『ONE PIECE』には数多くの魅力的なキャラクターが登場しますが、特にファンの心に深く刻まれている人物の一人が、ドンキホーテ・ロシナンテ、通称「コラソン」です。
彼の登場期間は決して長くはありません。
しかし、その優しい性格や、トラファルガー・ローとの感動的な関係、そして実の兄であるドフラミンゴとの悲劇的な物語は、多くの読者に強い印象を残しました。
なぜコラソンは、今なおこれほどまでに絶大な人気を誇るのでしょうか。
この記事では、公式の人気ランキングの結果から、彼の知られざる性格、ローやドフラミンゴとの関係性、そして衝撃的な死亡シーンに至るまで、コラソンの人気の理由を多角的に徹底解説します。
コラソンの魅力の核心に迫っていきましょう。
コラソンの人気の理由は?その人柄と魅力に迫る
世界人気ランキングで証明されたコラソンの人気
コラソンがいかにファンから愛されているかは、公式の人気投票の結果が明確に示しています。
彼の人気は、単なる印象論ではなく、客観的なデータによって裏付けられているのです。
その最大の理由は、登場回数の少なさをものともしない、強烈なキャラクター性と感動的な物語にあります。
2021年に開催された「第1回 ONE PIECEキャラクター世界人気投票」では、コラソンは総勢1,174名のキャラクターの中で、世界総合13位という驚異的な順位を記録しました。
獲得した票数は157,167票にも上ります。
これは、物語の主要キャラクターや、より登場期間の長いキャラクターたちと肩を並べる、非常に高い順位です。
ちなみに、日本国内のランキングに絞ると、さらに順位を上げて10位にランクインしています。
この結果から、特に日本のファンからの熱い支持を受けていることがうかがえるでしょう。
海外でも評価されるキャラクターデザイン
海外での人気も高く、その理由の一つとして、彼の独特なメイクが海外の有名ロックバンド「KISS」を彷彿とさせることが挙げられます。
このような文化的な背景も、国境を越えてファンを惹きつける一因となっているのかもしれません。
過去の回想シーンのみの登場であるにもかかわらず、これほどまでに上位に食い込むキャラクターは極めて稀です。
コラソンの人気は、彼がどれだけ読者の心に強いインパクトを残したかの何よりの証拠と言えるでしょう。
子供嫌いは演技?本当は優しいコラソンの性格
コラソンはドンキホーテ海賊団において、「子供嫌い」として知られていました。
しかし、その姿は全くの演技であり、彼の本質は非常に心優しく、深い愛情を持った人物です。
彼が冷徹な態度を貫いていたのは、未来ある子供たちを、実の兄ドフラミンゴが率いる残虐な海賊の世界から守るためでした。
ドフラミンゴの元には、彼のカリスマ性に惹かれて多くの子供たちが入団を希望してやってきます。
コラソンは、そうした子供たちにあえて暴力を振るったり、ひどい仕打ちをしたりすることで、彼らを海賊団から意図的に遠ざけていたのです。
これは、子供たちの将来を想うが故の、苦渋の決断であり、彼の優しさの歪んだ表現方法でした。
この行動によって、ベビー5やバッファローを含む多くの子供たちが、結果的に危険な道へ進むことから救われています。
ローにだけ見せた本当の優しさ
彼の本質的な優しさが最も顕著に表れたのが、トラファルガー・ローとの出会いです。
「珀鉛病」という不治の病に侵され、絶望の淵にいたロー。
そんな彼に対し、コラソンは当初こそ突き放すような態度を取りますが、ローがナイフで自身を刺した際には「痛ェのはお前のほうだったよな」と、彼の心の痛みを深く理解し、涙を流しました。
この涙が、誰にも心を開かなかったローの心を溶かすきっかけとなります。
コラソンの優しさは、天竜人の地位を捨て、人間として生きることを選んだ「心優しい父と母」から受け継いだものだと彼自身が語っています。
