近畿地方のある場所についてのダムとは？滝畑ダムの謎を考察

2025年6月28日

「近畿地方のある場所について」という、どこか不穏な響きを持つ言葉に興味を引かれた方もいるのではないでしょうか。

この言葉の正体は、ウェブ上で発表されて以来、その底知れない恐怖で多くの読者を虜にしているホラー小説です。

物語の舞台とされる「ある場所」、特に象徴的に描かれる「ダム」のモデルが実在するのではないかと、様々な考察が飛び交っています。

この記事では、小説『近畿地方のある場所について』のモデルと噂されるダムの場所に迫り、物語のネタバレや実話との関連性、そして無料で作品と舞台を楽しむ方法まで、網羅的に解説していきます。

リンク

近畿地方のある場所についてのダムとは？その正体と核心

近畿地方のある場所についての「場所はどこか」を解説

『近畿地方のある場所について』で描かれる不気味な舞台、その場所はどこなのかという疑問に対して、結論から言えば、大阪府河内長野市に位置する「滝畑ダム」が最も有力な候補地とされています。

なぜなら、小説内で描写される山深く、ダムとトンネルが存在する閉鎖的な環境が、滝畑ダム周辺の地理的特徴と多くの点で一致するためです。

物語は、具体的な地名を明かさずに進行しますが、読者はその描写から現実の場所を特定しようと試みます。

その中で、関西圏にあり、作中の雰囲気を色濃く反映している場所として、滝畑ダムの名前が挙がりました。

もちろん、作者である背筋氏は特定の場所をモデルにしたとは公言していません。

そのため、これはあくまで読者の考察に基づく推論です。

他の候補として、同じく関西の心霊スポットとして名高い「生駒山」周辺が挙げられることもあります。

しかし、物語の核心的な装置である「ダム」の存在が、滝畑ダムをモデルとする説をより強力なものにしています。

このように、多くの読者が小説の世界と現実の場所を結びつけ、その恐怖をより深く味わっているのです。

近畿地方のある場所についてのモデルと有力視される根拠

『近畿地方のある場所について』のモデルとして滝畑ダムが有力視される根拠は、単なる地理的な類似点だけではありません。

その最大の理由は、滝畑ダムが古くから持つ「負のイメージ」と、実際に起きた事件や事故の存在です。

小説はフィクションでありながら、モキュメンタリー（ドキュメンタリー風のフィクション）という手法で書かれています。

これにより、読者はまるで現実の出来事を追っているかのような錯覚に陥ります。

この作品のリアリティを補強しているのが、滝畑ダムにまつわる数々の不気味な噂です。

例えば、滝畑ダムは関西地方では有名な心霊スポットとして知られています。

「自殺の名所である」という都市伝説や、過去には遺体遺棄事件の現場となったという事実もあります。

さらに、ダム周辺には「存在しないはずの第三トンネル」にまつわる怪談が存在し、多くのオカルトファンを引きつけてきました。

こうした現実の背景が、小説で描かれる陰鬱で不穏な雰囲気と見事に合致するのです。

フィクションの物語に、現実の場所が持つ闇の歴史や噂が重なることで、読者は「もしかしたら、この物語は本当のことなのかもしれない」という、より生々しい恐怖を感じることになります。

これが、滝畑ダムがモデルとして最有力視される、何よりの根拠と言えるでしょう。

近畿地方のある場所についての実話といわれる理由

この小説が「実話ではないか」と囁かれるようになった背景には、2016年に滝畑ダムで実際に起きた、ある痛ましい事故が大きく影響しています。

結論として、この事故の存在が、フィクションであるはずの物語に、無視できないほどのリアリティを与えてしまったのです。

2016年5月29日の深夜、バーベキューを楽しんだ帰りの男性6人が乗ったワゴン車が、滝畑ダムの湖畔道路から約10メートル下のダム湖に転落しました。

この事故で5人が死亡し、1人が重体となる大惨事となりました。

報道によると、現場の道路脇にはガードレールではなくワイヤー式のフェンスしかなく、車はそれを突き破って転落したとされています。

また、現場にブレーキをかけた痕跡がなかったことも報じられ、事故の不可解さを際立たせました。

小説『近畿地方のある場所について』の中には、怪異に導かれた人物がダムに身を投げる描写があります。

この作中の出来事と、現実世界で起きた不可解な転落死亡事故が、読者の頭の中で不気味に結びついてしまいました。

もちろん、作者がこの事故を直接の元ネタにしたわけではないでしょう。

しかし、物語に描かれた「ダムでの死」と、実際に起きた「ダムでの死」が偶然にも重なったことで、「小説は実話に基づいている」という都市伝説が生まれる土壌となったのです。

