実写映画「おそ松さん」に対して、「ひどい」「内容がよくわからない」といった厳しい評価を見かけることがあります。
Snow Manが主演を務めたことで大きな話題となりましたが、その斬新な内容から賛否両ロンが巻き起こっているのも事実です。
原作アニメファンや、これから映画を観ようか迷っている方にとって、実際のところどのような評価がされているのかは気になるところでしょう。
この記事では、なぜ実写版「おそ松さん」が「ひどい」と言われるのか、その理由を興行収入や具体的な感想、ネタバレを含むあらすじ、そしてアニメ映画「ヒピポ族と輝く果実」との比較も交えながら、多角的に解説していきます。
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映画「おそ松さん」はひどい?その評判を調査
「おそ松さん」の映画は本当にコケたのか?
結論から言うと、実写映画「おそ松さん」は興行的に「コケた」とは言えません。
むしろ、商業的には成功を収めた作品と評価されています。
公開からわずか3日間で興行収入3.5億円を突破し、最終的な興行収入は15億円を超える大ヒットとなりました。
この数字は、主演であるSnow Manの高い人気と集客力が大きく影響していると考えられます。
ただ、興行的な成功とは裏腹に、作品内容に対する評価は賛否が大きく分かれています。
レビューサイトでは5段階評価で平均点が3点前後となっており、決して絶賛されているわけではありません。
例えば、熱心な原作ファンからは「これはおそ松さんではない」、映画ファンからは「物語として破綻している」といった厳しい意見が見受けられます。
一方で、Snow Manのファンからは「アイドルの新しい一面が見られて面白かった」「何も考えずに笑える」といった肯定的な声も多く挙がっていました。
このように、映画「おそ松さん」は「興行収入では成功したが、作品評価では賛否両論」というのが実態であり、一概に「コケた」と断じることは難しい作品です。
「内容がよくわからない」という感想が多数
映画「おそ松さん」の評価で特に多く見られるのが、「内容がよくわからない」「ストーリーがカオス」という感想です。
このような意見が出る主な理由は、映画が一本の筋の通った物語ではなく、複数のジャンルが入り乱れるメタ構造的な作りになっているためです。
物語の序盤は、「大富豪の養子の座を6つ子で争う」という比較的わかりやすい設定で始まります。
しかし、中盤から物語は急展開を迎えます。
6つ子がそれぞれ自分磨きのために奮闘するのですが、その過程がなぜか個別の映画ジャンルのパロディとして描かれるのです。
各キャラクターの暴走する物語
- おそ松とチョロ松:図書館で出会った美少女を巡る純愛ラブストーリー
- カラ松:記憶を失い、海外の犯罪組織に加わるケイパーもの
- 一松とトド松:命を懸けたデスゲーム
- 十四松:なぜか戦国時代にタイムスリップする時代劇
これらの物語が同時並行で進むため、視聴者は「今、何の映画を観ているんだ?」と混乱してしまうのです。
さらに、Snow Manの他メンバーが演じる「物語終わらせ師」というオリジナルキャラクターが登場し、暴走する物語を強制的に終わらせようと介入します。
この「物語の中で物語をいじる」というメタ的な構造が、本作の大きな特徴であり、同時に「よくわからない」と感じさせてしまう最大の要因と言えるでしょう。
アニメ版「ヒピポ」もひどいという評判の真相
実写映画「おそ松さん」の評判を調べていると、アニメ映画「おそ松さん~ヒピポ族と輝く果実~」に対しても「ひどい」という声が挙がっていることに気づくかもしれません。
ここで重要なのは、これら2作は全く別の作品であるということです。
「ヒピポ族と輝く果実」は、2022年7月に公開された完全新作のアニメ映画です。
この作品が「ひどい」と言われる背景には、いくつかの理由が存在します。
一つは、ストーリー性の薄さです。
レビューでは「テレビアニメの1エピソードを長くしただけ」「映画館でお金を払って観る内容ではない」といった意見が見られます。
上映時間が約68分と短いこともあり、壮大な物語を期待していたファンにとっては物足りなさを感じさせたようです。
また、一つのギャグを長く引っ張る展開が多く、テンポが悪いと感じた視聴者もいました。
劇中でキャラクター自身が「このくだり長いよ」とツッコミを入れるシーンがあるほどで、制作側も意図的に「ダラダラした展開」を演出している節があります。
もちろん、「おそ松さんらしいゆるい空気感が良かった」「何も考えずに笑えた」という肯定的な意見もあります。
しかし、2019年に公開され、感動的なストーリーで高評価を得た「えいがのおそ松さん」と比較されがちで、その期待値の高さから厳しい評価につながった側面もあるでしょう。
家族で観ると気まずいという口コミ
「おそ松さん」シリーズ全体に言えることですが、その作風から「家族で観ると気まずいかもしれない」という懸念の声は存在します。
これは、赤塚不二夫の原作が持つナンセンスギャグの精神を受け継ぎつつ、現代風のブラックユーモアや下ネタが頻繁に登場するためです。
実写映画でも、その傾向は変わりません。
例えば、劇中には6つ子たちが下品な言葉を連発するシーンや、アイドルであるSnow Manのメンバーが体を張ったきわどいギャグに挑戦する場面が含まれています。
具体的には、排泄に関する直接的な描写や、大人向けのパロディネタなどがそれに当たります。
もちろん、これらのユーモアはあくまでコメディの範囲内であり、過度に性的なものではありません。
しかし、小学生くらいのお子さんや、そういった笑いに慣れていない年配の方と一緒に観た場合、少し気まずい空気になる可能性は否定できません。
実際に、親子で鑑賞した人からは「笑えるシーンは多かったが、子供にどう説明していいか困る場面もあった」という声も聞かれます。
そのため、誰と観に行くかによって、映画の楽しみ方が変わってくる作品と言えるでしょう。
「おそ松さん」の映画がひどいと言われる理由
主演「Snow Man」の配役は合っている?
