『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』では、魔術にも明確な階級や発動方法があります。
魔術の階級は「初級・中級・上級・聖級・王級・帝級・神級」の7段階。ルーデウスが得意とする無詠唱魔術は、この階級とは別の「魔術を発動する技術」です。さらにキシリカから授かった予見眼のように、通常の魔術とは異なる「魔眼」も存在します。
特に分かりにくいのが、「無詠唱なら高ランクなのか」「予見眼は魔術なのか」「水王級などの呼び方は何を意味するのか」という部分でしょう。
魔術の種類と階級、無詠唱が成立する仕組み、ルーデウスが治癒魔術だけ無詠唱にできない理由、魔眼や乱魔(ディスタブ・マジック)まで順番に紹介します。
無職転生の魔術は魔力を使って現象を起こす技術
『無職転生』の魔術は、体内などにある魔力を使ってさまざまな現象を起こす技術です。
幼少期のルーデウスが読む魔術教本では、大きく「攻撃魔術」「治癒魔術」「召喚魔術」の3種類として説明されています。物語が進むと、解毒魔術・神撃魔術・結界魔術など、さらに細かな分野も登場します。
攻撃魔術は水・火・風・土などを操る
ルーデウスが最初に学ぶのが攻撃魔術です。
代表的なのは水・火・風・土の各系統で、水弾を飛ばす「ウォーターボール」などが初級魔術に位置します。
単に火や水を作るだけではありません。
ルーデウスは無詠唱によって生成する物質の形、大きさ、速度などを細かく操作し、土魔術を岩砲弾や人形製作に応用しています。
同じ系統の魔術でも、術者の技量によって使い方は大きく変わります。
治癒魔術は傷を治すための魔術
治癒魔術は、負傷した身体を回復させる魔術です。
ルーデウスの母ゼニスも治癒魔術を扱い、シルフィも高い適性を持っています。
攻撃魔術と違うのは、対象となる人物へ魔力を流し、その魔力の流れへ干渉することで傷を治している点です。
この違いが、後述する「ルーデウスは攻撃魔術を無詠唱にできるのに、治癒魔術は無詠唱にできない」という現象にもつながっています。
召喚魔術や結界魔術は魔法陣を使うことが多い
魔術の発動方法は、大きく「詠唱」と「魔法陣」があります。
攻撃魔術や治癒魔術では詠唱が広く使われていますが、複雑な術式が必要な召喚魔術では魔法陣が中心です。
作中でもナナホシが召喚・転移研究を進める際、まず魔法陣の仕組みを研究しています。
また結界魔術も魔法陣との結びつきが強く、攻撃を防ぐ魔力障壁などが存在します。
無職転生の魔術階級は初級から神級まで7段階
『無職転生』の魔術には7段階の階級があります。
低い順に「初級→中級→上級→聖級→王級→帝級→神級」です。魔術師の強さを考えるうえでよく登場する基準ですが、単純な戦闘力ランキングではありません。
| 階級 | 位置づけ |
|---|---|
| 初級 | 魔術を学び始める基本段階 |
| 中級 | 初級より高度な魔術 |
| 上級 | 一人前の魔術師を判断する目安になる階級 |
| 聖級 | 上級を超えた高位魔術 |
| 王級 | 聖級よりさらに高度な魔術 |
| 帝級 | 神級に次ぐ非常に高い階級 |
| 神級 | 魔術体系の最高位 |
上級まで使えれば一人前の魔術師とされる
原作Web版の魔術教本では、得意な系統で上級まで扱えることが、一人前の魔術師の一つの目安として説明されています。
すべての系統を上級まで使える必要はありません。
得意属性では上級、ほかの属性では初級や中級という魔術師も珍しくないため、「水魔術は強いが火魔術はそれほど得意ではない」といった個人差が生まれます。
「水聖級」「水王級」は得意系統と階級を組み合わせた呼び方
聖級以上になると、「水聖級魔術師」「水王級魔術師」のように系統と階級を組み合わせて呼ばれます。
ロキシーも長く「水聖級魔術師」として知られていました。
また、剣術にも初級から神級まで似た階級がありますが、呼び方には違いがあります。
魔術師なら「水聖級」、水神流の剣士なら「水聖」のように、魔術では「級」を付けるのが一般的です。
帝級はどれくらい高い?
