ワンピース最終章のエッグヘッド編にて、物語の根幹を揺るがす重要なキーワードが登場しました。
それが「マザーフレイム」です。
ベガパンクが開発したこの未知のエネルギーは、世界を滅ぼすほどの力を持った兵器と深い関わりを持っています。
作中ではルルシア王国の消滅という衝撃的な事件が描かれましたが、その裏にはマザーフレイムの存在がありました。
なぜ科学の島エッグヘッドで作られた発明品が、大量破壊兵器として使われてしまったのでしょうか。
この記事では、マザーフレイムの正体や古代兵器との関係、そして誰がそれを持ち出したのかについて詳しく解説します。
ワンピース世界の謎を解き明かす鍵となるこの用語を、今のうちにしっかりと理解しておきましょう。
マザーフレイムの正体はベガパンクが作った「消えない炎」
物語の中で世界政府が血眼になって求めているマザーフレイムですが、その正体は兵器そのものではありません。
結論から言うと、マザーフレイムとはベガパンクが開発した「超高密度のエネルギー体」のことです。
見た目は水槽のようなカプセルの中に揺らめく小さな炎として描かれています。
この炎は「消えない炎」とも呼ばれており、一度火がつけば半永久的に燃え続ける特性を持っていると推測されます。
ベガパンクは本来、この技術を兵器利用するためではなく、世界中に無償でエネルギーを行き渡らせるという夢のために開発しました。
世界中どこにでもエネルギーがあれば、資源を巡る戦争はなくなるとベガパンクは考えていたのです。
しかし、そのあまりにも強大すぎるエネルギーは、皮肉にも世界最悪の兵器を動かすための「燃料」として利用されることになりました。
作中でベガパンク自身も「私は太陽に近づきすぎてしまった」と語っており、科学者としての理想が最悪の形で現実化してしまったことを悔いています。
エッグヘッドの研究層にある「融合炉(パワープラント)」という施設で、このマザーフレイムは生成されています。
カプセルには「S-108」や「A&Mu」といった謎の文字が記されており、これが原子や核融合に関連する意味を持つのではないかと考察されています。
つまりマザーフレイムとは、ベガパンクの最高傑作でありながら、使い方次第で世界を滅ぼしかねない「禁断の動力源」なのです。
ルルシア王国を破壊した兵器とマザーフレイムの関係
マザーフレイムの名前が読者の記憶に強く刻まれたのは、ルルシア王国の消滅事件がきっかけでした。
サボが潜伏していたルルシア王国の上空に突如として巨大な影が現れ、無数の光線が降り注いだあの惨劇です。
一瞬にして島ひとつを跡形もなく消し去り、海に巨大な穴を開けたあの攻撃は、世界政府が保有する何らかの兵器によるものです。
そして、その兵器を動かすために使用されたのがマザーフレイムでした。
イム様は五老星に対して「ベガパンクの作ったマザーフレイムを使いたい」と明確に指示を出しています。
これは、今まで世界政府が保有していた兵器が、燃料不足などの理由で自由に使えなかったことを示唆しています。
マザーフレイムという莫大なエネルギーを得たことで、長年眠っていた兵器が再稼働したと考えるのが自然でしょう。
ルルシア王国が標的にされた理由は、反乱の火種があったこともありますが、イム様曰く単に「近いから」という恐ろしいものでした。
これはマザーフレイムの実験を行う上で、即座に効果を確認できる場所を選んだとも受け取れます。
この攻撃の威力は凄まじく、使用された数日後には全世界で大規模な地震が観測されました。
さらに世界中の海面が約1メートル上昇するという、地質学的な変動までも引き起こしています。
マザーフレイムを動力源とした兵器の一撃は、まさに天変地異を引き起こす神の如き力だったのです。
エッグヘッドからマザーフレイムを盗んだ犯人はヨーク
世界政府はなぜ、ベガパンクしか作れないはずのマザーフレイムを入手できたのでしょうか。
その答えは、エッグヘッド内部にいた裏切り者の存在にあります。
マザーフレイムを盗んだ犯人は、ベガパンクの分身(サテライト)の一人である「ヨーク(欲)」です。
ヨークは「天竜人になりたい」という強い欲望を持っており、その地位を得るための取引材料としてマザーフレイムを利用しました。
彼女は本体(ステラ)であるベガパンクを裏切り、融合炉で作られたマザーフレイムの欠片を密かに世界政府へ送りつけていたのです。
この行動によって、世界政府はマザーフレイムの実用性を確認し、ルルシア王国の消滅実験へと繋がりました。
五老星にとって、マザーフレイムを生み出せる「融合炉(パワープラント)」と、その製法を知るヨークは極めて重要な存在となりました。
そのため、エッグヘッドへのバスターコールや黄猿の侵攻においても、ヨークの身柄と融合炉の確保が最優先事項とされています。
ヨーク自身もその価値を理解しており、五老星に対して強気な交渉を行っていました。
ベガパンクの「欲」という感情だけを抽出された彼女だからこそ、世界を危機に晒してでも自分だけの利益を追求するという行動に出たと言えます。
マザーフレイムが古代兵器ウラヌスの動力源と言われる理由
ルルシア王国を滅ぼした兵器の正体については、古代兵器「ウラヌス」である可能性が極めて高いと考察されています。
古代兵器には「プルトン(戦艦)」「ポセイドン(人魚姫)」「ウラヌス」の3つが存在します。
プルトンはワノ国の地下にあり、ポセイドンはしらほし姫であると判明していますが、ウラヌスだけはその詳細が謎に包まれていました。
しかし、空を飛び島を消滅させるという描写は、天空神の名を持つウラヌスのイメージと合致します。
革命軍のドラゴンやイワンコフも、ベガパンクがそのような殺戮兵器を作るはずがないと断言しています。
つまり、兵器の本体(ハードウェア)は昔から世界政府が持っていた古代兵器であり、マザーフレイムはその動力(ソフトウェア)として使われたという構図です。
今まで世界政府が古代兵器を乱用しなかったのは、それを動かすための莫大なエネルギーが存在しなかったからだと考えられます。
空白の100年の時代には、現代にはない高度な動力源があったとされていますが、それは歴史と共に失われていました。
ベガパンクは「未来のエネルギー」を研究する過程で、結果的にかつての「古代のエネルギー」を再現してしまったのです。
神典「ハーレイ」や壁画の記述ともリンクするように、人間が禁断の太陽(エネルギー)に触れたことで、世界を滅ぼす力が再び目覚めてしまいました。
マザーフレイムとは、現代に蘇った古代兵器の心臓部と言えるでしょう。
まとめ
今回はエッグヘッド編の最重要キーワードである「マザーフレイム」について解説しました。
マザーフレイムの正体は、ベガパンクが平和利用のために開発した「消えない炎」というエネルギー体です。
しかし、そのエネルギーは裏切り者のヨークによって盗み出され、世界政府へと渡ってしまいました。
イム様はこのマザーフレイムを動力源として、ルルシア王国を消滅させるほどの威力を持つ兵器(おそらく古代兵器ウラヌス)を起動させました。
その結果、世界的な地震と海面上昇が引き起こされ、ワンピースの世界は大きな転換点を迎えています。
ベガパンクの発明が世界を海に沈める引き金になってしまったという事実は、物語に重いテーマを投げかけています。
今後、麦わらの一味がこの禁断のエネルギーとどう関わっていくのか、マザーフレイムを巡る争奪戦から目が離せません。