非情な兄とは対照的に、人の痛みがわかる優しい心を持ったコラソン。
そのギャップと隠された真実こそが、ファンを強く惹きつける魅力の一つなのです。
ローへの最期の言葉「愛してるぜ」に込められた想い
コラソンの名言の中でも、最もファンの心を揺さぶったのが、ローに向けた最期の言葉「愛してるぜ」です。
この一言には、ローへの計り知れない愛情と、彼の未来を願う切実な想いが凝縮されています。
この言葉が発せられたのは、コラソンの命が尽きようとする、物語屈指の感動的な場面でした。
ドフラミンゴの裏切りが露見し、兄によって致命傷を負わされたコラソン。
彼は自らの死を悟りながらも、残された力のすべてをローを逃がすために使います。
その際、彼はローにこう語りかけます。
「だってお前… いつかおれを思い出して貰うなら 笑顔の方がいいもんな」
この言葉の通り、コラソンは激痛に耐えながら最高の笑顔を作り、ローに向けて「愛してるぜ!!」と叫びました。
これは、自分の死後もローの心に暗い影を落とすのではなく、温かい思い出として残ってほしいという、彼の最後の願いでした。
言葉に行動が伴う愛情の証明
単に言葉で愛情を伝えただけではありません。
彼は「ナギナギの実」の能力を使い、宝箱に隠れたローの存在をドフラミンゴから完全に消し去ります。
そして、自分が死ねば能力が解けてローの泣き声が響いてしまうことを理解したうえで、海軍の砲撃音が響く瞬間まで気力だけで命を繋ぎとめたのです。
最後の最後までローのことだけを考え、彼の自由と未来のために命を懸けた自己犠牲の精神。
この壮絶な行動が伴っているからこそ、「愛してるぜ」という言葉は計り知れない重みを持ち、読者の涙を誘う名シーンとして語り継がれています。
ファンの希望「コラソンは生きてる?」の生存説
コラソンは作中でドフラミンゴに撃たれて死亡したことが明確に描かれています。
しかし、彼のキャラクター性があまりにも魅力的で、その死が悲劇的であったため、ファンの間では今なお「実は生きているのではないか」という生存説が根強く囁かれています。
これは、彼にもう一度登場してほしいという、ファンからの熱烈な愛情の裏返しと言えるでしょう。
生存説の根拠として、しばしば挙げられるのが作中の他の事例との比較です。
例えば、ドレスローザ編で登場したシュガーは、気絶しただけで「ホビホビの実」の能力が解除されました。
このことから、「コラソンも死んだのではなく、瀕死の状態で気絶したことでナギナギの実の能力が解けたのではないか」と考察するファンがいます。
また、「海上レストラン・バラティエの客の中に、コラソンによく似た後ろ姿の人物が描かれている」といった、作中の些細な描写を根拠とする説も存在します。
公式の描写とファンの願望
しかし、これらの説はあくまでファンの希望的観測や考察の域を出ません。
作中では以下の通り、彼の死は決定的なものとして描かれています。
コラソンの死を示唆する描写 |
ドフラミンゴによる複数回の銃撃 |
コラソンの死を確信したローの慟哭 |
コラソンの死と共に「ナギナギの実」の能力が解除されたこと |
育ての親であるセンゴクが彼の死を悼んでいること |
これらの描写を総合的に判断すると、残念ながらコラソンが生きている可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
それでもなお生存説が囁かれ続けるのは、彼がそれだけファンに愛され、再登場が熱望されているキャラクターであることの証明です。
彼の物語は完結しましたが、その存在はファンの心の中で生き続けているのです。
物語から探るコラソンの人気の理由と関係性
実の兄ドフラミンゴとの悲しく複雑な関係
コラソンとドフラミンゴの関係は、単なる善と悪の対立では語れない、悲しく複雑な兄弟の物語です。