実写映画「おそ松さん」の評価を語る上で、主演であるSnow Manの配役は避けて通れない要素です。
このキャスティングが、映画の評価を大きく左右する要因の一つとなっています。
肯定的な意見としては、「メンバーの個性に合った配役で楽しめた」という声が非常に多いです。
ファンにとっては、普段の彼らのキャラクター性を活かした役柄や、メンバー間のやり取りがそのまま映画の面白さに繋がっていました。
役名 | 演者(Snow Man) | 役どころの特徴 |
おそ松(長男) | 向井 康二 | オレンジがメンバーカラー。元気でムードメーカー的な存在。 |
カラ松(次男) | 岩本 照 | 黄色がメンバーカラー。筋肉担当でクールだが少しナルシスト。 |
チョロ松(三男) | 目黒 蓮 | 黒がメンバーカラー。真面目だが時に暴走するツッコミ役。 |
一松(四男) | 深澤 辰哉 | 紫がメンバーカラー。マイペースでミステリアスな雰囲気。 |
十四松(五男) | 佐久間 大介 | ピンクがメンバーカラー。天真爛漫でアクロバティック。 |
トド松(末っ子) | ラウール | 白がメンバーカラー。最年少で甘え上手なあざとかわいい弟。 |
エンド(オリジナル) | 渡辺 翔太 | 青がメンバーカラー。物語終わらせ師の一人。 |
クローズ(オリジナル) | 阿部 亮平 | 緑がメンバーカラー。物語終わらせ師の一人。 |
ピリオド(オリジナル) | 宮舘 涼太 | 赤がメンバーカラー。物語終わらせ師の一人。 |
一方で、原作ファンや一般の映画ファンからは、「Snow Manのプロモーションビデオのようだ」という厳しい見方もあります。
6つ子は本来、顔がそっくりという設定ですが、当然ながら演じているメンバーの顔は異なります。
劇中でその矛盾をメタ的にギャグにしているものの、「キャラクターになりきっている」というよりは「Snow Manのメンバーが役を演じている」という印象が強く、原作の持つニートでクズな雰囲気が薄れていると感じた人も少なくありません。
結局のところ、この配役を「ファンサービスとして楽しめるか」、それとも「原作の世界観を壊していると感じるか」が、評価の分かれ道となっているのです。
複雑な実写の相関図とオリジナルキャラ
前述の通り、映画「おそ松さん」の物語は非常に複雑な構造をしています。
その複雑さをさらに加速させているのが、映画オリジナルのキャラクター「物語終わらせ師」の存在です。
物語終わらせ師は、エンド(渡辺翔太)、クローズ(阿部亮平)、ピリオド(宮舘涼太)の3人組で構成されています。
彼らの役割は、バラバラの方向に暴走し始めた6つ子の物語を、本来の「養子縁組バトル」という本筋に強制的に引き戻すことです。
この設定は、9人組であるSnow Manを6つ子の物語に登場させるための工夫であり、非常にユニークなアイデアと言えます。
しかし、この存在が視聴者の混乱を招く一因にもなっています。
ただでさえ6つ子の物語が6つに分岐してカオスな状態なのに、そこにさらに「物語を終わらせる」というメタ的な役割を持つキャラクターが介入してくるため、相関図はより一層複雑化します。
例えば、カラ松の犯罪組織ストーリーにピリオドが潜入捜査官として入り込んだり、おそ松の恋愛ストーリーにエンドが恋敵として現れたりします。
このように、終わらせ師自身も物語に巻き込まれていく展開は、一部の観客には「予測不能で面白い」と映りました。
一方で、多くの観客にとっては「誰が何のために行動しているのかわからない」「話がとっ散らかって収拾がついていない」という印象を与えてしまい、「ひどい」という評価につながる要因の一つとなったのです。
賛否が分かれる映画のネタバレあらすじ
映画「おそ松さん」の物語が、いかに賛否を呼ぶものであったかを、ネタバレを含むあらすじから具体的に見ていきましょう。
物語の結末は、これまでのカオスな展開をさらに上回る、衝撃的なものでした。