帝級は王級の一つ上、神級の一つ下です。
7段階のうち6番目にあたるため、極めて高い階級になります。
ただし、「帝級魔術を使える人物なら王級剣士に必ず勝てる」といった単純な比較はできません。
詠唱時間、射程、魔力量、戦闘経験、相手との距離によって実戦での強さは変わります。
ルーデウス自身も非常に大きな魔力を持っていますが、高速で接近してくる上位剣士との戦いでは別の対策を必要としています。
無詠唱魔術とは?詠唱なしで魔術を発動できる仕組み
無詠唱魔術とは、その名の通り呪文を唱えずに魔術を発動する技術です。
ただし「無詠唱」という名前の特別な魔術が存在するわけではありません。
通常は詠唱が補助してくれる魔術構築の工程を、術者自身が直接操作していると考えると分かりやすいでしょう。
詠唱は魔術の発動工程を自動化している
幼いルーデウスは水魔術を練習する過程で、詠唱による攻撃魔術が大まかに、
「生成→大きさの設定→射出速度の設定→発動」
という流れで成立していると推測します。
詠唱を使えば、この一連の工程をある程度自動的に進められます。
一方、無詠唱では魔力の流れを自分で操作し、生成する形や大きさ、速度まで直接調整します。
そのぶん難易度は高いものの、詠唱を待つ必要がなく、さらに通常の術式にない調整もしやすくなります。
ルーデウスが無詠唱を使えるのは幼少期から仕組みを体で覚えたため
ルーデウスは、最初に詠唱してウォーターボールを使った際の感覚を再現することで、幼児の段階から無詠唱魔術を習得しました。
その後も何度も魔術を使いながら、魔力をどのように動かせば現象が起きるのかを体で覚えています。
無詠唱は誰でも簡単にできる技術ではありません。
ザノバはルーデウスから無詠唱を教わろうとしますが、魔力操作そのものをうまく行えず、習得できませんでした。ロキシーも実力の高い魔術師ですが、無詠唱を使うことはできません。
一方で、シルフィは幼いころにルーデウスから魔術を教わり、無詠唱を使えるようになります。
物語後の記録では、ルーデウスの無詠唱方式をロキシーが体系化し、教育方法として広まったことも語られています。
無詠唱だから神級というわけではない
無詠唱と魔術階級は別の基準です。
初級魔術でも無詠唱にできますし、高位魔術だからといって自動的に無詠唱になるわけでもありません。
たとえばロキシーは高位の水魔術を扱えますが、無詠唱ではなく詠唱を短縮することで発動速度を上げています。転移迷宮でも、詠唱短縮によって複数の上級魔術を素早く使っています。
「階級=魔術そのものの難易度や規模」
「無詠唱=魔術を発動する技術」
と考えると混同しにくくなります。
ルーデウスはなぜ治癒魔術を無詠唱で使えない?
