『呪術廻戦』の物語の根幹を成す特級呪物「両面宿儺の指」。
千年の時を超えてもなお絶大な呪力を放ち続けるこの指は、全部で20本存在するとされています。
物語は、主人公・虎杖悠仁がその一本を食べるという衝撃的な出来事から始まりました。
現在、宿儺本体は合計19本の指を取り込み、その力はまさに神の領域に達しようとしています。
しかし、依然として最大の謎としてファンの注目を集めているのが、「宿儺の指、最後の一本」の行方です。
この記事では、宿儺の指の基本的な情報から、現在までに何本食べたのかという経緯、そして最後の一本をめぐる乙骨憂太の動向や様々な考察まで、網羅的に解説していきます。
宿儺の指の基本と最後の一本までの軌跡
宿儺の指の正しい読み方とは?
『呪術廻戦』に登場する数々の専門用語の中でも、物語の核心である「宿儺の指」の読み方は基本中の基本と言えるでしょう。
結論から申し上げますと、宿儺の指は「すくなのゆび」と読みます。
これは、指の持ち主である「両面宿儺(りょうめんすくな)」の名前に由来するものです。
両面宿儺は、かつて実在したとされる伝説上の存在で、呪術全盛の時代に多くの術師を屠り、「呪いの王」として恐れられました。
彼が死んだ後、その強大すぎる呪力は20本の指に分かたれ、特級呪物として現代まで残ることになったのです。
ちなみに、『呪術廻戦』には他にも「伏魔御厨子(ふくまみずし)」や「嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」といった難解な読み方の用語が数多く登場します。
これらの独特なネーミングは、作品の持つ重厚でミステリアスな世界観を構築する重要な要素の一つと言えるでしょう。
宿儺の指の読み方を正しく知ることは、この壮大な物語をより深く理解するための第一歩となります。
宿儺の指一本分の強さはどれくらい?
宿儺の指一本が持つ強さは、まさに規格外であり、その価値は計り知れません。
端的に言えば、指一本だけで「特級呪霊」に匹敵する、あるいはそれを凌駕するほどのエネルギーを秘めています。
作中では、指一本を取り込んだ呪霊が凄まじいパワーアップを遂げる描写が度々見られました。
例えば、物語序盤に登場した少年院の特級呪霊は、宿儺の指を取り込んでいたことで、虎杖たちを圧倒するほどの力を手に入れています。
このことからも、指一本がいかに危険な存在であるかが分かります。
さらに、宿儺の指の脅威はその呪力だけではありません。
物理的な強度も尋常ではなく、現代最強の呪術師である五条悟ですら、その指を破壊することはできませんでした。
1000年という長い時を経ても劣化せず、その呪力を保ち続けていること自体が、その異常性を物語っています。
五条悟は、宿儺が20本すべての指を取り戻した場合について、「力を全て取り戻した宿儺なら、ちょっとしんどいかな」と語っています。
これは裏を返せば、指の本数が増えるごとに、あの五条悟ですら苦戦を強いられるほどに宿儺の力が飛躍的に増大していくことを意味します。
指一本でも特級クラスの脅威、それが20本集まった時、世界がどうなるのか。
その片鱗を想像させるだけで、宿儺の指の恐ろしさが伝わってくるはずです。
宿儺の指が呪霊に与える影響について
宿儺の指は、周囲の呪霊に対して非常に強力な影響を及ぼします。
その影響とは、一言で言うと「呪霊を格段に強化する」ことです。
しかし、人間が指を取り込んで宿儺の意識が顕現する「受肉」とは、そのプロセスと結果が大きく異なります。
呪霊が宿儺の指を取り込んだ場合、宿儺の意識や人格が乗っ取ることはありません。
指はあくまで純粋で高密度の呪力の塊として機能し、呪霊はそれを自身のエネルギー源として利用するだけです。
これは、呪霊にとって一種のドーピングのようなものと言えるでしょう。
元々の力が弱い呪霊であっても、指を取り込むことで特級クラスにまで変貌する可能性があります。
この性質を利用していたのが、夏油傑の肉体を操る羂索(けんじゃく)です。
彼は、各地に封印されていた指を意図的に呪霊に与えることで、強力な手駒を生み出し、自身の計画を進めていました。
一方で、この現象には注意点も存在します。
指の強大な力に耐えきれず、取り込んだ呪霊自身が暴走、あるいは自壊してしまうリスクも考えられます。
また、前述の通り、どれだけ指の力を得ようとも、呪霊は宿儺の高度な術式や領域展開を使いこなすことはできません。
あくまで、元々の能力が呪力で底上げされるに留まります。
このように、宿儺の指は呪霊にとって諸刃の剣であり、物語の中では呪術師側と敵側、双方にとって戦略的に重要なアイテムとして扱われているのです。
宿儺の指は現在までに何本食べたのか?