このように、現実の悲劇がフィクションの恐怖を増幅させるという現象が、この作品を語る上で欠かせない要素となっています。

近畿地方のある場所についてのネタバレを含むあらすじ

『近畿地方のある場所について』の物語の核心に触れるため、ここからはネタバレを含むあらすじの解説となります。

この物語は、オカルト雑誌の編集者であった友人が行方不明になり、彼が遺した「ある場所」に関する膨大な調査資料を、主人公であるフリーライターが読み解いていく、という形式で進みます。

資料は、掲示板への書き込み、手紙、報告書、インタビュー記録など、様々な形式の断片的な情報で構成されています。

読者は主人公と共に、バラバラの情報を繋ぎ合わせ、事件の真相に迫っていくことになります。

物語の中心にあるのは、「白い大きな怪物」や「まっしろさん」と呼ばれる謎の怪異です。

この怪異は、特に女性や子供を「柿があるからおいで」などと誘い、山の中へ連れ去るとされています。

また、物語のもう一つの軸として、子供を亡くした母親が傾倒していく「スピリチュアルスペース」という名のカルト教団の存在が描かれます。

この教団は、「白い大きな怪物」と何らかの関わりがあるとされ、物語の謎を一層深めています。

調査を進める中で、関係者は次々と謎の失踪を遂げたり、不幸な目に遭ったりしていきます。

そして、資料の随所に現れる「見つけてくださってありがとうございます」という不気味な一文が、この調査自体が危険な呪いを引き起こす行為であることを示唆するのです。

最終的に、明確な解決が示されることなく物語は幕を閉じ、真相は読者の解釈に委ねられます。

この結末が、尽きることのない恐怖と考察を生み出しているのです。

近畿地方のある場所についてのダムに関する考察と詳細

近畿地方のある場所についての滝畑ダムとの奇妙な共通点

小説で描かれる怪異と、モデルとされる滝畑ダムに伝わる心霊現象には、直接的なものではないものの、考察を深めることで見えてくる奇妙な共通点が存在します。

これらの共通点を比較することで、なぜ多くの読者がこの二つを結びつけてしまうのかが、より明確に理解できるでしょう。

主な共通点を以下の表にまとめました。

小説の要素	滝畑ダムの噂・事実	共通する「恐怖の核」
白い大きな怪物（山へ誘う怪異）	女性や老婆の霊の目撃談が多数	山や水辺という場所が持つ「人を誘い込む」性質
ダムへの身投げ	自殺の名所という噂、実際の転落死亡事故	ダムという巨大な人工物が喚起する「死」のイメージ
不気味なトンネルの描写	存在しないはずの「第三トンネル」の都市伝説	日常と非日常を繋ぐ「異界への入り口」としてのトンネル
カルト教団の存在	特定の教団の噂はないが、心霊スポットへの関心	人智を超えた存在への畏怖や信仰心が暴走する可能性
呪いの連鎖	訪問者が不幸に見舞われるという心霊スポットの噂	「関わってはいけない」というタブーを犯すことへの恐怖

