乙骨の領域展開はパクリ？呪術廻戦の元ネタ疑惑と海外の反応まで徹底解説

社会現象を巻き起こし、多くのファンに惜しまれながら完結した漫画『呪術廻戦』。

その中でも屈指の人気を誇るキャラクター、乙骨憂太が見せた最終盤の領域展開は、読者に大きな衝撃と興奮を与えました。

しかし、その圧倒的な能力とビジュアルが話題になる一方で、「どこかで見たことがある」「これはパクリではないか？」といった声が上がっているのも事実です。

特に、乙骨の領域展開が他の有名作品に酷似しているという指摘は、ファンの間で大きな議論を呼んでいます。

この記事では、メインキーワードである「乙骨 領域展開 パクリ」という疑惑の真相に迫ります。

乙骨の能力の元ネタとされる作品との比較はもちろん、「呪術廻戦はパクリすぎ」と言われる理由、物議を醸した「うずまき」問題、さらには海外ファンの反応まで、あらゆる角度から情報を集め、徹底的に検証していきます。

乙骨の領域展開はパクリ？元ネタ疑惑を徹底検証

まずは公式設定！乙骨の領域展開の能力とは？

結論として、乙骨憂太の領域展開「真贋相愛（しんがんそうあい）」は、他者の術式をコピーし、領域内で無制限に使用できるという規格外の能力です。

この能力が初めて披露されたのは、物語の最終盤、人智を超えた存在である両面宿儺との決戦の場でした。

「真贋相愛」の最大の特徴は、領域内に無数に突き立つ刀にあります。

乙骨がこれまでにコピーしてきた術式が、それぞれの刀にランダムで一つずつ付与されており、乙骨自身も刀を手に取るまでどの術式が発動するかわかりません。

このランダム性により、敵は予測不能の攻撃に晒され続けることになります。

さらに、領域展開の基本的な効果として、領域内の攻撃には「必中効果」が付与されます。

つまり、一度刀を手にすれば、そこに込められた術式は相手に必ず当たるのです。

コピーした術式を無制限、かつ必中で繰り出せるという点だけで、そのチート級の能力がお分かりいただけるでしょう。

また、乙骨の領域は、宿儺の「伏魔御厨子」のように結界を閉じずに展開するタイプとは異なり、しっかりと結界を閉じています。

これは、宿儺の広範囲攻撃から仲間を守り、確実に自身の術式を当てるための選択だと考えられます。

掌印（術を発動する際の印の組み方）は、愛欲を司る女神である「荼枳尼天（だきにてん）」の印を結んでおり、これも「真贋相愛」という名前と深く関係しているのかもしれません。

ファンが呼ぶ「乙骨アンリミテッド」の元ネタ

乙骨の領域展開について調べていると、「乙骨アンリミテッド」という言葉を目にすることがあります。

これは公式名称ではなく、ファンの間で使われている愛称のようなものです。

この通称の元ネタは、人気ゲーム・アニメシリーズ『Fate/stay night』に登場するキャラクター、アーチャーが使用する「無限の剣製（アンリミテッドブレイドワークス）」に由来します。

「無限の剣製」は、術者の心象風景を具現化する大魔術であり、その風景は「地平線の果てまで無数の剣が突き立つ、殺伐とした荒野」です。

そして、乙骨の「真贋相愛」が展開された際のビジュアルもまた、無数の刀が墓標のように突き立つ荒野でした。

この視覚的なイメージが酷似していることから、多くのファンが『Fate』の「無限の剣製」を連想し、「乙骨アンリミテッド」と呼び始めたのです。

能力のコンセプトにも共通点が見られます。

「無限の剣製」は、術者が一度視認した武具（特に剣）を複製し、固有結界内に貯蔵、自由に取り出して使用できる能力です。

一方、乙骨の「真贋相愛」は、他者の「術式」をコピーし、刀に付与して使用します。

「複製（コピー）」という根幹のアイデアと、「剣（刀）」をキーアイテムとする点、そして何より「無数の剣が刺さった荒野」というビジュアル。

これらの共通点が、「乙骨アンリミテッド」という通称を生む土壌となりました。

もちろん、術式そのものをコピーする点や、どの刀に何の術式が入っているか分からないランダム性など、オリジナリティも多分に含まれています。

呪術廻戦の他の領域展開にパクリ疑惑はある？

乙骨の「真贋相愛」が話題になりがちですが、実は『呪術廻戦』の他の領域展開にも、元ネタやオマージュと見られる表現は存在します。

これはパクリというより、作者が様々な神話や仏教、既存の創作物からインスピレーションを得て、独自の解釈を加えている結果と言えるでしょう。

例えば、作中最強の術師・五条悟の「無量空処（むりょうくうしょ）」は、仏教において「意識が無限に広がる世界」を指す「空無辺処（くうむへんしょ）」または「識無辺処（しきむへんしょ）」という境地が元ネタと考えられています。

