『呪術廻戦』の物語で、読者に圧倒的なインパクトを与えた最強の式神「摩虎羅」。
そして、その摩虎羅を巡る物語の中心にいるのが、呪いの王「両面宿儺」です。
「宿儺は摩虎羅をいつ調伏したんだろう?」という疑問は、多くのファンが抱くものでしょう。
この記事では、宿儺が摩虎羅を調伏した正確なタイミングから、渋谷事変でどうやって倒したのか、そして人外魔境新宿決戦で五条悟を相手にどのように活用したのかまで、関連する全ての情報を網羅的に解説します。
なぜ摩虎羅の調伏が「無理ゲー」とまで言われるのか、その理由やネットでの評価にも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
宿儺が摩虎羅を調伏したのはいつ?時系列で徹底解説
宿儺は摩虎羅をどうやって倒した?渋谷事変での攻略法
宿儺が渋谷事変で摩虎羅を倒した方法は、呪いの王ならではの圧倒的な戦闘知性と火力によるものでした。
その攻略法は、一言で言えば「摩虎羅が適応を完了する前に、再生能力を遥かに凌駕する手数と火力で一撃の下に消滅させる」というものです。
摩虎羅の最も恐ろしい能力は、自身が受けたあらゆる事象を解析し、耐性を持ってしまう「適応能力」にあります。
一度適応された攻撃は二度と通用しなくなり、それどころか相手の術式を利用した反撃まで繰り出すようになります。
宿儺は摩虎羅と対峙してすぐに、この能力の本質を見抜きました。
中途半端な攻撃を繰り返せば、いずれ手札が尽きて敗北することを瞬時に理解したのです。
そこで宿儺が選択した最適解が、領域展開「伏魔御厨子」でした。
この領域は、結界で空間を分断しない代わりに、最大半径200メートルという広大な範囲に必中効果を及ぼします。
その効果とは、範囲内の呪力を帯びたモノ(捌)と呪力のないモノ(解)を、術式が尽きるまで無数の斬撃で切り刻み続けるというものです。
これは一点を狙う「線」の攻撃ではなく、空間全体を切り刻む「面」の攻撃であり、摩虎羅が再生しようにも、その全身が瞬時に無数の斬撃で切り刻まれ続けます。
結果として、摩虎羅は自慢の再生能力も適応能力も追いつく暇なく、塵となって消滅しました。
この勝利は、宿儺の桁外れの分析能力と、それを実行可能なだけの圧倒的な呪力・術式があったからこそ成し得た、まさに王の戦い方と言えるでしょう。
宿儺と摩虎羅の戦いは原作・アニメで何話?
宿儺と摩虎羅による圧巻のバトルシーンを、原作漫画やアニメで見返したい方も多いでしょう。
ここでは、該当する話数をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
メディア | 話数・巻数 | サブタイトル・収録巻 |
---|---|---|
原作漫画 | 117話~119話 | 渋谷事変㉟~㊲ |
単行本14巻 | ||
TVアニメ | 第2期 第17話 | 霹靂-弐- |
(通算41話) |
原作漫画では、単行本の14巻にこの戦いが収録されています。
伏黒恵が絶体絶命の状況で摩虎羅を召喚する117話から、宿儺が登場し戦闘を開始する118話、そして「伏魔御厨子」で決着がつく119話まで、息もつかせぬ展開が続きます。
文字と絵だけでも、その絶望感と迫力が十分に伝わってきます。
一方、TVアニメ版では、第2期「渋谷事変」の第17話(シリーズ通算41話)「霹靂-弐-」でこの戦いが描かれました。
アニメ版のクオリティは凄まじく、原作のスピード感や絶望感を、圧倒的な作画、色彩、音響、そして声優陣の熱演によって、さらに高いレベルへと昇華させています。
特に、夜の渋谷を舞台に、無数の斬撃が摩虎羅を切り刻むシーンの映像美は圧巻の一言です。
まだ見ていない方はもちろん、一度見た方も、この神回とも言えるエピソードを再度視聴することをおすすめします。
なぜ摩虎羅の調伏は無理ゲーと言われるのか?