山に潜む「何か」という共通点

小説の中心的な怪異「白い大きな怪物」は、人を山の中へ誘い込みます。

一方、滝畑ダムでは、特定の姿形を持った怪物ではなく、「女性の霊」や「老婆の霊」が目撃されるという噂が主流です。

一見すると関連性は薄いように思えますが、「山や水辺に潜む何者かが、人間を異界へ引きずり込もうとする」という恐怖の構造は共通しています。

古くから日本で語り継がれてきた神隠しや、水難事故にまつわる伝承とも通じる、根源的な恐怖と言えるかもしれません。

「死」と直結する場所としてのダム

作中、ダムは登場人物の終着点、つまり「死の場所」として描かれます。

これは、滝畑ダムが「自殺の名所」と噂され、実際に転落死亡事故が起きているという現実と、あまりにも強く共鳴します。

巨大なコンクリートの壁と、深くよどんだ湖水というダムの光景は、それ自体が人々に「死」を連想させやすいのかもしれません。

フィクションと現実が「ダムでの死」という一点で交差する、これが最も強烈な共通点です。

近畿地方のある場所についての読者による深い考察

『近畿地方のある場所について』は、多くの謎を残したまま終わるため、読者の間では今なお活発な考察が交わされています。

ここでは、インターネット上でよく見られる代表的な考察テーマをいくつか紹介します。

これらの考察を知ることで、物語をより多角的に楽しむことができるでしょう。

「白い大きな怪物」の正体についての考察

最も多くの議論を呼んでいるのが、中心的な怪異である「白い大きな怪物（まっしろさん）」の正体です。

一つの説として、古くからその土地に存在する「山の神」や「土地神」のような、自然神ではないかという考察があります。

作中で「柿をあげる」と誘うのは、山の恵みを与える代わりに、何か（生贄や身代わり）を要求する古来の信仰の形骸化した姿なのかもしれません。

別の説では、ダム建設や周辺の事件で亡くなった人々の怨念が集合した、祟り神のような存在ではないかとも考えられています。

この場合、ダムという人工物によって自然のバランスが崩された結果、生まれた怪異と解釈することもできます。

「見つけてくださってありがとうございます」の意味

物語を貫くこの不気味な言葉の意味についても、様々な解釈が可能です。

最もストレートな解釈は、「呪いに巻き込まれる新たなターゲットを見つけた」という、怪異側からの歓迎の言葉（＝呪いの宣告）とするものです。

調査に関わることで、次の犠牲者として選ばれてしまったことを意味します。

一方で、より複雑な解釈もあります。

例えば、怪異に囚われてしまった魂が、自分たちの存在に気づいてくれたことへの感謝を示しているのではないか、という説です。

この場合、感謝の言葉は、同時に「自分たちの苦しみを代わりに引き受けてほしい」という救済の要求を含んでいるのかもしれません。

このように、一つの言葉が持つ意味を深く考えることも、この作品の醍醐味の一つです。

近畿地方のある場所についてのダム情報と心霊の噂

物語のモデルとされる滝畑ダムですが、その実像は心霊スポットという一面だけではありません。

ここでは、大阪府民の生活を支える重要なインフラとしての顔と、まことしやかに囁かれる心霊の噂という、二つの側面から滝畑ダムを解説します。

滝畑ダムの本来の役割と概要

滝畑ダムは、大和川水系石川の上流に建設された、大阪府内で最大規模を誇る多目的ダムです。

1981年に完成し、主な目的は以下の通りです。

洪水調節: 大雨の際に下流の河川が氾濫しないよう、一時的に水を貯め込みます。
流水の正常な機能の維持: 川の水量が少なくなる時期でも、安定した水量を保ちます。
水道用水の供給: 大阪府南部地域へ、大切な飲み水を供給しています。

ダムの堤体（ていたい）は緩やかなカーブを描く重力式コンクリートダムで、その高さは62メートルにも及びます。

ダムを訪れると、管理事務所で「ダムカード」を無料でもらうこともできます。

また、ダムの周辺は自然公園として整備されており、キャンプ場や遊歩道、渡り鳥の飛来地としても知られ、市民の憩いの場となっています。

決して無視できない心霊スポットとしての顔

前述の通り、滝畑ダムは関西屈指の心霊スポットとしても非常に有名です。

最も有名な都市伝説は「滝畑第三トンネル」の噂でしょう。

実際には第一と第二トンネルしか存在しないにもかかわらず、「第三のトンネルに入ると異界に迷い込む」「首のないライダーの霊が出る」といった怪談が後を絶ちません。

この「存在しないはずの場所」の噂が、人々の恐怖心を掻き立てるのです。

他にも、ダム湖に架かる橋での女性の霊の目撃談や、「ダムに引きずり込まれそうになった」といった体験談も数多く語られています。

これらの噂と、実際にあった事件や事故が結びつき、滝畑ダムのミステリアスなイメージを形成しているのです。

近畿地方のある場所についてを無料で楽しむ方法

『近畿地方のある場所について』の恐怖の世界は、意外にもお金をかけずに楽しむ方法がいくつかあります。

ここでは、原作小説を無料で読む方法と、モデルとされる滝畑ダムを訪れる際の情報を紹介します。

原作小説はウェブサイト「カクヨム」で無料公開中

この物語が世に出るきっかけとなったのが、ウェブ小説投稿サイト「カクヨム」です。

作者である背筋氏の意向により、原作小説は書籍化された現在でも、「カクヨム」上で全編無料で公開されています。

会員登録なども不要で、誰でも気軽にパソコンやスマートフォンから読むことが可能です。

書籍版では加筆修正や後日談が追加されている場合もありますが、物語の根幹となる恐怖は、無料公開版でも十分に味わうことができます。

まずは一度、オリジナルのテキストに触れてみることをお勧めします。

滝畑ダムへのアクセスと注意点

物語の舞台の雰囲気を感じるために、モデルとされる滝畑ダムを訪れることもできます。

入場料・駐車場: 滝畑ダムの入場料は無料です。また、ダムの近くには約25台分の無料駐車場も完備されています。
公共交通機関でのアクセス: 電車とバスを利用する場合、南海高野線「河内長野駅」で下車し、そこから南海バスの「滝畑ダム」行きに乗車します。「滝畑ダムサイト」バス停で降りるとダムは目の前です。所要時間は約45分で、運賃は片道560円程度です（2025年6月時点）。
訪問時の注意点: 滝畑ダムは心霊スポットとして有名ですが、本来は公共の施設であり、周辺住民の生活の場でもあります。夜間に大声で騒ぐ、ゴミをポイ捨てするなど、迷惑行為は絶対にやめましょう。また、ダム周辺は街灯が少なく、夜道は非常に危険です。特に興味本位で夜間に訪れることは、事故やトラブルの原因となるため、強くお勧めしません。訪れる際は、節度とマナーを守って行動することが大切です。