実際に、領域内では無限の情報が脳に流れ込み、対象者は何もできなくなってしまいます。

また、ラスボスである両面宿儺の「伏魔御厨子（ふくまみづし）」も、仏像などを安置する「厨子」と、悪鬼の住処である「伏魔殿」を組み合わせた造語です。

結界を閉じずに生得領域を具現化するという異質さは、まさに神の御業と言えるでしょう。

他にも、弁護士・日車寛見の「誅伏賜死（ちゅうぶくしし）」は、その裁判形式の能力から、人気ゲーム『逆転裁判』の影響を指摘する声が多くあります。

このように、『呪術廻戦』の領域展開は、様々な文化的背景や創作物を土台にして、そこに呪術というオリジナルの要素を掛け合わせることで、独創的で魅力的な能力を生み出しているのです。

『うずまき』のパクリ疑惑と単行本での修正

『呪術廻戦』におけるパクリ疑惑の中でも、特に大きな議論を呼んだのが、夏油傑（の肉体を乗っ取った羂索）が使用する呪霊操術・極ノ番「うずまき」です。

結論から言うと、これは日本を代表するホラー漫画家・伊藤潤二氏の代表作『うずまき』へのオマージュである可能性が極めて高いです。

問題となったのは、週刊少年ジャンプに掲載された際の「うずまき」を発動するシーンの構図です。

取り込んだ呪霊を一つに凝縮し、超高密度の呪力を相手にぶつけるこの技のビジュアルが、伊藤潤二氏が描く『うずまき』の人体が渦を巻いていくおぞましいシーンと酷似していました。

この類似性は多くの読者が指摘するところとなり、ネット上では「パクリではないか」との声が相次ぎました。

しかし、この件には後日談があります。

問題のシーンは、単行本に収録される際に構図が修正されたのです。

作者自身が、読者からの指摘を真摯に受け止め、誤解を招かないように配慮した結果だと考えられます。

さらに、作者の芥見下々先生は、単行本のコメントで伊藤潤二氏へのリスペクトを公言しています。

「好きです」「オリジナルのおどろおどろしさにはとても及ばんです！」といったコメントからは、決して盗用しようという意図ではなく、偉大な作品への敬意が感じられます。

ちなみに、伊藤潤二氏本人も、ファンからの「呪術廻戦のうずまきは先生の作品のオマージュですよね？」といったツイートに「いいね」をしており、当事者間では問題視されていないことがうかがえます。

乙骨の領域展開以外も？呪術廻戦のパクリ疑惑と評価

「呪術廻戦はパクリすぎ」と評価される理由は？

『呪術廻戦』が「パクリすぎ」と一部で言われてしまうのは、乙骨の領域展開や「うずまき」だけでなく、作品の随所に様々な有名作品からの影響が見受けられるためです。

その理由は、キャラクター設定、物語の構図、戦闘シーンの演出、能力のアイデアなど、多岐にわたる要素で「どこかで見たことがある」と感じる読者が多いことに起因します。

例えば、キャラクター設定においては、国民的漫画『NARUTO -ナルト-』との類似性がよく指摘されます。

「最強の師匠ポジションで普段は目隠しをしている（五条悟と、はたけカカシ）」、「主人公チームが男性2人、女性1人の3人組である（虎杖・伏黒・釘崎と、ナルト・サスケ・サクラ）」といった点は、多くの読者が既視感を覚えるポイントです。

また、スタイリッシュな構図やセリフ回し、独特な能力のネーミングセンスなどからは、作者がファンを公言している『BLEACH』の影響が色濃く感じられます。

戦闘描写やキャラクターの哲学的な問答には、井上雄彦先生の『バガボンド』や『リアル』の影響を指摘する声もあります。

さらに、呪力や術式といった根幹の能力設定については、『HUNTER×HUNTER』の「念能力」との類似性を感じるファンも少なくありません。

このように、様々なヒット作の要素が散りばめられているため、「オリジナリティがない」「良いとこ取りをしている」といった批判的な見方が生まれ、「パクリすぎ」という評価に繋がってしまうのです。