作中で「歴代の十種影法術師の中で、誰一人として摩虎羅を調伏できた者はいなかった」と語られている通り、その調伏は「無理ゲー」とまで評されます。
その理由は、単にパワーが強いからという単純なものではなく、複数の凶悪な能力が絶妙に組み合わさっている点にあります。
圧倒的な基礎スペック
まず、摩虎羅は基本性能が異常に高いです。
特級呪霊を一撃で吹き飛ばすほどのパワー、並大抵の攻撃ではびくともしないタフネス、そして腕に装備された「退魔の剣」は正のエネルギーを帯びており、呪霊や呪術師に対して特攻効果を持ちます。
これに加えて、多少のダメージは即座に回復する超再生能力も備えています。
この時点で、多くの術師にとっては相手にするのも困難な存在です。
究極の後出しジャンケン「適応能力」
そして、摩虎羅を「無理ゲー」たらしめる最大の要因が、この「適応能力」です。
この能力の厄介な点は、以下の二つに集約されます。
一つ目は、どんなに強力な術式であっても、一度耐えきられてしまえば二度と通用しなくなることです。
術師は戦いの中で、自分の持つ攻撃手段(手札)が一つ、また一つと封じられていく絶望的な状況に追い込まれます。
二つ目は、適応後は相手の術式を解析し、それを応用した攻撃を返してくる点です。
例えば斬撃に適応すれば、より鋭い斬撃を放ってくるようになります。
つまり、戦えば戦うほど相手は自分の弱点を突いてくるようになり、自身の術式によって敗北するという、極めて理不尽な展開を強いられるのです。
これらの能力を前にした術師が勝つためには、「適応が完了する前に、再生能力を上回る初見の超火力で一撃で倒す」しかありません。
この無茶な条件を満たせる術師は、作中でも五条悟や両面宿儺などごく一部に限られます。
これが、摩虎羅の調伏が「無理ゲー」と呼ばれる所以なのです。
宿儺は摩虎羅の調伏にフーガを使ったのか?
宿儺が持つ技の中には、渋谷事変で漏瑚を焼き尽くした炎の術式「■開(フーガ)」があります。
では、宿儺が正式に摩虎羅を調伏した際、この強力な「フーガ」は使われたのでしょうか。
結論から言うと、宿儺が調伏の儀で「フーガ」を使った可能性は低いと考えられます。
その理由は、確実性の問題にあります。
「フーガ」は、対象に向かって強力な火矢を放つ技で、その威力は特級呪霊である漏瑚を一撃で消し炭にするほど絶大です。
しかし、これは単発高火力の技です。
もし、この一撃で摩虎羅を完全に仕留めきれなかった場合、何が起こるでしょうか。
摩虎羅は即座に炎の攻撃に適応してしまいます。
そうなれば、宿儺の強力な切り札である「フーガ」は二度と通用しなくなり、逆に炎への耐性を持った摩虎羅と戦わなければならなくなります。
これは宿儺にとって、非常にリスクの高い選択と言えるでしょう。
一方で、領域展開「伏魔御厨子」は、渋谷事変で摩虎羅に対して有効であることが既に証明されています。
持続的かつ広範囲への飽和攻撃は、摩虎羅の再生と適応のループを断ち切るのに最も適した手段です。
合理的な判断を下す宿儺が、より確実性の高い方法を選ぶとすれば、再び「伏魔御厨子」を使って調伏したと考えるのが自然な流れです。
もちろん、宿儺ほどの術師であれば、我々の想像もつかない方法で「フーガ」を応用して調伏した可能性もゼロではありません。
しかし、作中で示された情報から判断する限り、「伏魔御厨子」による再現性の高い攻略法を用いたと考えるのが、最も説得力のある推測となります。
「宿儺が摩虎羅を調伏したのはいつか」から見る深掘り考察
宿儺と摩虎羅の戦いに対するなんjなどでの評価
摩虎羅の登場と、それを圧倒する宿儺の戦いは、連載当時、インターネット上のファンコミュニティ、特に「なんでも実況J(なんj)」などで爆発的な話題を呼びました。
当時の反応は、主に三つのパターンに分けられます。
「絶望の象徴」としての登場
まず最も多かったのが、摩虎羅の理不尽な強さに対する驚きと恐怖の声です。
「こんなのどうやって勝つんだよ」「絶望感が半端ない」「伏黒がとんでもないもん出した」といった書き込みが溢れ、読者全員がその圧倒的な存在感に打ちのめされました。
それまで強敵として描かれてきた特級呪霊すら赤子扱いするパワーと、あらゆる攻撃を無効化する適応能力は、まさに「絶望の象徴」として読者の目に映ったのです。
宿儺の「格」を再認識させる存在