二人は同じ「元天竜人」という出自を持ち、幼少期には壮絶な迫害を共に経験しました。
しかし、その地獄のような経験を経て、二人は全く異なる道を選びます。
この決定的な違いを生んだのは、父ドンキホーテ・ホーミング聖への考え方でした。
ドフラミンゴは、自分たちを地獄に突き落とした父を憎み、ついにはその手で殺害します。
一方でコラソンは、父の行動を「心優しい」が故の選択だったと理解し、最後まで父を憎むことはありませんでした。
弟として、海兵としての葛藤
父を殺し、暴走を続ける兄を止めるため、コラソンは海軍本部中佐という身分を隠し、スパイとしてドンキホーテ海賊団に潜入します。
彼は兄の非道な計画を阻止しようとしますが、その心の中には、血の繋がった兄への情も捨てきれずにいました。
その葛藤が最も表れたのが、最期の対決シーンです。
コラソンはドフラミンゴに銃口を向けながらも、引き金を引くことができませんでした。
一方のドフラミンゴも、弟の裏切りに気づきながらも、どこか弟を信じたいという歪んだ愛情を覗かせる場面があります。
しかし、最終的には非情にも自らの手で弟を処刑しました。
同じ地獄を見ながらも、決して交わることのなかった兄弟の道。
このどうしようもなく悲しいすれ違いと、愛憎入り混じる複雑な関係性が、ドレスローザ編の物語に深い奥行きを与え、読者の心を強く惹きつけるのです。
恩人として繋がるコラソンとローの特別な関係
コラソンとトラファルガー・ローの関係は、彼の人気を語る上で絶対に欠かすことのできない、物語の核心です。
コラソンは、人生のすべてに絶望していたローにとって、命と心を救ってくれた唯一無二の恩人です。
二人の出会いは、ローが不治の病とされる「珀鉛病」に侵され、余命いくばくもない状態でドンキホーテ海賊団に身を寄せたことから始まります。
家族も故郷も失い、誰も信じずに自暴自棄になっていたロー。
そんな彼に、コラソンは最初は厳しい態度で接します。
しかし、それは彼の本心ではありませんでした。
ローの境遇に深く同情したコラソンは、ドフラミンゴの元からローを強引に連れ出し、病気を治すための二人だけの旅に出るのです。
ローの心を溶かした献身的な愛
その旅は過酷なものでした。
行く先々の病院で、珀鉛病が伝染病だと誤解され、ローは人間以下の扱いを受けます。
その度にコラソンは、ローを差別する医者たちに激昂し、病院を破壊して回りました。
自分の無力さに涙し、ただひたすらにローのために奔走するコラソンの姿は、閉ざされていたローの心を少しずつ開いていきました。
そして最終的に、コラソンは自らの命を危険に晒し、海軍やドフラミンゴを敵に回してでも、あらゆる病気を治すことができる「オペオペの実」を奪取し、ローに食べさせます。
コラソンとの出会いがなければ、ローは心身ともに救われることなく、短い生涯を終えていたでしょう。
この献身的で無償の愛こそが、二人の間に生まれた特別な関係の基盤となっています。
なぜローはコラソンが大好きで慕い続けるのか
トラファルガー・ローがコラソンを「コラさん」と呼び、深く慕い続けている理由は、彼がローの人生で初めて「無償の愛」を注いでくれた存在だからです。
ローにとってコラソンは、単なる恩人という言葉では表しきれない、心の支えであり、生きる道標そのものなのです。
珀鉛病によって故郷フレバンスを失い、両親や妹、友人を目の前で殺されたローは、深い人間不信と絶望の中にいました。
そんな彼に、世界中が「穢れ」や「恐怖」の目を向ける中、コラソンだけがローを一人の人間として扱い、その命を救うためにすべてを投げ打ちました。
誰かのために涙を流し、誰かのために本気で怒り、そして誰かのために命を懸ける。
コラソンの生き様そのものが、愛を知らなかったローにとっての「愛」の教科書となったのです。
