな覚醒として領域展開に至る可能性は十分にあると言えるでしょう。

まとめ：虎杖に術式が刻まれる経緯と今後の展開

• 虎杖悠仁は当初、生得術式を持っていなかった
• 術式が刻まれた背景には、母の体を乗っ取った羂索と父・仁の存在がある
• 虎杖は宿儺の直接の子孫ではないが、呪術的に深い因縁を持つ
• 呪胎九相図4番～9番を取り込み、後天的に「赤血操術」を習得した
• 赤血操術は脹相や加茂憲紀の指導を受け、実戦で使用している
• 宿儺の器だった影響で、宿儺の術式「御廚子」も肉体に刻まれた
• 虎杖版「御廚子」は、本人のイメージから「切り取り線」として発現する
• 黒閃の連続使用による覚醒が、「御廚子」を使えるきっかけとなった
• 248話では乙骨が参戦するも、宿儺が世界の命運を握る絶望的な状況となる
• 宿儺の領域を内側から体験した経験から、領域展開を習得する可能性は高い