週刊少年ジャンプで絶大な人気を誇る『SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)』。
その中で、物語の根幹を揺るがす最大の敵として君臨するのが、殺し屋組織『×(スラー)』を率いる有月憬(うづきけい)です。
彼はなぜ主人公・坂本太郎の前に立ちはだかるのでしょうか。
この記事では、謎に包まれた有月の正体から、作中で囁かれる死亡説、そして彼の運命を大きく変えた赤尾リオンとの関係、さらには彼を演じる声優や率いるメンバーに至るまで、あらゆる情報を徹底的に解説していきます。
有月の複雑な背景を知ることで、『サカモトデイズ』の世界をより深く楽しめること間違いありません。
サカモトデイズの有月(スラー)の正体と組織
サカモトデイズに登場するスラーの正体とは
『サカモトデイズ』の物語において、不気味な存在感を放つ「スラー」。
その正体は、殺し屋組織『×(スラー)』を率いるリーダー、有月憬(うづきけい)という名の美しい青年です。
当初、物語ではプロの殺し屋ばかりを狙う連続殺人犯として、その名が囁かれていました。
犯行現場に必ず「×」のマークを残していくことから、殺し屋連盟(殺連)から「スラー」と呼称されるようになったのです。
一見すると物腰が柔らかく、部下想いの一面も見せる優男風の彼ですが、その本性は極めて冷酷かつ残忍です。
殺しに対して一切の躊躇がなく、作中最強クラスである坂本太郎にさえ、初対決で致命傷を負わせるほどの実力を秘めています。
このように、スラーこと有月憬は、物語の主要な敵対勢力の中心に立つ、最も危険な人物と言えるでしょう。
スラーの正体である青年「有月憬」とは何者か
スラーの正体である有月憬は、主人公・坂本太郎と深い因縁を持つ、非常に複雑な背景を持ったキャラクターです。
彼はかつて、坂本や南雲、赤尾リオンと同じ殺し屋養成機関「JCC」に所属していた同期でした。
まずは、彼の基本的なプロフィールを見てみましょう。
項目 | 詳細 |
名前 | 有月 憬(うづき けい) |
誕生日 | 10月14日 |
年齢 | 27歳 |
身長 | 182cm |
体重 | 73kg |
血液型 | AB型 |
利き手 | 両利き |
趣味 | 読書 |
好きなもの | 平穏 |
嫌いなもの | 喧騒、殺連 |
出身 | 殺連直営児童養護施設「アルカマル」 |
彼の経歴で特に重要なのは、殺連が運営する児童養護施設「アルカマル」の出身である点です。
この施設は、ORDER(オーダー)と呼ばれるエリート殺し屋を人工的に生み出すための非人道的な実験場であり、有月の殺連に対する深い憎しみの根源となっています。
JCC時代は「どんな殺しも悪に決まっている」と考える穏やかな学生でしたが、後述するある悲劇的な事件をきっかけに、世界そのものに絶望します。
そして、「尊い正義のためには悪が必要」という歪んだ信念を抱き、殺連を潰して世界を混沌に還すことを目的に活動を始めるのです。
サカモトデイズのスラーを率いるメンバー一覧
有月憬が率いる組織「スラー一派」には、彼の思想に共感し、殺連打倒という目的を共有する強力な殺し屋たちが集っています。
その多くは、有月と同じく「アルカマル」で過酷な幼少期を過ごした者たちであり、組織への忠誠心と仲間意識は非常に強いです。
現在判明している主要なメンバーは以下の通りです。
メンバー名 | 特徴・能力 | 最新の生死状況 |
楽(がく) | 巨大なミートハンマーを操る戦闘狂。戦闘をゲーム感覚で楽しむ。 | 生死不明 |
熊埜御(くまのみ) | 電磁力を操るクールな女性。仲間意識が非常に強い。 | 生存 |
鹿島(かしま) | 全身の70%を武器化した改造人間。医療担当も兼ねる。 | 生存 |
ハルマ | スポーツを模した技で戦う異色の殺し屋。 | 死亡 |
クラブ・ジャム | 催眠術を操るマゾヒスト。 | 生存 |
キャロライナ・リーパー | クラブ・ジャムの兄。炎を操るサディスト。 | 死亡 |
天弓(てんきゅう) | 箱を被った謎の人物。 | 生存 |
牛頭(ごず) | 褐色肌の殺し屋。 | 不明 |
宇田(うだ) | 殺連に潜入していたスパイ。自爆して死亡。 | 死亡 |
共通の過去を持つ精鋭たち
前述の通り、鹿島を除く多くのメンバーがアルカマル出身者です。