ただ、創作の世界において、先行作品から全く影響を受けずに完全なオリジナルを生み出すことは非常に困難です。

多くのクリエイターが、過去の名作からインスピレーションを得て新しい作品を創造しています。

法的な観点からも、アイデアやキャラクターの類型が似ているだけでは、著作権侵害にはあたりません。

『呪術廻戦』の場合、それらの影響を隠すのではなく、むしろリスペクトとして作品に昇華させていると捉えることもできるでしょう。

比較画像で見る『呪術廻戦』のパクリ疑惑一覧

「パクリすぎ」と言われる背景をより具体的に理解するために、実際にどのような類似点が指摘されているのかを表形式で見ていきましょう。

ここでは、特に話題に上がることが多い事例をいくつかご紹介します。

呪術廻戦の描写	元ネタとされる作品・描写	類似点
夏油の極ノ番「うずまき」	伊藤潤二『うずまき』	渦を巻く人体のグロテスクな構図や表現
乙骨の領域展開「真贋相愛」	Fate/stay night『無限の剣製』	無数の剣（刀）が突き立つ荒野のビジュアル
五条悟のキャラクター	NARUTO『はたけカカシ』	目隠し、飄々とした性格、最強の師匠というポジション
虎杖・伏黒・釘崎の関係性	NARUTO『ナルト・サスケ・サクラ』	主人公チームが男性2名、女性1名という構成
宿儺の指の存在	映画『リメンバー・ミー』	死後も影響を及ぼす遺骸（指）がキーアイテムとなる設定
陀艮の領域「蕩蘊平線」	ONE PIECE『魚人島』	美しい南国の海辺のような風景が領域として展開される点
真人の領域「自閉円頓裹」	HUNTER×HUNTER『プフの能力』	手のひらで相手を包み込み、精神世界に干渉する描写
虎杖悠仁の存在しない記憶	新世紀エヴァンゲリオン	他者の記憶を改竄し、都合の良い過去を捏造する現象

この表を見ると、確かに様々な作品との共通点が見出せます。

もちろん、これらはあくまで読者からの指摘であり、作者が公式に認めているものばかりではありません。

しかし、視覚的に分かりやすい構図や設定が似ているため、議論が活発化しやすいのです。

重要なのは、これらの要素を「パクリ」と断じるか、「オマージュ」「パロディ」として楽しむかです。

作者のリスペクトが感じられるか、単なる模倣に留まっているか、その線引きは非常に曖昧で、最終的には個々の読者の解釈に委ねられる部分が大きいと言えるでしょう。

呪術廻戦のパクリ疑惑に対する海外の反応まとめ

日本の漫画やアニメは今や世界中で親しまれており、『呪術廻戦』も海外で絶大な人気を誇ります。

それでは、こうしたパクリ疑惑について、海外のファンはどのように受け止めているのでしょうか。

結論から言うと、海外ファンの間では「パクリ（plagiarism）」という厳しい批判よりも、「オマージュ（homage）」や「リファレンス（reference）」として好意的に捉える声が主流です。

海外の大手掲示板サイトRedditなどでは、このテーマについて頻繁に議論が交わされていますが、多くの意見は擁護的です。

例えば、「作者が『BLEACH』の大ファンなのは有名な話。リスペクトの表れだよ」「どんな創作物だって、何かしら過去の作品から影響を受けているものさ」「これはパロディとして楽しむべき」といったコメントが多く見られます。

日本の漫画文化において、先行作品へのリスペクトを込めたオマージュやパロディが、一種の表現技法として受け入れられていることを理解しているファンが多いようです。

ただし、もちろん批判的な意見が全くないわけではありません。

「いくつかのシーンは、元ネタを知っていると少し露骨すぎると感じる」「オリジナリティにもっと力を入れてほしい」といった声や、「原作よりも、アニメ制作会社であるMAPPAの演出が、元ネタに寄せすぎているのではないか」という鋭い指摘も存在します。

全体として見れば、海外ファンはパクリ疑惑に対して比較的寛容であり、作品の魅力がそれらの類似点を上回っていると感じているようです。

文化的な背景の違いも、この受け止め方の差に影響しているのかもしれません。

影響を与えた側？デッドアカウントのパクリ疑惑

これまで『呪術廻戦』が様々な作品から影響を受けてきた側面を見てきましたが、逆に『呪術廻戦』が後発の作品に影響を与える側になっているケースもあります。

その代表例として話題になったのが、『週刊少年マガジン』で2024年まで連載されていた『デッドアカウント』という作品です。

この作品が連載を開始した当初、SNS上では「呪術廻戦に似ている」という声が多く上がりました。

『デッドアカウント』は、投稿が現実を歪める呪いのSNSを舞台にしたデスゲーム漫画です。

「現代社会に潜む闇（SNS）」「異形のクリーチャーとの異能力バトル」「ダークでシリアスな世界観」といった要素が、『呪術廻戦』が切り開いた現代ファンタジーの潮流と共通していると捉えられたのです。

特に、敵となるクリーチャーのおぞましいデザインや、緊迫感のあるバトル描写に、『呪術廻戦』の雰囲気を感じ取った読者が少なくありませんでした。

もちろん、物語のテーマやキャラクター設定は全くの別物であり、これを「パクリ」と断じるのは早計です。

しかし、この一件は、『呪術廻戦』が単なるフォロワーではなく、漫画界全体に大きな影響を与えるほどの巨大な存在になったことを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。

他作品から影響を受けながらも、それを独自の魅力に昇華させ、今や新たな作品が生まれる土壌となっているのです。

まとめ：乙骨の領域展開パクリ疑惑から見る呪術廻戦の魅力