次に、その絶望をいとも簡単に覆した宿儺に対する再評価です。
「この化け物を初見で攻略する宿儺がおかしい」「まさに王の戦い方」「格が違いすぎる」といった声が相次ぎました。
摩虎羅は、宿儺が他の特級呪術師や特級呪霊とは一線を画す、別次元の存在であることを読者に知らしめる最高の「かませ犬」ならぬ「かませ神」として機能しました。
この戦いを通じて、宿儺の底知れない強さとカリスマ性が、より一層際立つことになったのです。
「最強の後出しジャンケン」というミーム化
そして、摩虎羅の「適応能力」は、そのチート級の性能からネットミームとしても定着しました。
「最強の後出しジャンケン」「適応完了しました(ニチャア)」などとネタにされ、様々な作品の強さ議論において、「〇〇は強いけど、摩虎羅に適応されたら終わり」といった形で引き合いに出されるようになりました。
また、「五条先生ならどうやって倒す?」「無量空処は効くのか?」といった、五条悟との対戦を想定した議論も活発に行われ、摩虎羅は作中のパワーバランスを測る上で、非常に重要な指標となったのです。
フィジカルギフテッドでも摩虎羅の調伏は無理なのか?
天与呪縛によって呪力を持たない代わりに、超人的な身体能力を得た「フィジカルギフテッド」の禪院甚爾や禪院真希。
彼らであれば、呪術に頼らずとも摩虎羅を調伏できたのでしょうか。
この問いに対する答えは、甚爾や真希であっても単独での調伏は極めて困難、ほぼ不可能と言わざるを得ません。
確かに、フィジカルギフテッドには有利な点もあります。
彼らの攻撃は純粋な物理攻撃であり、特に魂を直接切り裂く特級呪具「釈魂刀」などを用いれば、序盤は摩虎羅に有効打を与えられる可能性はあります。
また、呪力を持たないため、呪力探知に引っかからず奇襲を仕掛けやすいのも利点です。
しかし、それを上回る不利な点が多すぎます。
最大の問題は、摩虎羅が術式だけでなく、物理的な打撃や斬撃にも適応することです。
たとえ一度刃を通せたとしても、次は皮膚が鋼のように硬化して通じなくなる、といった事態が容易に想像できます。
さらに、彼らには宿儺の「伏魔御厨子」や五条の「無量空処」のような、広範囲を一掃する「初見殺し」の決定打がありません。
そして、摩虎羅は驚異的な再生能力でダメージを回復し続けますが、甚爾や真希は(真希が強靭な肉体を手に入れたとはいえ)基本的には生身です。
長期戦になればなるほど消耗し、摩虎羅が適応を完了してフィジカルギフテッドの身体能力を上回る攻撃を繰り出すようになれば、万事休すでしょう。
彼らの強さは対「術師」において絶大な効果を発揮しますが、規格外のルールを持つ摩虎羅との相性は、残念ながら最悪に近いと言えます。
宿儺の切り札、摩虎羅と五条悟との関係性
宿儺にとって摩虎羅は単なる強力な式神ではなく、最強のライバルである五条悟を攻略するための「切り札」でした。
そして、摩虎羅と五条悟の間には、過去からの因縁が存在します。
作中では、江戸時代の慶長年間に、当時の五条家当主(無下限呪術の使い手)と禪院家当主(十種影法術の使い手)が御前試合で激突し、相打ちとなって死亡したという過去が語られています。
この時、追い詰められた禪院家の術師が摩虎羅を調伏の儀に巻き込み、道連れにしたとされています。
この歴史的な因縁から、五条悟も摩虎羅の存在と危険性を深く認識していました。
では、現代最強の術師である五条悟なら、摩虎羅を倒せたのでしょうか。
その答えはイエスであり、彼には宿儺とは異なる攻略法があります。
最も有力な手段は、領域展開「無量空処」です。
これは、領域内の相手に知覚や伝達といった生きるための行為を無限回強制し、脳を情報でオーバーフローさせて行動不能にする技です。
物理的な破壊ではないため、摩虎羅が「情報量」という概念に適応できるかは不明ですが、適応する前に脳機能が停止し、沈黙する可能性が極めて高いです。
事実、人外魔境新宿決戦において、宿儺自身も「無量空処をまともに食らえば、摩虎羅とて沈黙しただろう」と推測しており、これが天敵とも言える技であることが示唆されています。
このように、摩虎羅は五条家と禪院家の因縁の象徴であり、現代においては五条悟と宿儺という二大巨頭の戦いの行方を左右する、極めて重要な存在なのです。
もし宿儺が摩虎羅なしで五条と戦っていたら?