彼らは、自分たちを実験動物のように扱った殺連に対して深い恨みを抱いています。
そのため、有月が掲げる「殺連の破壊」という目的は、彼らにとって自身の過去への復讐でもあるのです。
個々の戦闘能力が極めて高いだけでなく、共通の目的と過去によって固く結ばれており、坂本たちにとって非常に厄介な組織となっています。
サカモトデイズの有月役を務める人気声優
ミステリアスで複雑な魅力を持つ有月憬。
アニメ版でその声を務めるのは、数々のアニメで主要キャラクターを演じてきた実力派声優の浪川大輔さんです。
浪川さんは、『ルパン三世』の石川五ェ門(三代目)役、『ハイキュー!!』の及川徹役、『HUNTER×HUNTER』(第2作)のヒソカ役など、幅広い役柄をこなすことで知られています。
彼の演技は、有月が持つ二面性を見事に表現しています。
普段の穏やかで優しい口調から、戦闘時に見せる冷酷で狂気じみた声色への変化は、キャラクターの深みを一層際立たせているのです。
浪川さんは有月を演じるにあたり、「演じるにあたって深さというものを時折見せられればなと思っています」「先の展開もあるので語るに難しいキャラクターですが作品を楽しんで頂きながらスラーという人物を掘っていってもらえればと思います」とコメントしており、キャラクターへの深い理解とのめり込みがうかがえます。
彼の声によって、有月憬というキャラクターの魅力が最大限に引き出されていると言っても過言ではないでしょう。
サカモトデイズの有月の過去と死亡説の真相
サカモトデイズの有月と赤尾リオンの悲しい関係
有月憬の過去、そして彼の人格形成を語る上で絶対に欠かせない人物が、赤尾リオンです。
彼女は坂本や有月と同じJCCの同期であり、非常に高い戦闘能力を持つ一方で、誰よりも優しい心を持っていました。
二人の出会いは、JCC時代の護衛任務がきっかけでした。
当時、有月は殺連会長の座を狙う兄・麻樹の命令でスパイとして動いており、任務対象を殺害しようとします。
しかし、その現場をリオンに目撃されてしまうのです。
リオンに追い詰められた有月は、アルカマルの仲間を人質に取られているという苦しい胸の内を明かします。
彼の孤独と優しさに触れたリオンは、有月を見過ごすことができず、共に殺連から逃げる「逃避行」を決意しました。
この逃亡生活の中で、二人の間には友情を超えた強い絆が芽生えていきます。
しかし、そんな穏やかな時間は長くは続きませんでした。
兄・麻樹の非道な策略により、有月はターゲットの正体を知らないまま、最も守りたかったはずの赤尾リオンをその手で殺害してしまうという、あまりにも悲劇的な結末を迎えることになります。
この事件が、有月の心を完全に破壊し、世界への復讐を誓うきっかけとなったのです。
サカモトデイズの有月のもう一つの正体と人格
有月憬には、もう一つの恐ろしい正体が存在します。
それは、彼が極度のストレスに晒されると、自己防衛本能から他者の人格と能力をコピーしてしまう「解離性同一性障害」を患っている可能性が高い、という点です。
この症状が顕著になったのは、やはり赤尾リオンを失ったことによる計り知れない精神的ショックが原因と考えられます。
彼の心は、耐え難い苦痛から逃れるために、別の人格を作り出すという手段を選びました。
記憶から作り出される危険な人格
作中で、有月の中には少なくとも二つの人格が存在することが確認されています。
一つは、彼がその手で殺めてしまった「赤尾リオン」の人格です。
このリオン人格は、有月の記憶の中のリオンを完璧に再現しており、その言動や仕草は、彼女をよく知る南雲でさえ本人と錯覚するほどでした。
そしてもう一つが、ORDER最強と謳われた盲目の剣士「篁(たかむら)」の人格です。
これは、篁との死闘の中で仲間を次々と失った恐怖とストレスから生まれた人格であり、本物と同等、あるいは若い肉体を持つがゆえにそれ以上の戦闘能力を発揮します。
ただし、これらの人格は有月の記憶がベースになっているため、彼が理解していない側面は再現できません。
特に篁の人格は「殺戮マシーン」という側面しかコピーできておらず、一度発現すると敵味方の区別なく破壊の限りを尽くすため、有月自身も制御できない極めて危険な存在となっています。
サカモトデイズの有月は過去に死亡していた?
