『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』に登場するフィリップ・ボレアス・グレイラットは、エリスの父親です。
フィットア領の城塞都市ロアで町長を務めており、豪快なサウロスや気性の激しいエリスとは違って、表面上は穏やかで落ち着いた人物として描かれています。
ただし、単なる優しい父親ではありません。アスラ王国の貴族らしく権力争いにも関わっており、優秀なルーデウスを高く評価する一方で、彼を将来のボレアス家の勢力争いに利用しようとするしたたかな一面もありました。
ここからはフィットア領転移事件後についても触れるため、フィリップやエリスの家族に関するネタバレを含みます。
無職転生のフィリップとは?エリスの父でロアの町長
フィリップのフルネームは「フィリップ・ボレアス・グレイラット」です。
アスラ王国の有力貴族であるボレアス・グレイラット家の一員で、フィットア領の中心都市ロアの町長を務めています。Web版原作でも、ルーデウスがフィリップについて「実はロアの町長という役職を持っている」と知る場面があります。
主な関係をまとめると、次のようになります。
| 人物 | フィリップとの関係 |
|---|---|
| サウロス・ボレアス・グレイラット | 父 |
| ヒルダ・ボレアス・グレイラット | 妻 |
| エリス・ボレアス・グレイラット | 娘 |
| ジェイムズ・ボレアス・グレイラット | 兄・家督争いの相手 |
| パウロ・グレイラット | 従兄弟 |
| ルーデウス・グレイラット | エリスの家庭教師として雇った人物 |
エリスが「ロアの町長の娘」であることはTVアニメ公式サイトでも紹介されています。
フィリップの人物像は?穏やかだが政治的にはかなりしたたか
フィリップは、ボレアス家の中では比較的落ち着いた人物です。
父サウロスは感情をそのまま表に出す豪快な性格で、娘エリスも幼少期は非常に気性が激しく、気に入らない相手にはすぐ手が出るタイプでした。それに対してフィリップは、感情よりも状況や利害を考えて行動する場面が目立ちます。
エリスの教育にはしっかり関わっている
フィリップはエリスを放任していたわけではありません。
ルーデウスを家庭教師として雇い、読み書きや算術を学ばせています。Web版原作では、歴史についてはフィリップ自身が時間のあるときに教えていたことも描かれています。
エリスが勉強から逃げ回っているときにも、フィリップはルーデウスへ「授業を受けさせるのも家庭教師の仕事」という態度を取り、読み書きや算術もしっかり教えるよう求めていました。
凶暴なエリスに手を焼いてはいるものの、娘の将来を考えて教育を受けさせようとしていた父親だと分かります。
貴族として情報を操ることにも慣れている
フィリップの特徴がよく表れているのが、エリスの誘拐事件後です。
事件が解決すると、フィリップはルーデウスの活躍をそのまま公表せず、ギレーヌが解決した形にしようとします。
ルーデウスという優秀な少年の存在を他のグレイラット家に知られると政治的に都合が悪いためで、単純に事件を処理していたわけではありません。
サウロスからは「娘を助けてもらった相手に貴族の芝居をさせるのか」と怒られていますが、フィリップ本人は殴られても冷静に対応しています。
豪快なサウロスとは対照的に、裏側で情報や人間関係を動かすタイプの貴族でした。
フィリップとルーデウスの関係|家庭教師以上の存在として評価していた
フィリップとルーデウスの関係は、最初は雇用主と家庭教師というものでした。
パウロとのつながりからルーデウスを受け入れ、エリスの教育を任せます。
ところが、ルーデウスが魔術だけでなく読み書きや算術にも優れ、暴れ者だったエリスとも関係を築いていくと、フィリップからの評価も大きく変わっていきました。
ルーデウスとエリスを結婚させようとしていた
フィリップは、ルーデウスとエリスを将来的に結婚させることまで考えていました。