物語が最終局面に差し掛かる中で、宿儺が取り込んだ指の合計本数は、読者の最も大きな関心事の一つです。
2025年6月現在、宿儺は合計19本の指を取り込み済みであるとされています。
この19本という数字に至るまでの経緯は非常に複雑なため、ここで一度、誰がどのタイミングで指を食べたのかを表で整理してみましょう。
時系列 | 出来事 | 食べた人物 | 本数 | 累計本数 |
物語開始時 | 百葉箱の指を食べる | 虎杖悠仁 | 1本 | 1本 |
序盤 | 五条悟による耐性テスト | 虎杖悠仁 | 1本 | 2本 |
少年院任務 | 特級呪霊を倒し回収 | 宿儺(虎杖) | 1本 | 3本 |
渋谷事変 | 漏瑚・ミミナナによる強制摂取 | 虎杖悠仁 | 11本 | 14本 |
渋谷事変後 | 公式の言及 | 虎杖悠仁 | – | 15本 |
人外魔境新宿決戦編 | 伏黒恵に受肉後、裏梅が用意 | 宿儺(伏黒) | 4本 | 19本 |
表を見てわかる通り、大半の指は虎杖悠仁の体内にありました。
特に衝撃的だったのは渋谷事変で、気絶している間に漏瑚らによって10本以上の指を無理やり食べさせられた場面です。
これにより、宿儺の力は一気に増大し、渋谷の街を壊滅させる大惨事を引き起こしました。
ここで注目すべきは、表の最後の項目です。
宿儺が伏黒恵の肉体に移った後、裏梅が用意したのは「残り全ての指」とされていましたが、実際に描かれたのは4本の指を食べるシーンでした。
虎杖が15本持っていたなら、残りは5本のはずです。
この1本の差については、「虎杖悠仁は生まれながらにして1本の指を体内に封印していたのではないか」という説が有力視されています。
いずれにしても、これらの経緯を経て、宿儺は19本の指の力を取り戻しました。
残るは、あと一本。
この最後の一本が、物語の全ての鍵を握っているのです。
宿儺の指、最後の一本の行方を考察
宿儺の指、注目の20本目の行方
現在、宿儺が19本の指を取り込んだことで、残る指は「20本目」となる最後の一本のみとなりました。
この最後の一本の行方については、作中で明確な答えが提示されておらず、ファンの間で様々な考察が白熱しています。
この指の所在と使われ方が、今後の物語の展開を大きく左右することは間違いありません。
考えられる主な可能性は、大きく分けて3つあります。
一つ目は、五条悟をはじめとする呪術高専側が、切り札として厳重に保管しているという説です。
宿儺が完全復活すれば世界が終わる可能性があるため、そのトリガーとなる最後の一本を渡さないのは当然の戦略と言えます。
二つ目は、後述する乙骨憂太が何らかの形で関与しているという説です。
彼の不可解な言動から、最後の一本を既に手中に収めている、あるいはその在処を知っている可能性が指摘されています。
そして三つ目は、物理的な「指」としては存在せず、全く別の形、例えば特定の人物や場所に封印されている、あるいは概念的な存在になっているという、より複雑な説です。
この場合、虎杖悠仁の出自や、死んだとされる釘崎野薔薇の復活などが絡んでくる可能性があります。
いずれにしても、作者は意図的に最後の一本の情報を隠しており、読者の想像力を掻き立てています。
この一本がいつ、どこで、どのように登場するのか。
その瞬間が、物語のクライマックスを告げる合図となるでしょう。
宿儺の指、最後の一本は乙骨が持つ?