作中で圧倒的な強さを見せる有月ですが、実は過去に一度、坂本太郎の手によって殺されたと思われていました。
これは、赤尾リオンを殺害してしまい、悲しみの淵にいた有月が、現場に駆けつけた坂本と対峙した際に起こった出来事です。
当時、すでに生きる希望を失っていた有月は、坂本に殺されることを望んでいたのかもしれません。
坂本との激しい戦闘の末、有月は心臓を正確に撃ち抜かれ、その場で命を落としたとされていました。
しかし、彼は生きていたのです。
その理由は、彼が数万人に一人という非常に稀な「内臓逆位」の持ち主だったからでした。
内臓逆位とは、心臓をはじめとする内臓の位置が、常人とは左右逆に配置されている特異体質のことです。
坂本が狙った左胸には心臓がなく、結果として致命傷を免れるという奇跡が起こりました。
ですが、この生還が彼を救うことはありませんでした。
血みどろで助けを求める彼に手を差し伸べる者は誰一人おらず、世間の無関心と冷酷さを目の当たりにした有月は、完全に世界に絶望します。
この出来事が、彼の復讐心を決定的なものにし、「こんな世界はどうなったっていい」という破壊衝動へと駆り立てる最後の引き金となったのです。
サカモトデイズでスラーは死亡するのか?
物語の最重要人物である有月(スラー)は、最終的に死亡するのか。
これは多くの読者が抱く疑問でしょう。
結論から言うと、2025年7月現在の連載時点では、有月憬は死亡していません。
しかし、彼はこれまでに何度も死の淵をさまよっています。
前述の坂本との戦いや、ORDER最強の篁との死闘では、まさに死線を乗り越えてきました。
注目すべきは、彼が死に近づくたびに、新たな人格を形成したり、精神的に覚醒したりして、より強力な存在へと変貌を遂げている点です。
これは、彼の物語における役割が、単なる「倒されるべき悪」ではないことを示唆しているのかもしれません。
彼の最終的な目的は、殺連を破壊し、現在の社会秩序を根底から覆すことです。
その壮大な計画がどのような結末を迎えるのか、そして彼の命運がどうなるのかは、今後の物語の展開次第と言えるでしょう。
ただし、彼が行ってきたことの重大さを考えると、最終的には何らかの形でその罪を償う展開、つまり死亡する可能性は常に残されています。
彼の生と死の行方は、間違いなく『サカモトデイズ』のクライマックスを飾る重要な要素となるはずです。
まとめ:サカモトデイズの最重要人物・有月の全て
- 殺し屋殺し「スラー」の正体は、有月憬という青年である
- 有月は殺連直営の非人道的な施設「アルカマル」の出身である
- JCC時代は坂本、南雲、赤尾リオンと同期だった
- 兄・麻樹の策略により、想いを寄せていた赤尾リオンを殺害してしまう
- この悲劇がきっかけで、殺連と世界への復讐を誓う
- 極度のストレス下で別人格を形成する解離性同一性障害の可能性がある
- 作中では「赤尾リオン」や「篁」の人格をコピーしている
- 過去に坂本に殺されたが「内臓逆位」という特異体質で生き延びた
- スラー一派は、有月と同じくアルカマル出身者で構成されることが多い
- 最新話時点では死亡しておらず、物語の最大の敵として君臨している