ローの行動原理となったコラソンの遺志
コラソンの死後、ローの人生は「コラさんの本懐を遂げること」、つまりドフラミンゴを討つことを最大の目的とします。
彼の生き様は、ローの行動原理のすべてに影響を与えています。
例えば、ローが率いるハートの海賊団のシンボルマークは、コラソンの笑顔を模したものです。
また、彼の強力な技の一つである「R・ROOM 凪(サイレント)」は、コラソンの「ナギナギの実」の能力に由来しており、彼への深いリスペクトが感じられます。
コラソンが命を懸けて与えてくれた「自由」と「愛」。
それを受け取ったローが、今度は誰かを守るためにその力を使う。
ローがコラソンを大好きで慕い続けるのは、彼の魂がローの中で今も生き続け、彼の道を照らしているからに他なりません。
衝撃のコラソン死亡シーンが人気を不動のものに
コラソンの人気を決定づけ、多くの読者の記憶に焼き付いているのが、彼の壮絶な死亡シーンです。
『ONE PIECE』には数々の感動的な別れの場面が存在しますが、コラソンの最期は、その中でも特に自己犠牲の精神が際立った、涙なくしては語れない名場面として知られています。
このシーンが多くのファンの心を掴んだのは、彼が最後の瞬間まで、ただひたすらにローの未来だけを想い、自らの命を完璧な形で使い切ったからです。
ドフラミンゴに追い詰められ、逃げ場のない「鳥カゴ」の中で、コラソンはローを宝箱に隠します。
そして、自分の「ナギナギの実」の能力を最大限に活用し、ローの存在そのものを消し去りました。
ローのために計算し尽くされた最期
コラソンの凄さは、ここからの行動にあります。
彼は、自分が死ねばナギナギの実の能力が解け、ローの泣き声や物音がドフラミンゴに聞こえてしまうことを正確に理解していました。
そこで彼は、致命傷を負いながらも、ただ気力だけで生き永らえます。
すべては、ローを乗せた海軍の船が島を離れ、ドフラミンゴの耳が届かない範囲まで逃げる時間を稼ぐためでした。
そして、彼の死の瞬間は、奇しくも海軍の軍艦が一斉に砲撃を開始したタイミングと重なります。
能力が解けて響き渡ったローの慟哭は、その大きな砲撃音によってかき消され、ドフラミンゴに気づかれることはありませんでした。
まるで、天すらも彼の味方をしたかのような奇跡的な展開です。
愛する者のために、自らの死のタイミングすらもコントロールし、未来への道を切り開く。
このあまりにも献身的で計算し尽くされた最期は、悲しみと共に深い感動を呼び、コラソンというキャラクターを読者の心の中で永遠の存在へと昇華させたのです。
まとめ:コラソンの人気の理由はローとの絆と壮絶な生き様
この記事では、コラソンがなぜこれほどまでに人気なのか、その理由を多角的に解説しました。
登場期間の短さに関わらず、彼の魅力は色褪せることがありません。
最後に、コラソンの人気の理由をまとめます。
- コラソンは公式人気投票で常に上位にランクインするほどの人気キャラである
- 「子供嫌い」は演技で、その本質は非常に心優しく情に厚い
- 危険な海賊の世界から子供たちを守るために嫌われ役を演じていた
- 絶望の中にいたローの命と心を救った、かけがえのない恩人である
- ローに初めて無償の愛を教え、彼の生きる道標となった
- 兄ドフラミンゴとの関係は、同じ地獄を経験しながらも袂を分かった悲劇の物語である
- 最期の言葉「愛してるぜ」には、ローへの深い愛情と未来への願いが込められている
- ローを逃がすために自らの死の瞬間まで計算し尽くした自己犠牲の精神を持つ
- その壮絶な死に様は、ワンピース屈指の感動的な名シーンとして知られる
- ファンの間では今も生存説が囁かれるほど、強く愛され続けている
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