転移事件後、旅を続けるルーデウス自身も「自分とエリスをくっつけようとしていたフィリップ達」を思い出しています。
これは単なる親心だけではありません。
フィリップはボレアス家内部の権力争いで兄ジェイムズに敗れており、政治的な再起を完全に諦めた人物ではありませんでした。後にアスラ王国の貴族たちも、フィリップならルーデウスのような優秀な人材を利用し、家督争いへ絡める可能性がある人物だと認識しています。
つまりフィリップにとってルーデウスは、
「娘を任せられる優秀な少年」
であると同時に、
「ボレアス家の将来を変えられる可能性を持つ人材」
でもあったと考えられます。
フィリップとエリスの家族関係
フィリップはエリスの父、ヒルダは母、サウロスは祖父にあたります。
ルーデウスがロアで暮らしていた時期のエリスは、フィリップとヒルダ、サウロスに囲まれたボレアス家の令嬢でした。
ただし、ボレアス家は一般的な仲の良い家庭というだけではなく、アスラ王国の有力貴族として複雑な家督争いも抱えています。
兄ジェイムズとはボレアス家の家督を争っていた
フィリップにはジェイムズという兄がおり、ボレアス家の後継を巡る権力争いではフィリップが敗れています。
Web版原作でも、転移事件後にジェイムズについて「フィリップと権力争いして勝った」人物と説明されています。
そのためフィリップがロアの町長として平穏に暮らしているように見えても、ボレアス家内部の政治から完全に離れていたわけではありません。
後のアスラ王国編でも、貴族たちがフィリップならジェイムズを失脚させるために裏から動いていても不思議ではないと疑うほど、政治的な人物として認識されていました。
フィリップは死亡する?転移事件後の最期
結論からいうと、フィリップはフィットア領転移事件によって死亡します。
妻ヒルダと一緒に転移し、二人ともエリスが故郷へ帰還する前に亡くなっていました。
Web版原作では、フィリップとヒルダは同じ紛争地帯へ転移し、そこで死亡したことが明かされています。ギレーヌも同じ地域へ飛ばされており、帰還途中に二人の遺体を発見しました。
ギレーヌがフィリップとヒルダの遺体を確認している
エリスが長い旅を終えてフィットア領へ戻った時点で、フィリップとヒルダの生存には期待できない状態でした。
ギレーヌが二人の遺体を直接確認しているため、行方不明のまま消息が途絶えたわけではありません。
さらに祖父サウロスもすでにいなくなっており、エリスは帰るべき家と家族を一度に失うことになります。
フィリップの死は本人の物語の終わりであると同時に、エリスの人生を大きく変える出来事でもありました。
以前のような「ボレアス家の令嬢エリス」に戻る道が失われたことで、エリスは自分自身で今後の生き方を選ばなければならなくなります。
アニメ版フィリップの声優は小野大輔
アニメ『無職転生』でフィリップを演じている声優は小野大輔さんです。
アニメ第1期では、ルーデウスがエリスの家庭教師になる「少年期・家庭教師編」で登場します。第5話「お嬢様と暴力」をはじめ、第6話、第7話などにもフィリップ役として出演しています。
表向きは柔らかく落ち着いていながら、貴族らしい計算高さも感じさせるフィリップの人物像が描かれています。
無職転生のフィリップはエリスを支えながら再起も狙っていた貴族
フィリップ・ボレアス・グレイラットは、エリスの父であり、城塞都市ロアの町長を務めていたボレアス家の貴族です。
気性の激しいサウロスやエリスと比べると落ち着いた人物ですが、政治的にはかなりしたたかでした。
ルーデウスの才能を早い段階で評価し、エリスの家庭教師としてだけでなく、将来的にはエリスと結婚させることまで考えています。
一方で、フィットア領転移事件によって妻ヒルダとともに紛争地帯へ飛ばされ、そのまま死亡しました。
登場期間はそれほど長くありませんが、エリスの父親としてだけでなく、ルーデウスをアスラ貴族の世界へつなげた人物としても印象を残しているキャラクターです。