中盤でバラバラになった物語は、最終的に「養子にしようとしていた大富豪の家が、実はクローン研究を行う悪の組織だった」という方向に急旋回します。
そして、6つ子たちはその家で生み出されたクローン人間だった、という事実が明かされるのです。
しかし、6つ子たちはその設定すらも信じず、「じゃあ俺たちが本当の金持ちだ!」と物語をさらに乗っ取ろうとします。
最終的には、十四松がタイムスリップした過去で起こした行動が原因で、大富豪の存在そのものが消滅。
全ての出来事が「なかったこと」になり、6つ子はいつものニート生活に戻る、という大団円(?)を迎えます。
この結末に対して、評価は真っ二つに分かれました。
肯定的な意見としては、「何でもありなのがおそ松さんらしい」「くだらなくて最高に笑った」「全ての伏線を投げ捨てる潔さが良い」といった声が挙がりました。
これは、原作アニメが持つ、シリアスな展開を平気でギャグにしたり、設定を無視したりする「やりたい放題」の精神性を評価する見方です。
一方で、否定的な意見としては、「2時間かけて観た物語が全て無に帰した」「脚本が投げやりすぎる」「面白い、面白くない以前に、映画として成立していない」といった厳しいものが多く見られました。
物語の整合性やカタルシスを求める観客にとって、この結末はあまりにも不条理で、受け入れがたいものだったのです。
そもそも「おそ松さん」実写化のコンセプト
では、なぜ制作陣はこれほどまでに賛否が分かれる作品を作ったのでしょうか。
その答えは、実写化そのものの「コンセプト」にあります。
この映画は、完璧な原作再現を目指したものではありません。
むしろ、「人気アニメをアイドル主演で実写化することの無理さ」そのものを逆手にとって、丸ごとギャグにしてしまおうという非常に挑戦的なコンセプトで作られています。
劇中でキャラクターたちが「実写化って無理あるよな」「俺たち顔違うけど、設定上は同じ顔だから」と平気で口にするのは、その最たる例です。
これは、原作アニメが持つメタフィクション(作中のキャラクターが、自分たちが物語の登場人物であることを自覚しているような演出)の要素を、実写というフォーマットで最大限に活用したものです。
このコンセプトを理解し、「これはそういうお祭り映画なんだ」と割り切って観ることができた人にとっては、本作は「B級映画として見事に成り立っている」「原作の魅力をうまく再現している」と高く評価されました。
しかし、そうした前提知識がない観客や、一つの映画として完成された物語を期待していた観客にとっては、ただの「支離滅裂なコント集」にしか見えなかったのです。
言ってしまえば、この映画は観客に「どこまでこの悪ふざけに乗っかれるか」を試すような作品です。
そのハードルの高さが、極端な賛否両論を生み出し、「ひどい」という強い言葉での評価に繋がった最大の理由と言えるでしょう。
まとめ:「おそ松さん」の映画がひどいと言われる評価の多角的な見方
- 実写映画「おそ松さん」は興行収入15億円超のヒット作である
- 興行的な成功とは対照的に、作品内容の評価は賛否両論である
- 「内容がよくわからない」と言われるのは、メタ構造と複数の物語が混在するためである
- Snow Manの配役はファンから好評だったが、原作ファンからは賛否があった
- 「物語終わらせ師」というオリジナルキャラが、物語の複雑化の一因となった
- 全てが無に帰す投げやりな結末が、評価を大きく分ける要因であった
- 「実写化の無理さ」自体をギャグにするという挑戦的なコンセプトの作品である
- 観客が作品の悪ふざけに乗れるかどうかで、面白さが大きく変わる
- アニメ映画「ヒピポ族と輝く果実」もストーリー性の薄さから厳しい評価がある
- 「おそ松さん」の映画は、作品によって評価のポイントが異なる
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