最後に、歴史的な一戦となった宿儺と五条悟の決戦について、「もし宿儺が摩虎羅を使えなかったらどうなっていたのか」というIFを考察します。
この視点は、宿儺の勝利における摩虎羅の重要性を理解する上で欠かせません。
結論から言えば、もし宿儺が摩虎羅なしで戦っていた場合、五条悟が勝利していた可能性が非常に高いです。
その理由は、宿儺が五条の「不可侵」を突破できなかったであろうことに尽きます。
五条悟の無下限呪術による「不可侵」は、自身に近づくものを無限の距離で停止させる絶対的な防御です。
宿儺はこの防御を破るために、摩虎羅を「手本(モデルケース)」として利用しました。
摩虎羅は法陣を回しながら五条の不可侵に何度も攻撃を試み、ついにその本質に適応します。
そして、術式の対象を五条悟本人ではなく、彼が存在する「空間」「世界」そのものに拡張することで、空間ごと断ち切る斬撃を放ち、五条にダメージを与えました。
宿儺はこの一連のプロセスを観察し、「なるほど、そう斬るか」と学習。
自身の斬撃「解」をそのレベルにまで昇華させ、最終的に五条悟を殺害するに至った「世界を断つ斬撃」を編み出したのです。
もし摩虎羅がいなければ、宿儺はこの攻略法を発見できず、五条の「不可侵」を前に有効打を失っていたでしょう。
また、領域展開の押し合いにおいても、摩虎羅は「無量空処」の効果を肩代わりする盾として機能し、宿儺のダメージを軽減しました。
この盾がなければ、宿儺は無量空処の必中効果を直接浴び、脳を破壊されて戦闘不能に陥っていた可能性が高いです。
これらの点から、宿儺が現代最強の術師・五条悟に勝利できた最大の要因は、「摩虎羅の適応能力を利用して、五条の無下限呪術を攻略する術を学習できたから」に他なりません。
摩虎羅は文字通り、宿儺に勝利をもたらした最高の切り札だったのです。
まとめ:宿儺が摩虎羅をいつ調伏したか、その全貌
- 宿儺が摩虎羅を調伏したのは伏黒恵の肉体受肉後から五条戦までの間である
- 渋谷事変では調伏ではなく、儀式の参加者として撃破した
- 渋谷での攻略法は領域展開「伏魔御厨子」による飽和攻撃であった
- 摩虎羅の調伏が無理ゲーなのは「適応能力」と「高い基礎スペック」が理由である
- 調伏の儀で炎の術式「フーガ」を使った可能性は低い
- フィジカルギフテッドでも物理攻撃に適応されるため調伏は極めて困難だ
- 原作漫画14巻、アニメ2期17話で宿儺と摩虎羅の戦いが描かれている
- 五条悟であれば領域展開「無量空処」で摩虎羅を攻略できた可能性が高い
- 五条戦での摩虎羅は「不可侵」を破るための手本として機能した
- 摩虎羅なしでは宿儺が五条に勝利することはほぼ不可能であった