ルーデウスは攻撃魔術を自由自在に無詠唱で使えますが、治癒魔術については事情が異なります。
シルフィから無詠唱治癒を教えてもらっても、ルーデウスは習得できませんでした。
原因として作中で示されるのが、治癒される側の魔力の流れをルーデウスが感知できないことです。
攻撃魔術と治癒魔術では必要な感覚が違う
攻撃魔術では、自分の魔力を動かし、外部に現象を作ります。
ルーデウスはこの魔力操作を感覚的に把握できるため、詠唱なしでも再現できます。
一方、治癒魔術では自分から対象へ魔力を流し、相手側の魔力へ働きかけます。
ルーデウスは自分から流す側の感覚は分かっても、魔力を受けている側で何が起きているのかを十分に感じ取れません。
そのため、詠唱が行っている工程を完全に手動化できないわけです。
シルフィは無詠唱の治癒魔術を使えるため、単純に「治癒魔術は無詠唱にできない」という設定ではありません。
無職転生の魔眼とは?キシリカが与える特殊な眼
魔眼は通常の魔術とは異なり、眼そのものに特殊な能力を持たせる力です。
魔界大帝キシリカ・キシリスは複数の魔眼を持ち、他者の眼を魔眼へ変えることもできます。ルーデウスもキシリカとの出会いによって魔眼を手に入れました。
ルーデウスの魔眼は「予見眼」
ルーデウスがキシリカからもらったのは「予見眼」です。
名前の通り、少し先の未来を見ることができます。
ルーデウスが検証した結果、実戦で安定して扱いやすいのは約1秒先でした。
より多くの魔力を込めればさらに先まで見ることもできますが、未来が複数に分岐して重なって見えるようになり、脳への負担も大きくなります。
予見眼は見ていない場所の未来までは分からない
予見眼は万能な未来予知ではありません。
ルーデウス自身が語っているように、視界に入っていない場所の未来を見ることはできません。
そのため戦闘では、敵や仲間を視界に収められる位置を取ることも予見眼を活用するうえで大きな意味を持ちます。
エリスのような高速の剣士を相手にする場合でも、わずかに先の動きを知れるだけで対応力は大きく変わります。
ただし、未来が見えたからといって身体能力まで上昇するわけではないため、反応できないほど速い相手には予見眼だけで勝てるわけではありません。
魔眼には予見眼以外もある
魔眼は予見眼だけではありません。
たとえばクリフはキシリカから「識別眼」を与えられています。
識別眼は、キシリカが知識として把握している範囲で、見た物が何なのかを読み取れる魔眼です。取得直後のクリフは情報が大量に見えてしまい、うまく制御できず苦労しています。
魔眼は強力ですが、手に入れればすぐ自在に使えるわけではなく、能力に応じた制御訓練も必要です。
乱魔(ディスタブ・マジック)は相手の魔術を妨害する
ルーデウスの戦闘で重要になる特殊技術の一つが「乱魔(ディスタブ・マジック)」です。
最初にルーデウスへ使ったのはオルステッドです。
発動しかけた魔術へ別の魔力を干渉させ、魔術が形になる前に構築を崩します。
魔術が完成する前の魔力をかき乱す
ルーデウスはオルステッド戦の後、乱魔を自分で再現しようとします。
仕組みとしては、術者の手などから放出され、魔術として形を作ろうとしている魔力へ別の魔力をぶつけて乱し、完成を妨げるものです。
魔術師同士の戦いでは非常に強力で、相手の攻撃魔術そのものを発動前に潰せる可能性があります。
後にルーデウスはシルフィにも乱魔を教えています。シルフィもその仕組みを理解し、習得へ近づいていました。
乱魔にも弱点はある
乱魔を使えば、すべての魔術を完全に封じられるとは限りません。
オルステッドがルーデウスへ乱魔を使った際も、ルーデウスはもう片方の手から別の魔術を構築しています。
つまり、どこで魔術を作っているかを見極め、その構築中の魔力へ正しく干渉する必要があります。
魔術を無効化する強力な技術ではありますが、相手との技量差や使い方によって結果は変わります。
無職転生の魔術階級は7段階!無詠唱と魔眼は別の能力
『無職転生』の魔術階級は、初級・中級・上級・聖級・王級・帝級・神級の7段階です。
ただし、無詠唱は8番目の階級ではありません。
詠唱によって自動化されている魔術構築を、自分自身の魔力操作で行う発動技術です。ルーデウスやシルフィは無詠唱を扱えますが、実力者であるロキシーでも無詠唱を使えないことから、魔術階級とは別の才能・訓練分野であることが分かります。
一方の魔眼も通常の魔術とは別物です。
ルーデウスの予見眼は視界内の少し先を見る能力で、実戦では約1秒先を読む使い方が中心になります。
さらに乱魔(ディスタブ・マジック)のように相手の魔術構築そのものを妨害する技術も存在し、『無職転生』の戦闘は単純に「高い階級の魔術を使える方が勝つ」という仕組みではありません。
魔力量、詠唱速度、無詠唱、魔眼、距離、経験、相手との相性まで組み合わさることで、魔術師ごとの強さに大きな違いが生まれています。