呪術界の次代を担う特級呪術師・乙骨憂太。
彼の存在は、最後の一本の行方を語る上で決して無視できません。
結論から言うと、乙骨が物理的に「最後の一本を持っている」可能性は低いと考えられていますが、その行方に関して極めて重要な役割を担っていることは確実です。
その根拠となるのが、宿儺との戦闘中に見せた乙骨の行動です。
乙骨は、自身の領域展開の中で宿儺の斬撃を模倣して見せました。
それを見た宿儺が「(最後の指を)喰ったのか」と問いかけたことから、一時は「乙骨が最後の一本をリカに食べさせて術式をコピーした」という説が流れました。
しかし、現在ではこの一連の流れは、乙骨による高度な情報戦、つまり「ブラフ」であったという見方が非常に有力です。
では、乙骨は何を食べさせたのか。
それは、宿儺の器として長期間過ごしたことで、その肉体に宿儺の術式が深く刻み込まれていた「虎杖悠仁の指」だったと考えられています。
虎杖の肉体の一部をリカが摂取することで、限定的に宿儺の術式をコピーできたというわけです。
乙骨がこのような回りくどい手を使った理由は、宿儺に「高専側は既に最後の一本というカードを使い切ってしまった」と誤認させるためでしょう。
これにより、高専が本当に隠し持っている「本物の最後の一本」という切り札を温存し、宿儺の油断を誘うことができます。
このように、乙骨は直接指を所持していないかもしれませんが、その知略によって最後の一本の価値を最大限に高めるための重要な役割を演じているのです。
宿儺の指を次に食べるのは誰になるのか
最後の一本を「次に食べるのは誰か」という問いは、物語の結末を予測する上で非常に重要なテーマです。
この問いに対する答えは、大きく二つの可能性に分かれます。
一つは、当然ながら「両面宿儺自身」です。
彼の目的は、20本すべての指を取り込み、1000年前の全盛期の力を完全に取り戻すことです。
そのため、最終的には何らかの方法で高専側から最後の一本を奪い、自ら食べるという展開が最も自然な流れと言えます。
もし宿儺が最後の一本を食べた場合、その力は計り知れず、まさに絶望的な状況が訪れることになるでしょう。
一方で、もう一つの可能性として浮上しているのが、起死回生の切り札として「釘崎野薔薇」が関与するという説です。
渋谷事変で生死不明となった釘崎ですが、彼女は新田新の術式によって魂と肉体が仮死状態で保存されていることが示唆されています。
彼女の術式「共鳴り(ともなり)」は、対象から欠損した一部に呪力を流し、本体に直接ダメージを与えるという特異な能力です。
宿儺の指は、まさしく「宿儺本体から欠損した一部」に他なりません。
つまり、復活した釘崎がこの最後の一本に「共鳴り」を打ち込むことができれば、伏黒の肉体を盾にしている宿儺本体の「魂」に、防御不能なダメージを与えられるのではないかと考えられているのです。
この作戦が成功すれば、どれだけ強大な力を持つ宿儺であっても、内側から崩壊させる一筋の光明となり得ます。
最後の一本は、宿儺が完全復活を遂げるための最後のピースか、それとも人類が勝利を掴むための最後の鍵か。
その運命は、まだ誰にも分かりません。
宿儺の指は21本あるという説の真相
『呪術廻戦』のファンの間で、まことしやかに囁かれているミステリーの一つに「宿儺の指21本説」があります。
この説の真相についてですが、これは公式に明言された設定ではなく、読者の鋭い観察眼と深い考察から生まれた、非常に興味深い仮説です。
では、なぜ21本という数字が出てきたのでしょうか。
その根拠は、主人公・虎杖悠仁の特異な出自と、彼が最初に指を食べた時の状況にあります。
前述の通り、虎杖の母親は、物語の黒幕である羂索(けんじゃく)であったことが判明しており、彼は意図的に「宿儺の器」として虎杖を創り出しました。
このことから、「虎杖は生まれながらにして、羂索によって1本の指を体内に仕込まれていたのではないか」という考察が生まれました。
もしこれが事実だとすると、虎杖が高校の百葉箱で発見して食べた指は、彼にとって”2本目”の指ということになります。
つまり、元々存在した20本の指に、虎杖に仕込まれた1本が加わり、合計で21本の指が存在する、というのがこの説の骨子です。
この説は、宿儺が虎杖の体に受肉した際、なぜかその力を完全にコントロールできなかった理由や、宿儺自身も知らない「縛り」が虎杖の体に存在したことの説明にもなります。
羂索が仕込んだ”21本目の指”が、宿儺を制御するための楔(くさび)として機能していたのかもしれません。
もちろん、これはあくまで数ある考察の一つであり、今後の展開で否定される可能性もあります。
しかし、このように公式設定の裏を読み解き、物語のさらなる深みを探求するのも、『呪術廻戦』という作品の大きな楽しみ方の一つと言えるでしょう。
まとめ:宿儺の指、最後の一本に隠された物語の核心
- 宿儺の指の読み方は「すくなのゆび」である
- 指一本で特級呪霊に匹敵する強さを持ち、五条悟でも破壊は不可能
- 呪霊が指を取り込んでも強化されるだけで、宿儺の意識は宿らない
- 現在までに宿儺は19本の指を取り込んでいる
- 最後の一本(20本目)の行方は公式には明かされていない
- 乙骨が最後の一本を食べたという発言は、宿儺を欺くブラフの可能性が高い
- 乙骨がコピーしたのは、宿儺の術式が刻まれた虎杖の指という説が有力
- 最後の一本は、釘崎野薔薇が術式「共鳴り」で宿儺を討つための切り札になる可能性がある
- 虎杖の出自から、彼自身が最後の一本の代替となる存在であるという考察も存在する
- 「21本目の指」の存在は公式設定ではなく、ファンの考察から生まれた説である